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【M6夏企画】緊張の夏・・・?


<<SIDE:横島>>



「ねぇヨコシマ……このブタさんの置物はなぁに?」



お、懐かしいな。
とっくの昔になくしたもんだと……どこにあった?



「そこ。
 押入れの奥で埃かぶってたわよ」



ちょ……る、ルシオラさん?
独り暮らししてる男の部屋の押入れは、決して覗くこと無かれ。
あんたっちゃぶるの聖域ですよ?

それをあんた……



「今は ”独り” じゃあないでしょ?
 それにそんな回りくどいいい方しなくても……
 ハッキリ言ったら? みられたら困るナニがあるって。
 裏でビニールな本の束とか、ラベルの貼ってないビデオとかDVDとか……」



あーっ! あーっ!!
いや、そ、それはデスネ。
俺にとっては必要不可欠というか、霊能力の源でありましてね……



「大丈夫、私は別に気にしてないから♪」



ほ、ホントに?



「えぇ勿論♪
 別に、モデルの娘がムダに乳肉がデカい牛オンナばっかだとか、一番使われてそーなカッピカピんなったページの娘がやけに美神さんそっくりだとか――
 私は、そーゆーの、ホント全ッッッ然気にしてないから!!」



うわぁーい。
全部チェックされてやんの♪

ってーゆーかルシオラさん……
気にしてないとか、そんな視線だけで人を殺せそうな笑顔で言われても説得力が……



「ふん……ま、いいわ。
 その話は後でしましょ……時間をかけて、じっくりと……ね!」



ォゥフ―― orz



「で……話を戻すけど、このブタさんなんなの?
 せともの、鼻とお尻にぽっかり大穴、中身は空で……ずいぶんと変わったデザインねぇ?」



あ、あぁ、そいつは一昔前の夏の風物詩っつーか、熱帯夜の必需品っつーか……
そうだ、そいつと一緒に緑色のグルグルなかったか?



「これ? 無事なの一コだけあったわよ。
 他のは全部粉々で……」



あーそう、それ。つか、そっちがメイン。
そのブタは、そいつを入れて使うためのモンなんだよ。

でも、今はあんま見ないかな?
液体式の電動のが主流になってるっぽいかんなー。



「これは……見たところ 何かのお香みたいね。
 それにしてはニオイがヘンだけど……」



そりゃ……何せソレ”蚊取線香”つって、虫除け、殺虫用のモンだかんなー。
お前ら姉妹にとっちゃあ……って……



「……ふぅん……なるほど。
 ”虫除け、殺虫用”ねぇ……」



……ぁ……あの……るしおら、さん?



「つまり……コレは、私へ対するあてつけなわけね?」



――は……え?
い、いやちがう! そーゆーんじゃ全然なくて……



「……また随分と遠まわしな……
 あ、アレな本やビデオの娘が、私とは正反対のばいんばいんな娘ばっかなのも、そ、そーゆーつもりなのかしら?
 私のことが嫌いなら、はっきりとそういえばいーのにねっ!!」



いや、んなワケねーだろ!? つか、どこをどーしたらそんな結論になるんだよ!?
お前が持ってくるまで俺はそいつの存在すら忘れて……
大体なぁ……もとはといえば、お前が勝手に押入れんなか引っ掻き回すから……



「うるさいうるさいうるさい!
 ヨコシマのばかっ! おっぱい星人!
 どーせ私のは洗濯板よ!!」



な!? き、きたねーぞ!! 泣くのは反則だろ!?
あーもーっ!! 
めんどくさい女は美神さんだけでじゅうぶ……



「な、なんだとーーっ!?」



あ、ウソです。
ゴメンナサ……い、痛っ!?



「うわーーーーーんっ!!」



や、やめ……暴力反対ーーーっ!?







おしまい
投稿の際、チャットで相談に乗って下さった方々、有難う御座いました。

凄く短いですが、夏の風物詩、蚊取線香で仲良くケンカする横島君とルシオラ嬢でした。
…ルシオラ嬢が、ちょっぴりイタい娘になってしまったよーな気もしますが、でも、ふたりにはこんな風にくだらないネタでイチャイチャとしてほしいなーと。

時期はあまり意識せず、あの瞬間が訪れる前でも、彼女が復活してから…とでも、或いはあの結末を免れたIFとでも…
何時とでも取れるようにしたつもりです。

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