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第157スレッドのテーマ: [157] 『ブラドー島秘史』固有名詞ミニ解説
日時: 2009/03/08 04:17
名前: いりあす ID:ZxB8cmW2

おやぢさんの『“427”用語解説辞典』を見て、「あ、自分のSSもこういうの必要なんじゃない?」と思い、ちょっと載せてみました。
あのSSの時代背景がよく分からないという方は、フレーバーの足しにしてくださいw


《プロローグ部分》

ティレニア海・・・
 地中海のうち、イタリア半島・シチリア島・サルデーニャ島・コルシカ島に囲まれた海域を指す。

ビザンティン様式、ロマネスク様式・・・
 中世の建築様式。詳細は面倒なので割愛します。

中古のTVゲーム・・・
 鳴っていたゲームサウンドからすると『○魔城ドラ○ュラ』。ディスクシステム版かロムカセット版かは不明だが、下手な最新ゲームより入手に手間とお金がかかるような気もしないではない。

地中海を真っ二つに割る大戦乱・・・
 いわゆるポエニ戦争。ローマとカルタゴ(現チュニジア)という二大強国の間で三度争われ、ローマがカルタゴを征服する事で地中海の覇者となった。

ハンニバル・・・
 第二次ポエニ戦争で活躍したカルタゴの名将(前247年〜前183)。ヨーロッパにおける四大戦術家の一人に挙げられる。

S.P.Q.R・・・
 現代のローマ市の市章でもある。

元老院・・・
 古代ローマの議会。現代でも、イギリスやアメリカの「上院」の語源になっている。

ペトルス・・・
 ピエトロのラテン語読み。ギリシャ語だとペトロス、聖書でいうところのペテロに相当する。


《紀元前49年》

ダキア・・・
 現在のルーマニアの、当時のローマでの呼称。なおルーマニアという名前自体がローマ帝国(Romania)が語源になっている。

キリキアの海賊・・・
 キリキアは現在のトルコ共和国南部。紀元前1世紀の前半、ポンペイウスが制圧するまで地中海は海賊がはびこっていて、キリキアを始めとする小アジア南部がその根拠地だった。

ギリシア人は姓というものを持たない・・・
 『どこそこの人、誰それ』とか『誰々の子、何某』という言い方になる。聖書を読んだ事のある方はピンと来るかも知れない。

ブラディオン・・・
 「ブラドーをラテン語っぽくしてブラディウス」→「ブラディウスを地名っぽくしてブラディウム」→「ブラディウムをギリシア語っぽくしてブラディオン」という風に(例:ラテン語でビザンティウム、ギリシア語でビザンティオンなど)適当にこしらえた地名。

ロリカ・・・
 古代ローマでの甲冑の総称。現代のRPGなどでは、ハーフプレートアーマーと呼ぶべきデザイン。

グラディウス・・・
 古代ローマの剣。隊列を組んで戦う重装歩兵が使いやすいように造られた、刃渡り60センチ前後の片手剣。
 グラディエーター(剣闘士)の語源がここにあるのは言うまでもあるまい。

スクトゥム・・・
 古代ローマでの盾の総称。重装歩兵のそれは身体の半分以上がスッポリ隠れる大きさ。別に鉄板で出来ているわけではない。

ピルム・・・
 古代ローマの投げ槍。盾を貫通しやすい設計になっていて、しかも使用後はひん曲がって敵に再利用されないという安心設計(?)。
 主武器が使い捨てというあたりに、古代ローマ人の兵站重視な用兵思想を感じる。古代ローマが街道整備を重視していて、輸送がしっかりしていなければこんな贅沢はできまい。

敬礼・・・
 古代ローマの敬礼は、直立不動で右手をビシリと斜め上に挙げるというもの。
 20世紀になってからどこぞの独裁者が二人ばかり、古代ローマにあやかってこの敬礼を自分の部下にさせたものだから、現代の欧米では非常にイメージが悪い。特にドイツやオーストリアでこれをやると逮捕されますので、海外旅行の際はご注意を。

執政官(コンスル)・・・
 古代ローマの行政のトップ。定員は2名で任期は1年。この役職は帝政時代にも存続している。

ガイウス・ユリウス・カエサル・・・
 古代ローマの英雄(前100〜前44)。共和制と帝政の過渡期的な人物。日本では、英語読みのジュリアス・シーザーと言った方が通りがいいかも知れない。
 フルネームは『ユリウス一門、カエサル家のガイウス』という意味。

スッラに追われて方々逃げ回っていた・・・
 カエサルの青年時代、ローマがスッラ派(元老院派)とマリウス派(平民派)に分かれて政争を繰り広げられていた際に、マリウス派と目されていたカエサルはローマから逃亡していた時期があった。
 その理由は、当時実権を掌握していたスッラから「マリウス派の重鎮の娘である妻と離婚しろ」という圧力がかかり、それを拒んだから。カエサルの言う「匿ってもらった」はこの時期の事らしい。

