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安奈みら取材紀行「蝙蝠屋敷の怪事件」第十二章

   
「……というわけですな」

 若田警部による手記の朗読が、終了する。
 その途端。

「いい加減なことを言うでないよ!
 和男伯父さんは優しい人じゃった……」

 しずか御前が、顔を真っ赤にして立ち上がった。

「そんな酷いこと、するわけなかろう!?
 ……嘘に決まっておる!
 緋山ゆう子は、嘘を書き記したのじゃッ!!」
「御前様、そんなに興奮なさらずに……」
「大丈夫です、御前様。
 警察の人もわかってくれますよ」

 凄い剣幕で怒鳴る彼女を、女将さんと御主人さんが必死になだめる。
 薮韮さんと弥平老人も、わらわらと駆け寄ってきた。
 弥平老人は、例によって片脚を引きずっている。そんな状態で参加しなきゃいけないとは、可哀想に。
 一方。
 私たち宿泊客は、『他人のフリ』どころか本当に他人。六人とも、完全に傍観者となっていた。

(そっか……。
 しずか御前は、当時の事件に
 直接関わってるんだもんね……)

 まだ激昂している彼女をボーッと眺めながら。
 私は、今さらながらに、それを思い返していた。
 緋山ゆう子の事件は、昔々のことだと思っていたけれど。
 死体を直接見てしまったことで、私にも、だんだん現実感が湧いて来たのだった。

(しずか御前は、数少ない生存者。
 屋敷にいなかったが故に助かっただけ……)

 緋山ゆう子の手記――若田警部が読み聞かせた内容(第十一章参照)――を、しずか御前が語ったストーリー(第四章参照)と比較してみる。
 緋山ゆう子が周りから冷遇されていたことは、共通していた。
 でも。
 肝心の部分で、大きな違い。
 しずか御前の話では、緋山ゆう子は、完全に悪女。義理の息子を誘惑し、その後、屋敷の者を皆殺しにしたのだ。
 一方、緋山ゆう子の手記では、悪役は、その『義理の息子』。緋山ゆう子は、姦通事件ではむしろ被害者であり、殺人事件では濡れ衣を着せられたのだ。

(だけど、今となっては……)

 考えてみれば。
 屋敷に当時いた者は全員死んでいるのだから、しずか御前の話は、あまり信憑性がないわけで。
 一方、自分のことをワザワザ悪人として記さないだろうから、緋山ゆう子の手記にも、あまり信憑性がないわけで。

(……どっちが正しいのか、
 もう誰にも、わかんないわね)

 考えるのを止めた私。
 私の視線の先では、しずか御前が、まだ御立腹な様子を示していた。






     安奈みら取材紀行「蝙蝠屋敷の怪事件」
    
          第十二章 退屈な朝
            ―― Oh What a Borin' Mornin' ――






 一日目に旅館に着いて。
 二日目に殺人事件が起こり。
 三日目にミイラを見つけて。
 そして、四日目の朝。

「つまんないな……」

 広いベッドで、手足を広げて。
 私は、無意味につぶやいた。
 ここは私の部屋、305号室。一人きりなので、私が何を言っても、誰も聞いてはくれない。

「……せっかく天気がいいのに」

 窓から射し込む日差しは、とっても健康的。
 でも私は、ダラダラと横になっている。
 朝食の直後、警察の人々から外出禁止令が発せられたのだ。
 まあ、一応、私たちも事件の関係者なんだし。
 仕方ないって言えば仕方ないんだろうけど。

「今できることは……
 考えることくらいかな」

 仰向けからゴロンと寝返りをうって。
 枕を抱きかかえながら。
 緋山ゆう子の手記の内容を、頭の中で、もう一度吟味してみる……。


___________


 しずか御前の肩を持つつもりはないけれど。
 よくよく考えてみれば、緋山ゆう子の記録には、腑に落ちない点があった。

「隠れている間に、
 自分以外全員死んじゃった。
 ……これって出来過ぎた話よね」

 彼女が犯人として記していた小森和男、その男まで死んでいるのだ。
 誰が小森和男を殺したか。
 その疑問に対して、緋山ゆう子は、二つの説を示している。
 
「ひとつ目は……」

 『あのひとが最後の力を振り絞って返り討ち』。彼女は、そう書いていた。
 でも、そんな相討ちなんて。
 それが成立するには、いったい、どれほどの偶然が必要なんだろうか。
 ドラマや漫画じゃあるまいし、現実的には、起こる確率は低いような気がする。
 普通なら、死にかけでは相手を殺す力はないし、逆に、相手を殺すくらい体力あったらその後に逃げられるんじゃない?

