男のロマンとはなんだろうか?
それは色々ある。
間違いない。色々あるのだ!
まあその一つは車であろう。
車を選ぶ基準は、まあ乗り心地とか、デザインとか色々ある。
ここに一人の独り者いた。
ひとりのひとりもの、冗談のようであるが、冗談ではない。
彼はまあ勇者とよぶにふさわしい人物である。
まあ我輩はそう思う。
間違いなく勇者であろうと思う。
はてさて、この勇者、ある冒険にでかけるようである。
しかしまああまりいい冒険ではないようである。
ここにその冒険の序章を記そう。
「……これかなりお前の趣味で選んでないか?」
「まあそうだろうなあ」
「あのなあ……」
正直に認めるなよ。とため息をつく男が一人いた。
同乗者である彼は眼鏡をかけていた。
まじめそうな好青年である。
しかし彼はどこか呆れた、というような微妙な顔をしている。
それは運転手に対してであろう。
運転手は鼻歌まじりの車を運転していた。
しかし同乗者はふうとため息をついて、運転手を見ている。
「これかなり乗り心地悪くないか?」
「ドライブにつれてきてもらって文句言うなよ」
あのなあ、と同乗者である青年を頭を抱えた。
お前が無理に連れてきたんだろう、とため息をつく。
まあ乗り心地はよくないのである。
我輩が思うにこれはデザイン重視である。
それは間違いない。
ふんふんと運転手は鼻歌を歌っている。かなりご機嫌である。
彼はアクセルを勢いよく踏み込む。ああああああ、と大声で同乗者が叫ぶ。
かなり恐怖に満ちた叫びである。
気の毒である、真っ青な顔になっている。
それでも運転手は平気な顔で車のスピードをあげていく。
「お前、僕を最初にこの車にのせたのは、もしかして実験台としてか!」
「彼女なんぞ乗せられないだろ? やっぱり初めてのドライブは実験台とじゃなきゃな」
お前最低だぞ。と叫ぶ同乗者、いやあ後で感想教えてくれ。と楽しげに笑う運転手。
恐怖のドライブであった。
これは続く、暫く続く。
ちなみにこの車の名前、コブラという。
ちなみにこの運転手は賢木という、同乗者(犠牲者)の名前は皆本という。
それを追記しておこう。
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