海賊船で助けられた事・・・
 スッラの一件の後、カエサルは留学中に海賊に取っ捕まった事がある。なおこの時、捕まったのに海賊に対して自分の身代金を吊り上げたり、海賊船内で我が物顔で振る舞ったりして見事に切り抜け、最後は自ら海賊討伐して彼らを処刑してしまったそうな。

ロードス・・・
 ロードス島(現在のギリシャ領)。元々は『薔薇の花咲く島』という意味らしい。なお作中の時間軸では、カエサルの政敵・ポンペイウスの勢力圏に属していた。
 なお、中世ヨーロッパでは薔薇はキリスト教の観点からタブー視されていたらしい。現代の我々には理解しづらいが、吸血鬼が手にする薔薇の花は忌まわしいものという印象が中世当時にはあったのだろう。

セルヴィリア・・・
 カエサルの愛人の一人。後にカエサルを暗殺したブルートゥスは、彼女の息子にあたる。

ハゲの女たらし・・・
 カエサルがそう呼ばれていたのは事実らしく、数年後の凱旋式では兵士達が『市民諸君、女房を隠せ! ハゲの女たらしがお通りだ』と囃しながら市内をパレードしたという。

ガリア・ブリタニア・ゲルマニア・・・
 ガリアは現代のフランスとベルギーとスイス、ブリタニアはイングランドとウェールズ、ゲルマニアはドイツに相当する。カエサルはガリアを征服する一方で、ガリアの脅威となるであろうブリタニアやゲルマニアにも遠征している。

ローマの市民権・・・
 市民権を手に入れると属州税の免除、食料の配給、選挙権、ローマ式の裁判制度を受けられるなど、様々な恩恵が与えられる。非市民権者が市民権を手に入れるには、軍隊・学校・病院などの公的な職業に就く必要がある。

また次の戦地に赴かねば・・・
 この前年、カエサルはポンペイウスと元老院との間に確執を生じ、ポンペイウス派との武力衝突に踏み切った。
 いわゆる『賽は投げられた!』のローマ進軍によりイタリアを押さえた後前哨戦で一勝一敗する形となり、この翌年ギリシアに渡ってポンペイウスとの決戦を制している。

ヘクトル・・・
 古代ギリシア神話・トロイア戦争における敵国トロイアの英雄。トロイア軍の事実上の総大将として活躍したが、ギリシアの英雄・アキレウスに倒された。

アイネイアス・・・
 トロイアの王族の一人で、トロイア滅亡後は一族を率いてイタリアに移住した。彼の子孫達が後にローマを建国したと伝説に言われている。

ディードー・・・
 アイネイアスと恋に落ちたカルタゴの女王。しかしアイネイアスは一族を率いてイタリアに旅立ったため、彼女は失恋のショックで自殺してしまった。ポエニ戦争の因縁はここから生まれた?

ティベリウス・・・
 ローマ帝国第2代皇帝(前42〜37、在14〜37)。初代皇帝アウグストゥスが創ったローマ帝国を完成・定着に持っていった。
 後世への功績は大きかったが元老院との反りは悪く、治世の後半はナポリの沖合にある保養地・カプリ島に引っ込んでそこで政務を執っていた。おかげで元老院や市民の人気はケチョンケチョンで、市民の人気と政治家としての手腕・実績が比例するとは限らないという好例になった。

ネロ・・・
 第5代皇帝(37〜68、在54〜68)。キリスト教を迫害した暴君として名高いが、後世尾ヒレがついた部分も多かったと思われる。少なくとも前半はまともな治世だったらしい。
 ギリシア文化が好きで、自らオリンピックに出場したりリサイタルを開いたりしている。が、下手の横好きの域を出てはいなかったらしい・・・

マルクス・アウレリウス・・・
 第16代皇帝(121〜180、在161〜180)。五賢帝の五人目、通称『哲人皇帝』。ストア哲学を愛好し、『自省録』という本を書き残しているが、本人の治世は内憂外患そのものという、後代の名声のわりに気の毒な生涯を送った人物。

ディオクレティアヌス・・・
 第43代?皇帝(244〜311、在284〜305)。皇帝権力を強化してローマを元首政から専制君主政に移行したという事で世界史のテストにもよく出てくる。
 途中で皇帝を辞めて隠居したという珍しいローマ皇帝。引退後は故郷でキャベツを作っていたそうな。


《西暦392年》

テオドシウス・・・
 古代ローマ帝国最後の統一皇帝(347〜395、在379〜395)。彼の在位中にキリスト教が国教化されて他の宗教は排斥、オリンピックも廃止された。

アンブロシウス・・・
 メディオラヌム(現ミラノ)の司教(?〜397)。官僚出身の教会政治家で、キリスト教の国教化に貢献した人物。キリスト教徒の暴動を武力で鎮圧したテオドシウスに破門宣告を出し、皇帝に詫びを入れさせた事もある。

スティリコ・・・
 古代ローマ末期の軍人(365〜408)。ゲルマン人出身ながらテオドシウスに仕えて軍司令官となり、テオドシウスの死後ローマ軍を率いてゲルマン民族の侵入と戦ったが、西の皇帝に疎まれて処刑された。