「そして、もう一つは……」

 『罪の意識にさいなまれて自害』。彼女は、そう書いていた。
 でも、小森和男って。
 彼女の手記に描かれた人物像では、そんなイメージなかった。
 罪の意識を感じる人間には思えなかった。

「……そうなると。
 書かれていなかった第三の可能性ね」

 一番ストレートに考えるならば。
 小森和男を殺したのは、緋山ゆう子ではないだろうか。
 夫を殺された彼女が、その復讐を成し遂げたのではないだろうか。

「そうね。
 たぶん彼女は……
 完全な無罪じゃないんだわ。
 浮気や皆殺しに関しては無罪でも、
 小森和男殺しで有罪なんだわ!」

 だから、緋山ゆう子は。
 あそこに隠れ続けたのだ。
 あそこから出てこれなかったのだ。

「……うん。
 そう考えると、辻褄が合うわね」

 通路の入り口が開かなくなって。
 このままでは、餓死してしまう状況。
 やましいことが何もなくて清廉潔白なら、助けを呼べばいいのだ。
 ずっと中からドンドンと叩いていたら、いずれは誰かが気付いてくれるかもしれない。
 でも、そんな努力をした様子もなかったのだから。

「それが出来なかったのは、
 村人たちから迫害を受けていたから?
 犯人扱いされると思ったから?
 ……違うわ、そんなの詭弁だわ」

 中に居たら死ぬのは確実。
 外に出れば『犯人扱いされる』かもしれないが、『されない』可能性だってゼロではない。
 それならば後者に賭けてみようというのが、普通の心情のはず。
 だけど、緋山ゆう子は、死を選んだ。
 『どうせ、あのひともいないのですから』『もはや生きていても仕方ありません』なんてカッコいい書き方してたけど。
 それだって理屈に合わない。

「だって……『あのひと』が死んで、
 それを知った後でも彼女は、
 隠し通路でコソコソ生き続けていた。
 ……もしも本当に死を恐れないなら、
 犯人扱いされても構わないだろうし、
 それならみんなの前へ
 堂々と出ていけば良かったのに。
 やっぱり……彼女は無罪じゃないんだわ!」

 こうやって考えていくと、ピタッとパズルのピースがはまった感じ。
 ちょっとスッキリする私だった。


___________


「それじゃ今度は……」

 もう一度、寝返り。
 仰向けに戻った私は、枕を抱きかかえたまま、思索を続ける。

「……最近の事件との関連ね!」

 秘密の抜け穴。
 それは、おキヌちゃんが考えていたものとは違った。
 犯行現場である207号室へは通じていなかったのだ。
 そして、樹理ちゃんの考えていたものとも違った。
 犯人が色々な場所へ行き来するのに使える通路ではなかったのだ。
 でも。

「樹理ちゃんの推理は、
 少しだけ正しかったのね」

 緋山ゆう子は、一家惨殺事件の後、どこかに隠れていた。そこから時々出てくる必要があって、その際に目撃されたのだ……。
 彼女は、そう考えていたのだった(第五章参照)。
 そして実際に、私たちは緋山ゆう子のミイラを発見したわけだ。それに、彼女の手記にも、一時的な外出のことは記されていた。
 樹理ちゃんの推理では『緋山ゆう子は、その後、逃げ出した』だったので、そこは外れていたわけだが……。

