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パピリオの徒然草:ヨコシマの修行

<お手紙>
妙神山の再建を手伝っていたでちゅ。
手伝いが終わったので、ヨコシマに手紙を書いて、師匠(小竜姫)に手紙をあずけたでちゅ。

師匠が地上に行って帰ってきたら「ヨコシマさんが今度遊びに来ますよ」っと言ってくれていたそうでちゅ。
一緒にテレビゲームで遊べまちゅー っと喜んでいたら、師匠は「遊ぶだけでなくて修行を中心に1週間ぐらい来るんですよ」と言われちゃいました。
わかってまちゅよ。


<修行1日目>
ヨコシマがやっときたでちゅ。
楽しみにしてたので、思わず胸にとびこんでしまったでちゅー
なんか、赤い液体がいっぱい流れていたでちゅが、すぐに「あー死ぬかと思った」って、ノンキな声で起きてきたでちゅ。
師匠が「ヨコシマさんだからあれぐらいで済んでいるのですよ。他の人間なら、血があの半分以下でも死にますよ。」としかられました。
ごめんなさい。はしゃぎすぎましたでちゅ。

あの赤い液体は血だったのでちゅね。血って紫色かと思っていたでちゅ。
ヨコシマは「美神さんと比べたら問題無い」と言ってくれたでちゅ。
師匠からは、手加減の修行が追加されましたでちゅ。

今日はヨコシマの修行を開始するにあたって、色々とヨコシマのことを調べるって、ヒャクメも来てたでちゅ。
その間、私はひとりで瞑想の修行でちゅ。一番おもしろくありまちぇん。
あとはいつもの修行していたでちゅが、夕食前にヨコシマのシャドウというものを見るということになったでちゅ。

師匠がヨコシマからシャドウをぬきだしましたでちゅ。
ヨコシマより大きくて、7頭身ぐらいありまちゅ。
見慣れない服装で、顔は全然似ていないでちゅ。
けど、頭にルシオラちゃんのゴーグル。なつかしいでちゅ。ルシオラちゃんまたあえるでちゅよね。
服装で目立つのは、右腕に黒い竜、左腕に白い竜、右足に赤い竜、左足に黄色い竜が巻きついた模様となっているでちゅ。
あとは、よくわからないので、ヨコシマに聞いたら、顔は道化師、服装は和服、右手に持っているの白いものは扇子、
扇子の中の模様は漢字でほたる(蛍)と書いているそうでちゅ。
ルシオラちゃんヨコシマのこと本当に愛していたのでちゅね。
私のシャドウもみてほしいといったら「魔族、神族はシャドウそのものと同じようなものだよ」といわれました。
ちょっとおもしろくないでちゅ。

夕食は、ヨコシマ、老師(斉天大聖老師)、師匠、ヒャクメと5人で食べたでちゅ。
いつもは精進料理ばかりなのに、今日は肉がでてきました。
ヨコシマはガツガツと食べていまちゅ。
前はヨコシマの為に腐った肉を奮発したのに、食べてくれなかったでちゅ。今日はなぜ食べるでちゅ。
愛情が足りなかったでちゅか。ちょっとくやしいでちゅ。
あと、私の夕食にはデザートで蜂蜜がつくでちゅ。

夕食が終わったら、お風呂の時間でちゅ。
ヨコシマは男湯に入ったでちゅ。
私はレディーなので、きちんと、女湯にはりまちゅ。
師匠は、入り口で、男湯の方を見てため息をついてまちゅ。
ため息をはいていたら幸せが逃げていきまちゅよ。
ヒャクメは「小竜姫も堅物なのね〜」といいながら、お風呂にはいってきたでちゅ。

お風呂からあがったら、遊びの時間でちゅ。
今回はヨコシマが新しいゲームソフトをもってきてくれたでちゅ。
老師の部屋でヨコシマ、老師と私3人で遊んだでちゅ。
順位は、ヨコシマ、私、老師だったでちゅ。
ヨコシマは「ゲームのただちゃんは伊達じゃないぜ」とか言ってたでちゅ。
老師は「格ゲーで人間に負けたー」っと、部屋の隅で「の」の字を書いていたでちゅ。
師匠がきて「もう寝る時間ですよ」っと、ヨコシマと私を呼びにきたで、それぞれの部屋に戻って寝たでちゅ。
老師はそのまま今日の新しいゲームをやってるみたいでちゅ。


<修行2日目>
朝おきたら修行場で瞑想でちゅ。
今日からしばらくヨコシマも一緒に瞑想とのことでちゅ。
師匠はこの時間に朝食を作っているでちゅ。
一人で瞑想しているより、二人瞑想している方がなんとなく楽しいでちゅ。

朝食は、白いご飯と、お味噌汁と、漬物と、お肴でちゅ。
昨晩と同じく、ヨコシマ、猿の老師(斉天大聖老師)、師匠、ヒャクメと5人で食べたでちゅ。
ヒャクメも、ヨコシマの勉強の方を面倒を見るとのことで、しばらく妙神山にいるそうでちゅ。
私もヨコシマと一緒に勉強することになったでちゅ。 復習がほとんどだったけど、知らないこともあったでちゅ。

