ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー GSアシュ様極楽大作戦 パート2 -------------ーーーーーーー
「姫−!愛してるぞー!!」
今日も今日とてリビドー全開で雄叫びを上げて身の丈2メートルの巨人が長い黒髪の美少女に襲いかかる。
「つかまってたまるかーー!!!」
美少女は捕まる寸前で華麗なステップで体を躱し、巨人芦優太郎の太い腕をかいくぐる。
勢い余った芦優太郎は教室の壁をぶち破る。
「姫!いい加減観念してこの私に抱きしめられたまえ!そして私の熱いベーゼを受けるのだ!!」
壊れた壁の中から芦優太郎が逃げ回る美少女に叫ぶ!
その言葉を聞いて悪寒にぶるぶると体を震わせる美少女横島。
「えーい!やめんかー!!よるな!くるなー!!」
再び猛然と襲いかかってくる芦優太郎に無意識に放たれた横島の右アッパーカットがカウンター気味に芦優太郎の顎をとらえ仰け反らせる、そして流れるように足を頭上高く上げ額にかかと落としを食らわせる。
「ぶわ、おわーっ!」
額から盛大に血を噴出してついに芦優太郎はその場に崩れ落ちた。
「「「「お見事!!」」」」
ピート、タイガー、愛子は横島の右アッパーとかかと落としの妙技に拍手していた。
「ぜはーっ…ぜはーっ…ぜはーっ…、毎度毎度懲りん奴だな…」
芦優太郎を沈め肩で息をする横島。
ここ数日、横島と転校生芦優太郎の壮絶な戦い?あるいは追いかけっこは学校の名物になっていた。
ただし、芦優太郎はことごとく横島に撃墜されていた。
「凄いですのー、横島さんパンチにさらに磨きがかかってきましたのー」
「うん、今のアッパーは確実に世界を狙えるパンチだった、かかと落としも絶妙のタイミングと角度だったな、残念だな、横島さんが女性になってなければ」
「でも、芦くんも凄いわね、倒されても倒されても横島くんとスキンシップだー!って、飛びかかっていくんですもん」
そしてピートとタイガーは美神に何度も飛びかかって行ってはその度に撃墜される横島を思い出していた。
「それにしても、なんかデジャビュを感じないかタイガー?」
「そうですのー、ピートさんもそう思いますか?」
「まるで、女性になる前の横島くんみたいね」
ピートとタイガーがかつての横島の所業をうやむやにしようとしたのだが、愛子は容赦なかった。
「ううう、男に飛びかかられるのがこんなに生理的に嫌なものだとは、俺が美神さんに撃墜されるのは当然だったんだな」
横島の脳裏に男だった時に何度も美神に襲いかかってはことごとく撃墜されてた記憶が蘇っていた。
で、横島に撃墜された芦優太郎はかかと落としで気絶する前に「今日はブルーのストライプ…すてきだ…」と謎の言葉を残していたという。
そしてその顔は至福の顔であったという。
「うーむ、今日の所は私の負けを認めよう、しかし、明日こそ姫をこの腕の中に抱きしめてみせるぞ!覚悟したまえ姫!」
芦優太郎は目が覚めると勢いよく立ち上がり、びしっと横島を指をさして宣言する、額の傷はもうない、もはやゴキブリ並の回復力である、なにげに謎のブルーのストライプも一役買っているようだ。
「「「回復力も横島さん(くん)そっくり…」」」
呆れて脱力するピート、タイガー、愛子だった。
今のアシュタロスにもはやかつての威厳はなかった、が、天然で軽くて気さくな彼はクラスに受け入れられた。
それに横島の級友達は横島やピート、タイガー、机妖怪の愛子を受け入れたタフな連中である、なにを今さらであったw
ちなみにこんな状態の芦優太郎であるが、学業成績は校内トップである、さすが元魔神?