「まあ、ポイントは押さえていたわけよね」

 さらに。
 最近の亡霊目撃談に関して、樹理ちゃんは、それを利江さん殺害犯の変装だとも想定していた(第十章参照)。
 これに関しては、まだ是とも非とも言えない。
 緋山ゆう子が何十年も前に死んでいた以上、彼女でないことは確かだか、それ以上の情報はないのだ。
 ……と、ここまで考えたところで。

「そうだ……!」

 私は、ベッドからガバッと起き上がった。

「樹理ちゃんの部屋へ行こう」

 一人でウダウダ考えるより、一緒に推理してたほうが楽しそうだ。
 それに、外出禁止令で、樹理ちゃんも退屈しているかもしれないし。

「思いたったら……即、行動!」

 私は、部屋から飛び出した。


___________


「樹理ちゃーん。
 ……樹理ちゃん?」

 樹理ちゃんの部屋は、私と同じ三階にある。
 部屋番号までは聞いていなかったけれど、昨日の密室議論の途中で、たまたま知ることが出来た。
 265号室が、樹理ちゃんの部屋の真下。御主人さんが、そう言ったのだ(第九章参照)。
 だから、私は今、365号室の扉の前に立っている。

 トン、トン。

 さっきから何度もドアをノックしてるんだけど。
 名前も何度も呼びかけてるんだけど。
 ウンともスンとも反応がない。
 だけど、それを続けているうちに。

 バタッ。

 扉が開いた。
 ただし、365号室ではなくて、隣の366号室。
 中から顔を出したのは、茂クンだ。

「樹理なら……いませんよ」

 ちょっと不機嫌そうな表情に見える。
 樹理ちゃんとケンカでもしたのかな?

「ちょっと意見が食い違いましてね」

 うわっ。
 聞いちゃいけないと思って遠慮したのに、疑問が顔に出ちゃってたみたい。
 私が質問するまでもなく、茂クンは解答を寄越した。
 さらに。

「樹理のやつ……。
 いまだに、この屋敷の呪いを
 『偽りの霊障』だと思ってるんですよ」

 ドアを半開きにしたまま、立ち話を始める茂クン。
 色々な密室トリックも否定され(第八章及び第九章参照)、隠し通路説まで却下されたことで、茂クンは満足。これで、犯人は人智を越えた存在なのだと確信したらしい。
 ところが、樹理ちゃんは『そんなわけない』の一点張りだったそうで。

「でも……茂クン。
 おキヌちゃんや横島さんも、
 幽霊なんていないって言ってたよね?」

 ちょっと反論してみる私。
 しずか御前とは違い、茂クンは、おキヌちゃんたちGSの力を認めているはずなのだ。
 
「そこですよ、安奈先生。
 樹理も同じこと言ってましたが……」

 持論を語り出す茂クン。
 彼の考えでは。
 おキヌちゃんたちが悪霊を感知できないことこそ、この魔物の力強さを物語っているのだ。
 一流のGSの目からも、その身を隠し通せるくらい。
 それくらいの、超一流の魔物。

「……たぶん、
 伝説の『緋蝙蝠』そのものです!」

 うーん、どうだろう。
 確かに、この地方の伝説(第二章参照)によれば。
 緋蝙蝠というのは、神様である『白こうもり様』を逆に封印しちゃうくらい、凄かったらしいけど。
 それは、白こうもり様が弱かっただけなのでは……。

「何言ってるんですか!?
 かりにも神様ですよ、白こうもり様は。
 神様は、みんな強いに決まってます!!」

 あの伝説を聞いた際、私は、白こうもり様って結構役立たずだと感じたんだけど。
 むしろ、親近感を覚えたんだけど。
 どうやら、茂クンの印象は違うらしい。
 そして。

「神に勝つほどの緋蝙蝠だから、
 横島さんたちでも探し出せないのです!」

 あー。
 これでは、樹理ちゃんと話が噛み合わないだろうな。
 
「……でも樹理は
 僕の意見を認めてくれなくて」

 やっぱり。

「しばらく部屋に閉じこもった後、
 『証拠を見つけてくる!』と言って、
 ひとりで出て行ってしまいました」


___________


「それじゃ……私が
 樹理ちゃんを探して来てあげる!」
「えっ。
 ……安奈先生?」

 足どりも軽やかに、私は、その場から立ち去った。
 今日のこれからの行動指針が定まったからだ。

(外出禁止令って……
 そういう意味だったのね)

 部屋から出てはいけない。
 あるいは、建物から出てはいけない。
 私は、そう解釈していた。
 でも。
 茂クンと話をしているうちに――樹理ちゃんが出て行ったと聞いた瞬間に――、閃いたのだ。

(この屋敷の建物じゃなくて
 ……敷地内から出なければいいんだわ!)