そのあと私は、老師の身外身(しんがいしん)の術でできた老師の分身と修行でちゅ。
ヨコシマは師匠と修行するとのことで、黒竜扇(こくりゅうせん)という扇子を使った霊的格闘術の修行と、黒竜の竜気によってヨコシマとルシオラちゃんの魂を安定させるという話でちゅが、詳しいことはよくわからなかったでちゅ。

お昼は珍しく、お稲荷です。
食後、ヨコシマが老師、ヒャクメと話をしてたでちゅ。
そうしたら、ヒャクメが動き出していたでちゅ。
何を話していたんでちゅかね。

午後すぐは瞑想の時間で、朝と違い師匠も一緒に瞑想するので三人でちゅ。

そのあとは、師匠がヨコシマと私の修行をそれぞれみてくれまちゅ。
ヨコシマは、黒竜扇を使った踊りみたいなのを一人で踊っているでちゅ。あれも修行なんだそうでちゅ。
その後は、私とヨコシマとで、実戦形式の修行があったでちゅ。
これが私の手加減の修行だそうでちゅ。
ちょっと、力加減を間違えると、ヨコシマが飛んでいきまちゅ。手加減の仕方って難しいでちゅ。

今日はまた一人来ました。ワルキューレのおば...じゃなくておねえさんでちゅ。
老師と話していたようでちゅが、夕食は一緒にとるそうでちゅ。
人数が多くなってうれしいでちゅ。
夕食は、ヒャクメが作ったでちゅ。寒いからということで、お鍋でちゅ。
老師は般若湯、ヒャクメはお神酒を飲んでいます。同じ清酒なのに、なぜ呼び方が違うんでちゅか。

お風呂は、ワルキューレのおねえさんも一緒に入ったあと、魔界に帰っていきました。
今晩も、テレビゲームで、昨日のリベンジでちゅ。
結果、昨晩一番下だった老師が1位でちゅ。
また徹夜で、ゲームをしてたでちゅね。師匠に言ったでちゅ。
師匠は、老師をどっかにつれて、今晩はもう現れませんでした。
ヨコシマと二人きりでゲームをして、勝ったり負けたりしたけど、楽しかったでちゅ。


<修行3日目>
お風呂の時間までは、2日目とほとんど同じでちゅ。
違うのは、食事の内容と、ワルキューレのおねえさんがいないくらいでちゅ。

夜の遊びの時間、いつものテレビゲームと違って、突然囲碁を打つことになったでちゅ。
囲碁なんて始めてでちゅ。

原因は、ヨコシマを調べると、何回か転生していてどのときも人外と関係しているとのことでちゅ。
有名なところでは浦島太郎だったり、珍しいところでは江戸時代末期、幽霊に取り付かれて碁打ちでとても強かったそうでちゅ。
その記憶も呼び出されたそうでちゅ。老師何か暴走していませんか。
老師曰く、囲碁は仙人の嗜みじゃということで、珍しく師匠が老師の部屋でいっしょに遊ぶことになったでちゅ。

ヨコシマと老師は早速実際に打って、私は師匠から手ほどき受けたでちゅ。

ヨコシマと老師が打ち終わったら、ヨコシマと師匠が打つことになったでちゅ。
ヨコシマが師匠に勝ったでちゅ。
老師が師匠に向けて「精進が足らん」っと言ってました。昨晩の事を根にもっているわけでないでちゅよね。

明日から早速修行特別メニューとして入れるようにとの老師からの指示が師匠にありました。
師匠は反対してましたが、老師が
「囲碁は戦略・戦術の良い勉強になる。」
「そもそも人間を指導する親族ともあろうものが人間に負けたままでよいのか。」
「パピリオの眷属の使い方の勉強にもなる。」
とか言ってたような気がするでちゅ。
そういえば、南極でも人間の集団に負けたでちゅ。
私からも師匠にお願いしたでちゅ。
明日から囲碁の修行も行うことになったでちゅ。


<修行4日目>
お風呂までは、囲碁が修行に入った以外は3日目と同じでちゅ。

囲碁の修行の時は、老師がヨコシマ、師匠と打って、私は、本を見ながら棋譜並べという碁石を並べていくという修行をしてたでちゅ。
そのあとは、ヨコシマと師匠が打って、老師が私を囲碁の指導をしてくれたでちゅ。

老師に「囲碁を今までやってなかったでちゅか」っと聞いたら、
「小竜姫や鬼門たちはあまり囲碁をしないのと、カラーテレビが妙神山に入ってきてから、テレビゲームに夢中になってしまった。」
と言ってたでちゅ。

お風呂の後は、遊びの時間。テレビゲームをまたやってるでちゅ。
横では、師匠が、相手を変えて囲碁を打っています。
う〜んっと、もしかして、囲碁って、テレビゲームの代わりでちゅか。
なんとなく質問しない方が良い気がしてきたので、忘れることにしたでちゅ。


