悲しけりゃここにおいでよ・・・・・・
そう言わんばかりの笑顔を浮かべた魔鈴めぐみと名乗った美女は、戸惑い気味の俺の手を引き歩き出す。
案内されたのは角を曲がった先にある小洒落た内装のレストラン。
ちなみに涙拭くハンカチは無かった。
――――― 月から還って3 ――――――
「ハーブティでいいかしら?」
「え、あ、ああ。大丈夫です・・・・・・多分」
魔鈴に案内されるまま席に着いた横島は、人気の無い店内にやや緊張気味の受け答えをしてしまう。
店に入るときに見た札には定休日の文字。
魔鈴と名乗った年上の女性は、これから自分に何をするつもりなのか?
横島の頭の中で、大変分かりやすいある種の期待が大きく膨らんでいく。
自分の若い体を求める、熟れた肢体を持て余す年上の疼き。
いつもならお約束のように口に出してしまう彼の妄想は、耳元で囁かれた魔鈴の呟きに止められていた。
「ひょっとして初めてとか?」
不意な・・・・・・しかし、必然とも言える質問に横島の喉がグビリと鳴った。
正直に答えるべきか、それとも見栄を張るべきか?
この場での最良の答えをはじき出すために、横島の脳がかってないほどの演算を繰り返す。
ゼロコンマ数秒で二桁に達するシミュレーションを終了させた彼の脳は、正直に答えることを選択していた。
「う・・・・・・分かりますか?」
「ふふ、それだけ緊張していれば分かります・・・・・・」
クスリと笑った魔鈴に、横島はバツの悪そうな苦笑いを浮かべる。
そんな彼の態度を、魔鈴は大人の余裕を感じさせる笑みで受け止めていた。
「最初は違和感感じちゃって楽しめない子もいるみたいですけど・・・・・・大丈夫。私に任せてください」
「ま、まかせるって・・・・・・マジでいいんスか?」
「ええ、そのつもりで呼んだんですもの。ちょっと待ってくださいね」
魔鈴は横島にウインクを投げかけると、いそいそとキッチンへと入っていく。
ティーセットを手に彼女が再び姿を現したのは、ボタボタと滴り落ちた横島の鼻血がようやく止まった頃だった。
「お・ま・た・せ」
「お、おねーさん!!」
「あん。せっかちねぇ」
「だって・・・・・・。僕ぁ・・・僕ぁ・・・・・・」
今にも押し倒さんばかりの勢いで迫る横島から、魔鈴は巧みな身のこなしでトレイにのせたお茶を守る。
どのような技を用いてるのか、ティーカップに注がれたハーブティーはさざ波一つ起こしていなかった。
「慌てなくてもお茶は逃げませんよ! というか、慌てて飲んだら火傷しちゃいます!!」
「へ? お、お茶?」
「ええ、初めてなんでしょ? ハーブティー・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「いやー。そうなんスよ! 楽しみだなぁ・・・・・・それじゃ早速」
「うふふ、熱いから気をつけてくださいね」
血の涙を流しながら、横島はティーカップに手を伸ばす。
彼は朗らかな笑顔を浮かべる魔鈴の目が、一瞬鋭い光を放ったのに気がつかない。
立ち上る湯気をふーふと吹きながら、熱いハーブティーを一口啜ると爽やかな香りが鼻腔に抜けた。
「お味はいかがかしら?」
「不思議な味っすね。でもスゲー良い香りです」
感想を口にする横島に先程までの血走った様子はない。
二口、三口と啜るうちに彼の目は幸せな過去を見つめるように和らぎ、期待と緊張に固まった体は母の胸に抱かれた赤子のように脱力していく。
徐々に重くなってくる瞼。意識をはっきりさせようと頭を二三度振ろうとするが、弛緩した筋肉がそれを許さない。
「どうやら気に入ってもらえたみたいですね・・・・・・」