 考えてみれば。
 ここは大きな御屋敷で、だから敷地も広くて。
 庭園というか、ちょっとした森というか、そんな感じなのに。
 そっちは今まで、全然散策していなかったのだ。

(今日は天気が良いんだから、
 緑の中をウロウロすれば気分もイイはず!)

 と思って、ひたすら廊下を進んで。
 大階段に達した時。

「あら、みら先生!」

 呼びかけられたので、振り返ってみる。
 声の主は、おキヌちゃんだった。


___________


「みら先生も、お散歩ですか?」
「うん、そう。
 ずっと部屋の中にいたら、
 なんだか息が詰まっちゃうから」
「あ、私もです。
 じゃあ、一緒に歩きましょうね」

 二人並んで、大階段を降りる私たち。
 どうやらおキヌちゃんも、敷地内を歩くのはOKと解釈しているようだ。
 そして。
 玄関を出たところで。

「みら先生、どっちへ行きます?
 ……やっぱり、
 裏庭の倉を見に行きたいですか?」

 おキヌちゃんが、私に尋ねた。
 私は、特に目的地なんて設定してなかったんだけど。

「裏庭の……倉?」
「ほら、緋山ゆう子さんの幽霊が出るって。
 ……みら先生も、
 その話は聞かされたんですよね?」

 あ。
 おキヌちゃんに言われて、ようやく思い出した。
 しずか御前の語った亡霊伝説では、出現地点は、二つあったのだ。
 『かつての彼女の自室』と『屋敷の庭にある倉の近く』(第四章参照)。

「……しかも
 昨日聞かされた手記の内容も
 それに合致してましたよね」

 あ。
 おキヌちゃんに指摘されて、ようやく気が付いた。
 緋山ゆう子の記録では、隠し通路から時々抜け出したと記されていた。
 部屋の窓から外の様子を眺めたり、裏庭にある倉まで足を延ばしたり(第十一章参照)。
 その姿を目撃されて、亡霊伝説が出来上がったのだ。

「そ、そうね。
 せっかくだから、
 問題の倉を調べてみるのは
 ……面白いかもしれないわね」
「ええ!
 緋山ゆう子さんが死んでからも
 幽霊が目撃されてるようですから
 ……きっと何かあるんですよ」

 幽霊目撃談の中には、樹理ちゃんが提案したように(第五章参照)、単なる見間違いも含まれているかもしれない。
 それでも、どうせ目的もなくブラブラするくらいなら、そこへ行ってみる価値はあるだろう。

(それにしても……)

 私の隣でニコニコしている、おキヌちゃん。
 パッと見では、ちょっとボケーっとした感じの少女なんだけど。
 実は彼女は、なかなかスルドイようだ。

(……もしかして
 おキヌちゃんって名探偵?
 それならば……)

 私は、彼女を小説のモデルに使っている。
 『聖美女神宮寺シリーズ』の美少女巫女は、おキヌちゃんから想起したキャラクターなのだ。
 そこでは、彼女は主人公じゃなくて、主人公の相手役なんだけど。

(美少女巫女の方を主役にして
 ……スピンオフもアリかもしれない!)


___________


 神宮寺令子と離れて、一人、旅に出た美少女巫女。
 旅先で再会したのは、かつて、

「また……会えますか?」

 と口にした女性作家。
 今、その想いを受け止めて……。


___________


(いつもはウケだった美少女巫女が、
 今回はセメに回っちゃうの!)

 あんなことやら、こんなことやら。
 神宮寺令子仕込みのテクニックで。
 美少女巫女は、女性作家を、未知の世界へと導くのだ。

(きゃーっ!!
 とうとう私も禁断の世界に
 引きずり込まれちゃう!)