「おはようございますー!美神さんって、ぶー!!!!」
次の日、横島は美神の事務所に出勤してドアを開けた、信じられない事にそこにはアシュタロスが美神とともに居たのだった。
「という事で、時給250円でいいわね」
「うむ、姫と一緒にいられるならそれでかまわんよ」
美神とアシュタロスは何事か話し合っていた。
「アシュー!、何でお前がーここにいるー!!」
「何って、アルバイトの面接だが、ここで姫と共に働きたいと思ってね、今美神所長と話がついた所だよ」
腰に手を当てふんぞり返って横島に答える芦優太郎。
「彼をアルバイトに雇ったのよ、紹介するわね彼は芦優太郎くん、横島くんは知ってるわよね、今日からうちで働いてもらうわ」
美神は笑顔で横島にアシュタロスを紹介する。
「よろしく頼む姫」
「…て、美神さん!こいつはアシュタロスなんですよ!いいんですか!?」
横島は美神に問いただす、彼は魔神アシュタロスの転生体なんですよ、と
「知っているわ、今彼から教えて貰ったわ、記憶が抜けている所、(おそらく封印されてるのよ)があるけど間違いなくアシュタロスの転生体ね」
「それに彼は転生以降、別に悪い事はしてないんでしょ?さらに彼の霊力は元魔神だけあってその辺のGSの比じゃないわ、勿論人間の肉体だから限界はあるでしょうけどね、でも凄い戦力よ、しかもあんたと一緒に組ませて貰えるなら時給250円でいいって言うしね、お買い得だわ」
美神は目を爛々と輝かせて横島に言う。
「駄目だ、こりゃ…」
こうなった時の美神に何を言っても無駄だと言う事は横島が一番良く知っている。
美神は気になる言葉を吐いていた。
「あっ、ちょっと待ってください、何ですか俺と組むというのは?」
「それはこういう事なのだよ!姫!」
アシュタロスは横島を抱きしめようと飛びかかる。
「えーい!やめんかー!」
「おおおー!ぬおわー!」
飛びかかるアシュタロスの顔面を横島の必殺の前蹴りが華麗にとらえる、もはや脊髄反射の領域だ。
だがアシュタロスは蹴られて倒れるまえに横島のジーパンに手をかけはからずも脱がしてしまった。
「あああ、ぎゃー!」
ジーパンを脱がされ悲鳴を上げる横島。
「おおおピンクの水玉…、素晴らしい!」
アシュタロスはさらに横島の蹴りを受けながら謎の言葉を呟きその場に轟沈した。
「あらら、どっかで見た光景ね」
このアシュと横島を見て美神は激しくデジャビュを覚えるのだった。
「あ、センセーが女になるまえのセンセーの行動にそっくりでござる」
たまたまその場に居合わせたシロが身も蓋もなく呟いた。
「それに、世界的財閥アシ・グループの御曹子なのよね今の彼は、恩(横島くん)を売っておいて損はないわw」
心の中でくくくと笑う、さすがは美神令子である抜け目がなかった。
ついに美神除霊事務所の一員となった芦優太郎こと、元魔神アシュタロス。
「ふふふふ、姫よ今行くぞ!せいぜい体を磨いて待っていたまえ!」
彼は今事務所の外壁を這っていた、目標は三階のバスルームの窓である。
アシュタロスは横島が事務所の浴室を借りて入浴している事を聞きつけ、その美しい裸身を鑑賞(覗き見)しようと事務所の壁を上っているのである。
ちなみに彼は人工幽霊壱号にも関知出来ない穏行の術を使っている、さすがは元魔神だった。
「俺はいつになったら男に戻れるんだ?小竜姫様もヒャクメも未だに手がかりをつかめないようだし…」
横島は湯船につかって物思いにふけっていた。
その時である、ぞく…
横島は背中に悪寒が走るのを感じた。
「なんだ?この嫌な感じは?…誰かの視線を感じる、でもまさかここは三階だし…」
ここで横島は自分がかつて美神の裸見たさに三階の壁を這いずり回っていたことを思い出した。
「嫌な思い出だ、しかしそんな馬鹿は俺だけだよな…」
湯船から上がり、その綺麗な裸身にバスタオルをまいて視線を感じる方向、窓に向かっていく横島。
そして窓を開け放つとそこにはアシュタロスの顔があった。
「…アシュ、お前ここで一体何やってるんだ?」
最初はじと目で途中から凄く爽やかな笑顔でアシュタロスに聞く横島。
「…いやー、事務所の外壁が痛んでないか点検していたのだよ、決して姫の入浴シーンを覗こうなどと不埒な事を考えていた訳じゃないのだよ信じてくれたまえ(棒読み)、あー、姫…なんか笑顔がとてもステキで怖いんだが…」
アシュタロスも笑顔で横島の質問に答える、途中から横島の殺意に気がついたようだ。
「地獄に堕ちろー!この変態クソ魔神!!」
「おわしゃー!!!!」
横島の飛び膝蹴りがアシュタロスの顔にクリーンヒット!
「おわーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
アシュタロスは悲鳴を上げながら三階から真っ逆さまに地上に落ちていく。
横島はアシュタロスが落ちていくのを見て呟いた。
「…ま、あいつがこの程度で死ぬわきゃないよな」
横島はバスタオルを投げ捨てると何事もなかったように再び湯船に身を沈めた。
だんだんアシュタロスの変態ぶりにも慣れてきた今日この頃の横島だった。
「うふふふ、姫の○○○がばっちり見えた、我が人生に一片の悔いはない、もう死んでも本望だよ…がく」
地上に落ちたアシュタロスは謎の言葉を呟いて気絶した。
「あーあ、何やってるんだろうねぇアシュ様は…」
事務所の外で銀髪の髪の長い少女が横島に三階から落とされたアシュタロスを見て頭を抱えて嘆いていた。
次の日、学校にて新たな転校生が横島達のクラスに入ってきた。
「あー、転校生を紹介する、入ってきたまえ…」
担任が転校生の入室を促す。
「「「メドーサ!!!」」」
教室に入ってきた転校生を見るなり、横島、ピート、タイガーが同時に叫んだ!
「蛇神メドーサさ、みんなよろしく頼むよw」
驚く横島達を尻目にメドーサは教壇で小首をかしげかわいらしくウインクする。
「「「「「うおおおおおーーーーー!!!、今度こそ美少女じゃー!!!!」」」」」
メドーサの事を何も知らない横島の級友(男子)達は新たな美少女の登場に雄叫びを上げていた。
今度こそ続きませんw
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