手からこぼれ落ちそうになるティーカップを魔鈴の手がそっと抑えた。
何か言い返そうとした横島の視界の中で、魔鈴の輪郭が朧に霞む。
静かに語りかける魔鈴の声を聞きながら、横島の意識は急速に闇に呑み込まれていった。
「ねえ、あなた・・・・・・あなたってば!」
「んぁ? 俺・・・?」
ふいにかけられた甘えるような声。
うたた寝から目覚め体を起こした横島は、ダイニングテーブルに突っ伏し眠っていた自分に不思議そうな顔をした。
自分を見つめ優しく微笑んでいるのは、先程合ったばかりの魔鈴めぐみ。
彼女はpiyopiyoとロゴが入ったひよこのエプロンを身につけ、何故かいそいそと料理を作っている。
おたま片手の魔鈴は、キョトンとした表情のまま固まった横島にぷうと頬を膨らませた。
「もう。何を寝ぼけてるんですか!? 仕事で忙しいのはわかるけど、もうすぐ食事ができあがりますよ!」
「え? 食事? だって、さっきはハーブティーだけ・・・あ、そうだ! あのハーブティーを飲んだ俺は急に眠くなって」
「あら、懐かしい。私たちが出会った時の夢をみてたのね」
「夢?」
キツネにつままれた様な横島にクスリと笑うと、魔鈴は上機嫌にハミングをしながら再び料理にとりかかる。
彼女は手際よく野菜を刻みながら、懐かしむような声で横島の疑問に答えた。
「ええ、懐かしい夢。霊能力を失ったあなたの相談に私が乗って・・・・・・美神さん、メドゥーサさんとも色々あったけど、霊能力を取り戻したあなたは私を選んでくれたんだもの」
「俺が? それに霊能力を取り戻したって?」
「ホントにどうしちゃったの? でも、いいわ。また、私のお料理で何とかしてあげる」
「料理で? ねえ? 本当に分からないスよ!? 一体、俺、どうなって!!?」
「大丈夫! 私のお料理を食べればどんな問題も一発で解決なんだから」
「ちょっと! 分かるように教えて下さいよ! それに、何で料理で・・・・・・料理?」
横島の狼狽をあざ笑うかのように大きな火柱が立った。
彼に背を向けたままの魔鈴は、その炎に中華鍋をかざし煽り始める。
「何でですって? それはね・・・・・・」
「そ、それは中華鍋。ま、まさか・・・・・・」
魔鈴から放出される禍々しい魔力が、炎の熱以上に横島の顔を灼く。
言葉を失った横島に、彼女はニタリと口を笑いの形に歪めた。
「そう! 魔鈴の料理は魔法なんだよッ! カカカカカ―――ッ!!」
「それがやりたかっただけか―――ッ!!」
元ネタを知っていても微妙な魔鈴の豹変に、横島のツッコミが炸裂した。
「それがやりたかっただけか―――ッ!!」
「あら、起きたの? ええ、もう粗方終わりましたわ」
ニッコリと笑った魔鈴の言葉に、横島は毒気を抜かれたように彼女を見つめる。
目の前の魔鈴は当然の事ながら中華鍋など握っておらず、雑巾がけを終わらせたバケツをいそいそと片付けている所だった。
「んぁ? 夢・・・・・・って、ここ、俺の部屋??」
さっきまで魔鈴の店にいた筈なのに、周囲は見慣れた・・・・・・しかしどこか圧倒的に違うアパートの一室。
暗くじめじめとしたイカ臭い自分の部屋が、神殿の如く輝いていることに横島はポカンと口をあけている。
「どうです! 見違えたでしょう? 霊的にお掃除すればこんな風になるんです」
「すげえ。確かに俺の部屋なのに、神殿みたいな・・・・・・って、ひぃぃぃぃぃっ!!」
「あ、その本とかビデオテープですか。そういう不浄なモノはこの際処分しちゃいます!」
紐でくくられた数々のコレクションを目撃した横島は、思い出深い品々がうけた扱いに悲鳴をあげていた。
