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居なくなってしまうあなたへ




どうして…



どうしてでござるか…



どうしてあなたは…



拙者の前から居なくなってしまうのでござるか…












居なくなってしまうあなたへ












拙者、ずっとあなたのことを尊敬してたでござるよ…



いえ…



尊敬だけではなく、好いていたでござる…






それに…



拙者だけでなく、ほかのみんなもあなたのことを好いていたでござるよ…



それなのに…



どうして拙者たちの前から居なくなってしまうのでござるか…?












け…結婚するのでござるかっ!?



それもお子まで…!?



そんな…










わかったでござる…



もう、どうしようもないのでござるな…



拙者が何を言っても、もう決まってしまったことなのでござるな…



それがあなたの幸せなのでござるな…



わかったでござる…



拙者、もうわがままは言わないでござるよ…



いつか…



いつか拙者に子供が出来たら…



あなたのお子に会いに行くでござるよ…






また…



またいつか会えることを祈っているでござる…



さよならでござるよ…















――――――――――――――――――――――――














「ちわ〜…。
 …美神さん、なんでシロのやつテレビ見ながら泣いてるんすか?」

「…『デジャヴー・ランド』のマスコットキャラで『ロナルド・ドッグ』っているでしょ?」

「あぁ、シロが好きなキャラですよね」

「引退して子供が引き継ぐらしいって聞いて、朝からず〜っとああなのよ…」

「………え〜っと美神さん…」

「…なに?」

「…明日…」

「『休みを下さい』ってのは駄目よ?明日急な仕事入ってきたんだから」

「…そうっすか…」

「簡単な仕事だから、そこで泣いてるシロと一緒に行って来て。はい、これ資料」

「はい…。
 ………『デジャヴー・ランド』の『緊急メンテナンス』ですか」

「そ。
 なんかねぇ、低級霊が溜まってる場所があるらしいわ。
 実害は無いけど処理してくれって来たのよ。
 簡単な作業だから、落ち込んでるシロとあんたで十分でしょ?
 それと、簡単な作業だからって手を抜いちゃ駄目よ?
 ちゃんと『じっくり』と『時間を掛けて』仕事してきなさいよ?」

「…そう…ですね、ありがとうございます」

「…な、なんでお礼言われなきゃなんないのよ…」

「いえ…。
 じゃ、シロに仕事の内容伝えてきますね」

「くれぐれも『サボらない』ようにね」

「はい。



 お〜いシロ〜」





(終)
おはようございます烏羽でございます。
久しぶりにGSネタを投稿します。
実は結構前に作ったものなんですが、
出すタイミングがなかなか無くてちょこちょこ手直しをして来ました。
自分ではこれ以上いじる部分は無いと思いますので、投稿いたします。
短い内容ですが、読んでいただければ幸いでございます。

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