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tea break 〜 絶チル 88th sense.より 〜

※ 「絶対可憐チルドレン 88th sense. とっておきの日(4)」(07/25号)
 のネタバレが含まれています。未読の方はご注意下さい。

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「君を本当に傷つけるのは僕じゃなくヤツだ」

 信じて裏切られた自分の過去と、薫の未来とを重ね合わせているのでしょう。この台詞が、エスパーとノーマルの戦争の最中、薫が皆本に撃たれる未来を指している事は想像に難くありません。では、傷つかずに済む方法とは何なのでしょう?
 信じるから裏切られ、撃たれる。ならば最初から信じなければ、裏切られて心に傷を負う事も、躊躇して撃たれる事もない。そして撃たれる前に撃つ。あの場面に至る前に皆本と薫の絆を完全に断ち切る事、つまり蕾見管理官と正反対の手段で、兵部はあの予知から自らが望む未来へと繋げるつもりなのかもしれません。

 今シリーズの「2020年」を踏まえ、あの予知と同等の場面の実現が確実であるとした上で、連載初期に提示された懸案666号を振り返ってみると、「チルドレンは天使か悪魔か?」における「天使」と「悪魔」はそれぞれ、あの場面において皆本が薫を撃たずに銃を下ろす未来と薫が皆本を手にかけ生き残る未来を指し、実は「どちらともいえない」こそが薫が撃たれる未来を指しているという風にも解釈できます。
 この解釈を正しいとした場合、薫はあの距離まで皆本に追い詰められても熱線銃をかわすか、追い詰められる前に皆本を攻撃する事が可能だったと考えられます。そして、敢えてそうしなかったのは、皆本に撃たれる事を望んだからなのかもしれません。“破壊の女王”としてありながらも皆本への未練を断ち切れない中途半端な状態が彼女を死に追いやると、皆本が撃つ事を前提としている兵部ならば考えそうです。
 あの予知は女王の自殺であり、そのような不安定さを彼女から消す事が、兵部の目的。そしてその手段とは……今の所、やはり薫の目の前で皆本に撃たれる事しか思い浮かびません。

 さて、あの予知を回避する為の兵部の考え、如何なものでしょうか?

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