ローマ帝国の領内に住む全ての自由民に対してローマ市民権が認められて・・・
 カラカラ帝によるアントニヌス勅令(212)を指す。
 現代人から見ればいい事なのだろうが、当時のローマ帝国自体はこの決定のせいで属州税が消滅し、属州民が市民権獲得のために公職に就く事がなくなり、裁判などの市民権者限定の諸制度を全自由民に解放しなければならず行政機関がパンクするなど、デメリットの方がよほど多かった。

パラティヌスの丘・・・
 現在のパラティーノの丘。ローマはこの丘に都市国家として誕生したと言われ、皇帝や貴族の邸宅跡が多数残っている。

最後の簒奪者が帝冠を放棄した・・・
 最後の西ローマ皇帝を退位させたオドアケルが帝位を東皇帝に返上し、単にイタリア王を名乗った事を示す(476年)。世界史のテキストでいう西ローマ帝国の滅亡。


《西暦543年》

ユスティニアヌス・・・
 東ローマ帝国皇帝(483〜565、在527〜565)。滅亡した旧西ローマ領の再制覇を目論み、一時的に地中海制覇を果たした事から『大帝』と呼ばれる。
 ただし、戦争の手を広げすぎて国としては逆に疲弊してしまった。領土拡大と繁栄はイコールではないという好例。

ベリサリウス・・・
 東ローマの将軍(505〜565)。恐らく東ローマ帝国史上最高の名将で、北アフリカのヴァンダル王国を征服してササン朝ペルシアを撃退、イタリアの東ゴート王国も一度は王を捕虜にしている。が、功績がありすぎてユスティニアヌスに疑われまくった不遇の人(軍人が帝位を簒奪する事がやたら多いのがローマ帝国なので、ある意味仕方がないのだが)。アントニアは彼の妻で、プロコピウスは秘書官(後に同時代史を多数残している)。
 なお作中の時間軸では皇帝の不興を買って更迭されていた時期で、ローマは東ローマの占領下にあった。この翌年、東ゴート軍がローマを包囲するに及んで、再度イタリア方面軍の司令官に就いている。

ナルセス・・・
 東ローマの将軍、政治家(478〜573)。ベリサリウスの後任としてイタリア征服を完了した。宦官出身のせいか皇帝の猜疑を買わなかった。

カピトリヌスの丘・・・
 現在のカンピドリオの丘。古代はユピテルやミネルバなどの神殿が並んでいた。現在ではローマ市役所の庁舎が建てられている。

千人にすら満たぬ難民が身を寄せ合うだけの廃墟・・・
 実際、この後も続いた東ローマと東ゴートの戦争でローマは荒廃。人口は最も酷い時期で500人に減っていたとの事。

アナスタシウスの教派・・・
 いわゆる三位一体論の教義の派。この頃は、まだキリスト教会はカトリックとギリシャ正教への分裂が起こっていない。


《西暦775年》

新たな信仰の徒・・・
 早い話がイスラム教徒。作中の時期ではスペインやポルトガルもイスラム圏に入っていた。

辺境伯・・・
 フランク王国における地方長官の役職だったが、後に封建領主化した。
 以前の王(というより宮宰のカール・マルテル)がブラドー父にこの称号を贈ったのは、イスラムとの戦い(トゥール・ポワティエの戦い)に備えて彼を味方ないし好意的中立に引き込もうとしていたため……というのは無駄な裏設定。

シャルルマーニュが十二人衆・・・
 叙事詩『ローランの歌』に登場する騎士達。リーダーはカール大帝ことシャルルマーニュの甥・ローランで、この人物は実在した。
 ローランの愛剣として叙事詩に登場する名剣デュランダルは、この時ブラドー島から略奪したヘクトルの剣を聖剣として改造したものという裏設定。

プトレマイオス図・・・
 2世紀の天文学者・プトレマイオスが提唱した世界地図。少なくとも、ローマ帝国とその周辺は世界の姿をわりかししっかりと記している。

噴飯ものの『世界地図』・・・
 原作でブラドーが大真面目に掲げていた世界地図は実在している。中世において、世界の姿を知るなんて事に誰も関心を抱いていなかったといういい証左だろう。この時代は、こと地理学に関してはイスラム圏の方が確実に進んでいた。


《エピローグ部分》

『賢者は歴史に学ぶ』・・・
 ドイツの鉄血宰相ビスマルクの言葉。ちなみに、この続きとして『愚者は経験に学ぶ』となる。
 何故ブラドーがこの言葉を知っているかはツッコミ無用の方向でw

ピートの母親・・・
 ピートはブラドーと瓜二つなため、母親がどんな人だったかはSS書きにフリーハンドが与えられる事になる。
 本編では明記していませんが、読者の皆様には「十字軍の敗北」「漂着した難民船」「ユダヤ人」「異端審問」あたりをキーワードに適宜ご想像ください。

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