特にその最上部に置かれた名作洋画のタイトルが書かれたビデオテープには、デスノート並の厳重さで幽霊時代のおキヌにさえ気付かれぬよう隠した、ご禁制の映像が録画されている。
「健全で健康な生活を送れば、霊能力なんてあっという間に取り戻せ・・・・・・」
「ちょっと待て。何でアンタがこのテープの・・・・・・ゲフン。俺のアパートを知ってるんだ!? それに俺が霊能力を失っていることをどうして???」
「どうしてって、みんな横島さんが話してくれたんじゃないですか」
「俺が?」
「そうですよ! 霊能力を失ったことや、月で戦ったメドゥーサという女の人が復活したこと。その人に自分の居場所を奪われて危機感を感じていることとか・・・・・・それと」
「まさか・・・・・・あのお茶に自白剤が!」
「ちょ、ちょっと! そんなことするはず無いでしょ!!」
素っ頓狂な声をあげ警戒の姿勢をとる横島に、魔鈴は如何にもかれの考えが突飛なものであるかのようにコロコロと笑う。
そして日だまりの様なのほほんとした笑顔で横島の緊張を解きにかかるのだった。
「あなたにご馳走したのはただのハーブティーですよ! ほっと一息ついて、緊張を和らげられるようにって・・・・・・」
「ハーブティ・・・? ただの?」
「ええ。飲むと意識が弛緩し、質問されたことに全て答えちゃうただのハーブティーです」
「ソレを日本語では自白剤と言うんだーッ!!」
激しいツッコミを入れる横島に対し、魔鈴は自分の行為のどこが問題なのか全く分からないというようなキョトンとした表情を浮かべている。
自分が正しいと思っている目的の為には手段を選ばない、とっても迷惑な人たちに共通する表情だった。
「あ、アンタ、美神さんとはまた違うベクトルでタチ悪いぞ!」
「でも正直に問題点を話してくれた御陰で、こうやって健全で健康な生活が手に入る訳だし、そうすれば女の子にだってモテちゃうわよ!」
モテちゃうという言葉の響きに横島の動きがピタリと止まった。
そのリアクションを見た魔鈴は、改めて自分の行為の正しさを確信し微笑みを浮かべる。
彼女はイタズラ好きの子供を諭すような口調で、横島に語りかけるのだった。
「今まででも土壇場で凄い力を発揮してきたのでしょう? あなた素材としては凄く良いモノをもってるんだから、後は丁寧に煩悩という灰汁を取っていけば、極上の料理に仕上がることも可能だわ・・・・・・どう? この際、生活改善して一流の霊能力者を目指さない?」
「俺がモテモテ・・・・・・」
「そうよ! その為には先ずは体の中からキレイにならなきゃね。丁度、おいしくって健康になれる特性スープが出来たところよ」
魔鈴の話をどこまで聞いているのか、横島の脳裏にはタキシード姿で美人のねーちゃんで埋め尽くされたプールに飛び込む己の姿が浮かんでいた。
そんな彼の状況など全くお構いなしに、魔鈴は作業の仕上げに取りかかるべく火にかけておいたスープをおたまですくおうとする。
立ち上る湯気とハーブの香り。
しかし、その薬効効果抜群のスープは、すぐには横島の口に入らなかった。
「気に入らないね。彼女でも無いクセに・・・・・・」
掃除中の換気にと、大きく開けたドアの向こうから聞こえた声に、おたまを握る魔鈴の手がピタリと止まった。
横島も急な来客が意外だったのか、訝しげな表情で来訪者を見つめている。
部屋の前には、コンビニの買い物袋を手にしたメドゥーサの姿があった。
「メドゥーサ・・・・・・」
「それじゃ、この方が・・・・・・はじめまし」
「あがらせてもらうよ」
メドゥーサは魔鈴の挨拶を無視し、ずかずかと横島のアパートに上がり込む。
高校生ぐらいの外見にそぐわないふてぶてしい態度と、大きくあいた胸元から覗く深い谷間に魔鈴のこめかみが僅かに引きつった。
