お。
どうやら、終わったようでござるよ。
ざわざわと騒がしくなったでござるからな。
そんなこと、拙者の耳には造作も無いこと。
人狼族の名は伊達じゃないでござるよ。
もう、それはいいから。
早く行くでござるよ。
急がないと、いい場所を取られてしまうでござる。
また、そんなこと言って。
部の長たるお主が動かなければどうしようもないでござるぞ。
ほれほれ。
文句はいいから、ついて来なされ。
ふう、なんとか確保出来たでござるな。
じゃっ、机と椅子は拙者が準備致すから、お主はこの旗を立ててもらえぬか?
んっ?
これでござるか?
これは里から持ってきた旗指物にござるよ。
なんでも長老が言うには、天下分け目の合戦で使われたものだそうでござるが、どこまでホントのことやら・・・
いいのいいの。
こんなもん沢山あるし、たいして値打ちのあるものでもござらぬから。
そりゃあ、これ見ただけじゃウチが何の部かわかりゃしないだろうけど、とりあえず目立てばいいんでござるよ、目立てば。
ただでさえウチは部員が少ないのでござるから、なりふり構っていられないでござろう?
文句を言わずにさっさと立てるでござる!
ん?
なんか騒がしい―――ああ、女狐でござるか。
ほれ、こないだ話したでござろ?
拙者と一緒に住んでいる妖孤でござるよ。
そうそう、そのタマモ。
誉めるみたいでくやしいのでござるが、金毛白面九尾の生まれ変わりだけあって美形での、殿方にはやっぱりもてるのでござるよ。
もちろん、悪いヤツではござらぬが、近頃ちょっと度を越した気がしての。
あ〜あ、もう、いつのまにあんな群がっちゃって!
まったく、あやつらときたら、まるで発情期の犬のように鼻息を荒くしちゃって・・・
な、なにを言うのでござる!?
ば、馬鹿なことを!
拙者はあんなみっともない顔などしたことないでござるよ!!
そうでござる!
だいいち、拙者は犬ではなくて、狼でござる!!
もうっ!!
・・・今度はなんでござるか?
そうでござるが、それがどうかしたのでござる?
げっ!
せ、先生と美神どの!
あんなトコで何をやってるのでござるか!!
サングラスだけならまだしも、あんなほっかむりまでしちゃって・・・
まあ、それだけタマモのことが心配なんでござろうが・・・
なっ!?
なんでござると!?
と、いうことは、も、もしかして去年も・・・?
うわぁーー!!
は、恥ずかしいでござる・・・
そ、それはそうでござるが、それにしたってやっぱり・・・
・・・そうでござるな。
拙者にはもったいないくらい、いい人たちでござるよ。
・・・う〜ん、結局誰も入部しなかったでござるなぁ。
ここまで閑古鳥が鳴いていると、いささか悲しくなってくるでござるよ。
それはまあ、そうなのでござるが。
だけど、このままだと終いにはお主と拙者だけになってしまうでござるぞ?
まあ、お主がそれでもいいならいいでござるが。
そ、そんなことはないでござるっ!
拙者だって、今のままでいられれば別に・・・
ん・・・
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