3003
僕はハロウィンの由来を知ってるから……
「いきましょう、少佐」
「あれ?」
「少佐はいつものカッコのまま?」
今日はハロウィン。
三人の少女は、こった仮装をしていた。それぞれ髪まで染めてバベルの三人娘に扮した上で、さらにハロウィンっぽいキャラを演じているのだ。
三人とも、色々と苦労しているらしい。
薫役のカズラはミイラ男のコスプレだが、包帯は自前だ。体の一部を触手化して包帯にしているらしい。下半身を触手として使ってしまった結果、腰から下は地面に埋めて誤摩化していた。
誤摩化すと言えば、紅葉も大変である。眼鏡つながりで葵役をやっているようだが、年齢的に離れ過ぎている感じがある。本人もそれは理解しているらしく、少佐の視界の左下隅にコソッと入るような感じで、しかもウインクで誤摩化そうとしていた。
そして、紫穂役の澪。演じているキャラの特殊な帽子にあわせて、入りきらない頭のてっぺんを部分テレポートで別の場所に移動させている。だが、これは彼女にしてみれば造作無いことだった。むしろ、もともと笑うのが得意でない彼女は、素直な明るい表情を見せることのほうに努力を要していた。
そして、そんな三人に対して。
少佐は、普通に学生服を着ているのだった。
「いや、僕は
ハロウィンの由来を知ってるから
派手な仮装をするのは、どーもね」
「日本でいうところの
お盆のようなものだって?」
「え、そうなの?」
紅葉の言葉に驚く澪。
八月に海に行ったときの少佐の様子を思い出し、少佐にとって『お盆』は特別なのだろうと思ったのだが……。
そういう意味ではなかった。
1939年頃。
「そーだわ!!
ハロウィンはみんなで仮装して
お菓子をねだる日にしましょう!!」
「まさか世界中に広まるとは」
「「「マジ!?」」」
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大人は嘘をつくのではなくて……。
すいません、先日の長編のあとがきで予告した物とは全く違う物を投稿してしまいました。
企画に便乗して、即興で書いたシロモノです。
なにげに『絶チル』は初ですので、なにか重大なミスがあるんじゃないかとドキドキしています。
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