「ふん。邪気を祓う魔法料理か・・・・・・それにこの掃除。霊的に部屋を清めて、おままごとでもやろうっていうのかい?」
部屋に立ちこめるスープの香に鼻をヒク付かせてから、メドゥーサは姑がよくやるような手つきで窓枠をつうと擦る。
その姿にはどこか魔鈴の仕事を小馬鹿にしているような雰囲気が漂っていた。
「ええ。横島さんが霊能力を失って困ってるようでしたから、それを取り戻すお手伝いをするところです」
「あー、そりゃご苦労さん。ソレは私がやっとくから、アンタはもう帰っていいよ」
シッシと追い払うかのようなメドゥーサの態度に、魔鈴の額にクッキリと青筋が浮かんだ。
「いえ、私は横島さんの霊能力を取り戻してあげると約束しましたから」
「アンタのやり方じゃ無理だから言ってんのよ。その料理持って、とっとと帰んな」
「無理? 私の魔法料理が? 神通力を失っているアナタよりは、横島さんのお役に立てると思いますが」
「アンタも修行が足りないねぇ・・・・・・神通力なんて必要ないんだよ」
「それじゃアナタが持ってきたジャンクフードと、砂糖漬けの飲み物の方が私の料理より優れていると?」
自分の料理を無駄だと言われた魔鈴は、売り言葉に買い言葉といった感じでメドゥーサが持ってきたコンビニ袋を指さす。
横島への差し入れのつもりなのか、その中にはポテチやチョコ菓子、コーラのペットボトルが入っていた。
「あ、コレ? これは単なる差し入れだよ。緊張をほぐす意味でも何か軽く腹に入れておいた方がいいからね」
メドゥーサは横島にニコリと笑いかけると、部屋の中央にある卓袱台にガサリとその袋を置いた。
そのままチラリと部屋の隅に片付けられていた布団に視線をとばしてから、彼女は呆れの混ざった表情で魔鈴に視線を送る。
「あー、もう野暮だねえ。皆まで言わせるつもりかい?」
メドゥーサはこう言うと、先程から雰囲気に飲まれがちだった横島を引き寄せその腕に抱きつく。
密着し、ふよんと潰れた胸の弾力に、横島の脳髄はマシュマロのようにとろけていた。
「敵の頃は分かんなかったけど、この男は潜在的な能力を上回るコンプレックスの持ち主でね。アンタみたいにコテコテに工夫し倒した魔法料理で無理矢理力を引き出さなくても、ゆっくり時間をかけて自信を持たせてやれば大化けするんだよ」
「自信? いったいどうやって・・・・・・」
「分からない? オトコノコに自信をつけさせるにはアレがいちばんでしょ」
ブシュッ!
メドゥーサの言葉に横島の鼻から派手に鼻血が吹き出す。
魔鈴もようやく彼女の意図を理解したのか、口をパクパクさせながら掃除したての床に滴り落ちる鼻血をみつめていた。
「で、どうするの? アンタも混ざりたいっていうなら私は気にしないけど」
「なっ!」
更に大量の血を吹き出しながら期待に目を輝かす横島と対照的に、激しく動揺した魔鈴は素っ頓狂な声をあげてしまっていた。
「別に悪いコトする訳じゃないでしょうに・・・・・・コレだから堅物は」
メドゥーサが浮かべた余裕の笑みに、魔鈴の顔から動揺が消え去った。
からかわれたことを理解した彼女の中で、敵愾心をふつふつと燃え上がらせ始める。
「なんて恥知らずな・・・・・・流石、がめついと評判の美神事務所の関係者ですね。そんな穢れた人たちに、私の魔法が引けをとるわけには行きません!」
挑むようにメドゥーサを指さした魔鈴は、横島の送る早く帰れと言う視線をスルーし対決姿勢を明言する。
横島に自信をつけさせるというメドゥーサに対して、あくまで魔鈴は魔法料理と掃除による精神の浄化を目指していく。
どちらの方法が横島の霊力を回復させるか?