<修行5日目>
昼食までは、4日目と同じでちゅ。

昼食後、魔界からワルキューレのおねえさんと、ジークフリートのおにいさんに、べスパちゃんがやってきたでちゅ。
ルシオラちゃんに関することできたそうでちゅ。
2日目にワルキューレのおねえさんが来たのはこの件だったのでちゅね。

べスパちゃんによると
「ヨコシマの死後、ヨコシマの魂の中のルシオラちゃんの霊体の一部をべスパちゃんに受け渡して、ヨコシマの魂は輪廻の輪に戻す。」
ということが基本だけど、その為に神族と魔族の間で納得できる付属の契約をいっぱい行うみたいでちゅ。

べスパちゃんなら、ルシオラちゃんの姉妹っということだし、ヨコシマも安心して契約できるっていうのに、神族・魔族の手続きって本当に面倒でちゅね。

それで、今日の午後は修行はほとんど無し。

夕方、早速、ヒャクメが神界に書類の束をもっていったでちゅ。

夕食は、べスパちゃんも一緒にみんなで食べたでちゅ。
ヨコシマもべスパちゃんも一緒に仲良くお話してまちゅ。よかったでちゅ。

けど、ジークフリートのおにいさんが一人疲れているでちゅ。
神と魔の両方の最高指導者と話してきたそうでちゅ。
多分、親族の方もすぐに手続きが終わるだろうとの見込みだそうでちゅ。

夜は皆ぐったりしたのか、老師と二人でゲームをしてたでちゅ。
ちょっとさびしいでちゅ。


<修行6日目>
朝食後すぐぐらいにヒャクメが戻ってきたでちゅ。
神族にしては信じられないぐらい早いでちゅね。

今日の午後契約を行うということで、ヨコシマとべスパちゃん。
立会いとして神族は師匠とヒャクメ、魔族はワルキューレのおねえさんと、ジークフリートのおにいさんです。

私は、老師と外で待機してたでちゅ。
なんか、仲間はずれにされたみたいでつまらないでちゅ。

皆が部屋に篭ってから10分ぐらい。
最初にヨコシマがでてきました。ヨコシマは唐突に「おにいちゃんと呼んでくれ」っとのことでちゅ。
そうでちゅよね。ルシオラちゃんの魂を持っているのだから魂の上ではもう兄妹でちゅよね。
私は喜んで「おにいちゃん」っと呼んだでちゅ。
おにいちゃんも喜んでくれたでちゅ。

そのあと、べスパちゃんがなんか疲れたように「ヨコシマの護衛をする。その為の訓練を魔界で行うが聞いていた話とちょっとずれている。」って、言ってた。なんで、それだけで疲れるんでちゅか。

次にでてきたのは、ワルキューレのおねえさんがぶつぶつと「リリムめ」といいながらでてきたでちゅ。
「何があったんでちゅか」っと聞くと、「ジークに聞いてくれ」と珍しく階級も言わないで、べスパちゃんの方へのろのろと歩いて行ったでちゅ。

ジークフリートのおにいさんに聞くと、目が泳いで、汗を流しながら「夜の警護がつらいんじゃないかな」っと、そそくさとべスパちゃん達の方へむかって魔界に帰っていったでちゅ。

あれ、はやすぎるでちゅね。

そのあとは、ヒャクメがあわてて、神界に戻っていったり、いつまでも師匠がでてこないので、部屋の中をうかがってみると、師匠は白い結晶になってかたまってたでちゅ。

後ろにいる老師に聞くと「まだまだ若いのー」とかいって、修行場に行ったでちゅ。

どうなってるでちゅか。

夕食は、師匠がまだ「の」の字を書いていて、こっちに戻ってきてくれないので、おにいちゃんと一緒に食事を作ったでちゅ。
食事をしながら、おにいちゃんと話をしていると、当面、土日は修行にくるそうでちゅ。うれしいでちゅ。

ヒャクメも戻ってきたけど、「なるようにしかなんないのよね〜」「もう少し早く自分の気持ちに気付いていればよかったのにね〜」っといつもの軽い調子で訳がわからないことを言ってたでちゅ。

今晩は、修行の最後の夜ということで、ヒャクメも一緒で師匠以外の4人でテレビゲームをしたでちゅ。


<修行最終日>
朝起きていつもの瞑想のあと、朝食には、師匠がこっちにもどっていました。
とてもにこやかだけど、眼がなんか笑っていないような気がするのは気のせいでちゅよね、おにいちゃん。

午前中の修行は、おにいちゃんの悲鳴の回数が多いような気がするのも気のせいでちゅよね。

昼食後、おにいちゃんは、黒竜扇をもって、にこやかにお家に帰っていきました。
おにいちゃん、今度の土日まってるね。

そういえば師匠からは「おにいちゃんにはよく仏罰を下している」と聞いていたけど、おにいちゃん今回仏罰もらっていないでちゅよね。


おしまい。
身も蓋もありませんが、色々な二次小説の影響を受けています。
一番書きたかったのは、斉天大聖老師がゲーム猿になる前は、普段何やってたのだろうというところから、なぜかこんな話になりました。
「江戸時代末期、幽霊に」という部分は、「ヒ○ルの碁」からアイデアを拝借しています。

初投稿作品となりますが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

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