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横島とチルドレン−02−

横島とチルドレン達が出会ってから、約一週間が経ったある日の事だった。
(※チルドレンは、横島の別宅の事務所、三階に住んでいる)
偶然にも、横島の依頼とチルドレンの任務が重なり、横島がチルドレン達の指揮をとれなくなった日だった。
 
今日、チルドレン達は新人エスパーとの合同任務だった。
その名も………
「“フォックス・ウルフ”でござるーっ!」
だ、そうだ。
「ダサいコードネームね。狐と狼、そのまんまじゃない。だいたい、私達ってオカルトGメン所属なのに、何でエスパーとして活動しなくちゃいけないのよ………。
正式には、横島の事務所の保護妖怪だけどね……」
タマモが呆れながらも、歩みを進めて行く。
これから“ザ・チルドレン”達と合流する予定だ。
そして、信号が赤に変わり、再び青になったとき、
「ふっふっふー!先生ーっ!一番弟子のシロが、いざ参るでござるーっ!!」
と言い、縮地法を使い、思い切り駆けて行く。
「バカ犬。横島は他の仕事で居ないわよ…」
タマモは本気でシロに呆れていた。
なんせシロは渡された資料にも目を通さず、その後の予定すら調べていないのだから。
そして、タマモもゆっくりと、再び歩き始めた。


「えーっ!?先生は来ないのでござるかぁ!?」
狼が………いや、犬が一匹……尻尾をぷらーんと下げ、落ち込んだ。
「ふふふ、そんなに横島クンが好きなの?」
「当たり前でござろう?拙者、何度もアタックしてるでござる。なのに、なのにっ!先生はぁ〜〜っ!!」
シロがワナワナと燃えていた。
「何時まで独身で居るのでござるかぁーっ!せ・ん・せぇーっ!!!」
何も無い空間に向かって、大声を発するシロ。
「うるっさい!ばか犬っ!!」
そこへ、丁度今ついたタマモの鉄拳がシロの頭に直撃する。
「お、狼でござるぅーっ!!」
何時もの様なやり取りに、半分呆れて、半分面白がりながら愛子な見ていた。
「愛子姉ちゃんーっ!!」
そこへ、薫達がやって来た。
「あら、準備万端かしら?」
「おう!」
「“あれ”も、持ってきてる?」
「「「勿論!」」」
その“あれ”に疑問を持つシロ。
しかし、タマモは“あれ”の招待に気付いていた。
なんせ、このチルドレンの基本霊力は高かった。そこで、横島は超能力と霊能力を上手く活用する“あれ”を渡した。
「“あれ”って何でござろう?」
「ばーか。そんなのも分からないの?もっとよく目を凝らしてあの子達を見てみなさいよ……」
少々癪に触るが、良く目を凝らしてみた。
「んなっ!?」
流石のシロも、これには気付いた。
「あ、あれは、先生お手製のっ!?ズ、ズルイぃ〜っ!拙者すら貰えないと言うのにぃーっ!!」
横島がチルドレンに渡しておいた物、それは…………
「大丈夫だって!この“陰陽炎(オンミョウホムラ)”があれば」
炎……ほのおと書いて、ほむらと読む。これは、主に霊力を炎に変換し、放出する霊刀だ。本来なら、ひめのにあげるハズだったのだが、発火能力者がわざわざんな事をしなくても良いだろう、と、言う理由で今の今までお蔵入りしていた。
しかも、薫の霊体は炎の属性だったため、相性は抜群だ。
「うちは、“水氷月(スイヒョウツキ)があるもん♪」
葵は、弓を貰っていた。矢は霊力を氷、又は水に変化させ、凝縮する事によって、つくられる。
勿論、その矢を瞬間移動させる事も可能だ。
「これは………何に使うのよ………」
紫種は、“五行星光(ゴギョウセイコウ)”と言う、様々な術式を込められれた霊刀を渡されていた。
紫種は基本的に霊力のバランスが良く、どの属性とも相性がよい。そのため、これを渡された。
勿論、銃刀法違反で捕まりたくはないので、霊的コーティングでカモフラージュされている。
そんな3人を見て、シロは滝の様な涙を流していた。
「うううう〜っ!!先生のバカーっ!!」
続く
ちょっと、チルドレンを強くし過ぎてしまいましたか?
悪い所があったら言ってください。
ちなみに、作者は陰陽師の知識はありません。
なので、かなりオリジナルな術になってしまいます。

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