鳴かぬなら鳴かして見せようホトトギスな魔鈴に対し、鳴かぬなら起つまで・・・ゲフン。鳴くまで待とうホトトギスなメドゥーサ。
それならば、この場にもう一人の人物が現れるのは必然と言えた。
「・・・・・・私のことを知っているような口ぶりね」
「美神さんッ!」
まるで出待ちをしていたかのようなタイミングで現れた美神に、部屋の空気が一変した。
驚きの声を発した横島の鼻血はピタリと止まり、如何にもこの男の所有者がこの女であることを窺わせる。
そんな反応にメドゥーサと魔鈴は多少面白く無さそうな顔をした。
「最近、低価格で除霊をしている魔女がいるっていうのはアンタかしら?」
「最初は断っていたんです。でも、耳にした報酬があまりにも非常識で・・・・・・魔法使いが困っている人を助けるのは当然でしょう?」
「で、仕事のナワバリを荒らしただけじゃなく、
私の丁稚をたらし込もうとは大したタマね」
美神が吐いた言葉には、単に商売敵に向けた敵意以外の何かが含まれている。
この場にいる者で唯一その事に気付いたメドゥーサは、口元に浮かびそうになる笑いを苦労して抑えつつ火花を散らす二人の間に割り込んだ。
「大丈夫よ。美神」
「あん? 大丈夫って一体どういう意味よ! 別に私は・・・・・・」
「霊的な掃除と、浄化効果のある食材を使った料理で、強制的にキレイにするのがこの女の芸風だしね。まあ、失敗するのは目に見えてるから、横島の霊能力回復は私にまかせておきなよ」
「何でやる前から失敗するって決めつける・・・・・・ふがっ!」
「あーもうアンタは黙ってて! それに横島っ! いつまで鼻の下伸ばしてるのッ! 時給下げるわよ!!」
攻撃の目標を変えた美神は、メドゥーサに食ってかかろうとする魔鈴の口を塞ぐと、横島の腕を掴み強引に彼女から引きはがした。
「折角だけどそう悠長に待っている訳にもいかないの」
「おや、何で私が時間をかけるって知ってるんだい? まさかずっと立ちぎ・・・・・・」
「兎に角! コイツがいつまでも役立たずだと、仕事にならなくて大損するのよ!!」
メドゥーサのツッコミを大声で蹴散らした美神は、顔を赤らめつつ近くに引き寄せた横島の目を真っ直ぐ見つめる。
「仕方ないから、私がアンタの霊力回復に一役かってあげるわ・・・・・・」
「え? それって美神さんが・・・・・・?」
「・・・・・・ただし、私なりの方法でね!」
鳴かぬなら殺してしまえホトトギス―――美神の瞳に含まれた剣呑な意志を感じ取った横島は、必死に逃げようとしたが無駄だった。
彼の体はどこからか取り出された呪縛ロープにぐるぐる巻きにされ、バチバチと火花を散らす女たちの足下に転がされる。
流石の彼も上を見上げ「見えた!」などという余裕は無かった。
「という訳で、アンタたちはもう帰っていいわよ! 丁稚の面倒は雇い主である私が見るから」
「勝手に話を進めないでくれませんか? 自分の料理をこれだけ馬鹿にされて、このまま引き下がる訳にもいきません」
「私も引き下がる訳にはいかないねぇ・・・・・・横島と私の復活には何か繋がりがあるみたいだし、みんな引かないとあっちゃぁ仕方ないね。ここは一つ・・・・・・」
どこか楽しげなメドゥーサは、降着した状況を打破すべく人差し指を一本立てた。
美神と魔鈴は、彼女が言おうとしていることを理解しているとでも言うように深く肯く。
そして3秒後。まるで申し合わせたように揃った三人の声が、横島のアパート中に聞こえるような大きさで響き渡った。
「勝負よ!」
勝負の内容、行く末など一切分からないまま次回に続く(=-ω-)ノ
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