 胸はドキドキ、仕草はイヤンイヤン状態の私。
 でも。

「あのぅ、みら先生?
 ……みら先生!!」

 ハッ。
 おキヌちゃんに呼ばれて、我に返る。

「大丈夫ですか?
 まるで……妄想の世界へ
 イッちゃった横島さんみたいでしたけど」

 うっ、図星だ。
 さすが、おキヌちゃん。
 だてに横島さんの奥様してないわけだ。

(そうよね。
 おキヌちゃんには
 横島さんがいるのよね……)

 と、彼の存在を思い出したところで。

「あれ?
 そう言えば……横島さんは?」

 のんびり散歩するというのであれば、私とじゃなくて、横島さんをパートナーにするのが普通だろうに。
 それなのに一人で来たということは。
 もしかして……樹理ちゃん茂クンと同様、ケンカでもしてるのかしら!?

「そんなわけないですよ!」

 私の心配を一笑に付すおキヌちゃん。
 彼女の説明によると。
 横島さんは『なんだか疲れた』と言って、朝からゴロ寝しているらしい。
 思い返してみると、確かに、朝食の席でも、いつもより元気なかったような気が。

「……具合でも悪いの?」
「あ、心配しないでください。
 特に意味はないみたいです。
 ……横島さんだって、
 たまには、ゆっくり休みたいんですよ」

 横島さんは、美神さんほど朝に弱いタイプじゃないけれど。
 もともとは、高校の進路指導で退廃的な将来設計を語ったような男。
 早起きが好きなわけではないそうだ。
 用事があるならキチンと起きるけれど、休める時には休みたいタイプ。

「高校生の頃なんて、
 遅刻ばっかりだったんですよ。
 GSのバイトのせいもあったけど、
 そればかりじゃなくて……」

 クスクスと笑うおキヌちゃん。
 そんな彼女を見ているうちに、ひとつの可能性に気付いてしまった。

「あ!
 もしかして……
 横島さんが今日、疲れてる原因って、
 『ゆうべはおたのしみでしたね』なのかな?」

 素直に口にしてみたんだけど。

「もう、みら先生ったら。
 そんなわけないですよぅ!」

 おキヌちゃんは、全力で否定する。
 誤解されて恥ずかしいのだろうか、それとも、本当は正解だったのだろうか。
 うつむき加減の彼女は、真っ赤な頬をしていた。



(第十三章に続く)
   
   
 クリスマスシーズンは一段落したと判断して、本作品の投稿を再開します。
 突然ここから読み始めた方々や、途中を少し省略した方々もおられるでしょうが、随所に伏線もありますので、最初から通して読んで頂けたら幸いです。
 前章までは、こちらです;

 第一章 雷光の彼方に  ―― Over the Lightning ――
 第二章 美女と蝙蝠  ―― Beauty and the Bat ――
 第三章 出会いの宵  ―― Some Encountered Evening ――
 第四章 小森旅館の怪人  ―― The Phantom of the Inn ――
 第五章 イン・ザ・ルーム  ―― In the Room ――
 第六章 マイ・フェア・ベイビィ  ―― My Fair Baby ――
 第七章 クロス・ザ・ドア  ―― Cross the Door ――
 第八章 シティ・オブ・サスペクツ  ―― City of Suspects ――
 第九章 彼女の言い分  ―― Her Reasons ――
 第十章 探すことが好き  ―― I Love to Search ――
 第十一章 君の住む抜け穴で  ―― In the Hole Where You Live ――


 さて、あらすじ欄にも記したように、私としては本章は『嵐の前の静けさ』のつもりでした。その意味では、次章が『嵐』になるわけですが……。
 原稿は一応、十四章まで書き上がっていますので、第十三章は明日投稿する予定です。今後も、よろしくお願いします。



(12/28追記)
 第十三章を投稿しました;
   第十三章 成し得ぬ犯罪  ―― The Impossible Crime ――

 第十三章以降も、よろしくお願いします。
   

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