3349

【夏企画】 スイカ割り

*単行本30巻あたりのお話です*



<<SIDE:横島忠夫>>



信じられなかった。

だってルシオラやべスパたちのみならず、あの逆転号までもが、手も足も出せずにボコボコにされたんぜ?
それも、神族でも魔族でもなく、たったひとりの人間に、な。

GSやオカGはいうに及ばず、小竜姫さまやワルキューレたちですらまるで敵わず、その本拠地である妙神山ごと、殲滅させらちまう程の連中。
それが、ろくすっぽ抵抗も出来ず、ケツをまくって命からがら逃げるしか出来なかった、なんて……
あの3姉妹がどんだけ強いか、身をもって知っている俺にはそのとんでもなさがよくわかる。

さすがは隊長。
あの美神さんの母親なだけの事はあるぜ。
潜入している俺のことまで、容赦なく切捨てちゃおーとかするあたりも含めて、な!

……まぁ、見捨てられかけたそのおかげで、得られたモノもあった訳だが。



「準備できたわよ、ヨコシマ」



なーんて、色々とあった洋上での戦闘からはや十数日後。

逆転号の損傷により、戦闘力と移動手段とを失い逃亡者となった俺達は。
こんな事もあろうかと密かに用意されていたとゆー、秘密の隠れ家に潜み雌伏の時を過ごしていた。

好き勝手に人間界で暴れまくっていた日々から一転。
緊張と警戒を常に強いられ、追手の影におびえながら、精神をすり減らされていく日々……
例え俺らを探しているのが、無能、うっかり、役立たず――と、3拍子そろった某覗き魔な神様の、当てにはならない千里眼でも、油断は禁物と言う奴だ。

だがしかし、他の奴はどうか知らんが、俺はそんなプレッシャーに堪えられるほどぶっとい神経はしちゃあいない。
そう、逃亡者にも、休息の時は必要なのである。

……と、いうわけで



「……どうかしら?
 どっかヘンな所、ない?」



ぱさっと、ルシオラの身体を覆ってたバスタオルが床に落ちると……

生きてて良かった、そこには真夏のパラダイス!
新鮮で実に美味しそうな、ぴっちぴちの水物ふたつ!



「もうっ……ふざけてないでちゃんと見てよ。
 私、人間界の流行とか全然知らないんだから……よくわかんないのよ」



ぎこちなく、遠慮がちにポーズをきめるルシオラの胸にたわわに実るは、グリーンと黒のストライプ……
サイズ控えめの小玉スイカ。

まぁ、息抜きの日帰りバカンスで行く、近場の海での海水浴で。
ルシオラの奴が着る予定の、水着のお披露目会なんですけどね!

しかし、スイカ模様のセパレートとは……なんかこう、色々と妄想が膨らむな!
『後で、スタッフが美味しく頂きました』 とかなんとか……勿論、性的な意味で。



「ふーんだ!
 小玉スイカで悪かったわね!」



胸を隠すようにしてむくれるルシオラ。

胸の事を指摘されたのがよほど悔しかったのか、或いは恥ずかしかったのか。
顔だけじゃ飽き足らず、身体中を真っ赤にしながら、結構マジで怒ってる。
でも、そんな姿がこれまた実に……

いやいや、例え見た目は小振りでも、中身は柔らか果肉がみっちり! 
ミルク味の極上デザート!!

おっぱいソムリエの称号を持つ、このオレが言うんだから間違いない!

それにほら、こっちの……



「あん!? ど、どこさわって……」



お尻のスイカは特大だろ?
どっしり重くて、でもやわらか……将来安心な安産型でさ。

しかし、俺のそんなフォローは、逆にルシオラの怒りの炎に、油を注いでしまったようで……



「〜〜〜ッ!!?
 こ、このばかぁっ!!どーせ私は胸なしの尻デカよぉ!!」



んもー、そんなに怒るなってば〜。
これでも、オレはちゃんと褒めてるんだぜ?



「ふんっ!
 とてもそーは聞こえないわね!!」



いやいや、本当に似合ってるってば。
最っ高にかわいいよ、ルシオラ……



「え? あー……えと……
 そ、そうかしら?」



あーーもーーっ! 
あーーもーーっ!!

触覚をぴこぴこさせながら、照れ照れと恥らう姿がまたとんでもなく可愛らしいぃぃぃぃっ!!

さすが、実年齢1歳未満は伊達じゃない。
俺のような、経験皆無のチェリー君の、ざーとらしいくどき文句に、コロっとまいってくれちゃうんだもん。

うん。もう、無理。辛抱溜まらん。
これはもー誘っているとしか!



「ぇ……よ、ヨコシマ?」



……と、ゆーワケで。
さっきから激しく自己主張してる、オレの股間の木刀でもって!
ルシオラのそのけしからん水物を使って、スイカ割りさせてもらうけど構いませんねっ!?



「な、ちょ!?
 な、なに昼間から盛って……ぁ、や……きゃぁああああああんっ♪」



ちょ、ちょっと! ちょっとだけやって! 
ちょーっと皮剥いて、味見するだけやから!!

な? な? ええやろええやろええやろ!?



「も、もう……しょ、しょうがないわね!
 ま、前にも言ったけど、ほ、ほ、本番はダメだからね!?」



イヤッッホォォォ――(*゚∀゚)=3――ッ!!


















「あー……パピリオ。
 あのバカップルどもは、何やってんだい?」

「……ナニでちよ、べスパちゃん。
 いつもどーりふたりしてサカって、キャッキャウフフしてるだけでち……」

「チクショウ……チクショウッ!
 見せ付けやがってェェェ……アシュ様が眠りに入ってなけりゃアタシだって……アタシだってぇぇっ!!」
 
『……どーでもいーがお前等……
 ワシ等が今潜伏中のお尋ね者だっつー事忘れとるだろ?』













おしまい
この後、ルシオラの西瓜は、横島君が美味しく(本番なしで)頂きました…とゆー感じのお話です。
激しく頭の悪いネタでごめんなさい。時系列など、色々変な箇所がありますが……

実はこのお話は、可也前にチャットにて、はっかい。様より見せていただいた水着ルシ嬢のイラストより、電波受信したネタでした。
そのときは、お話と呼べるほどの分量じゃなかったんですが……この度発掘したので、企画に合わせて書き直しです。

[mente]

作品の感想を投稿、閲覧する -> [reply]