1828

新たなる敵 二幕

2章 暗躍の地への旅立ち  1 いざ、コメリカへ
「わー、みてみて皆本〜。このパンツ今日までなんだって、割引きくの。ねぇ、買って〜。」
薫はあいかわらずであった。
「子供にはそんな大人びたパンツ必要ないだろ。」
ため息まじりに呆れた顔して皆本はいう。
「もう充分大人だよ、中学生だし。ねぇ、だから買ってよ〜。」
この薫のおやじ趣味を皆本だけでなく葵、志穂もあきれた感じで見ていた。
「しょうもないやっちゃなぁ〜。」
と葵。
「・・・でも、ホントはちょっとそのパンツはいた姿みたいと思ってる。」
皆本に触れながらイタズラっぽくいう紫穂。
「きゃあ、皆本〜。やっぱみたいんだ。それならそうと」
薫は調子に乗り始める。
「皆本ハン、フケツ〜!」
葵はマジでそう思いながらいってそうだ。
「まったくお前らは・・」
と皆本がいった瞬間、携帯の着信音がポケットから聞こえてきた。電話にでる皆本。
「はい、皆本です・・・えっ!?は、はい・・今すぐいきます。」
電話を切る皆本。するとすぐさま
「どうしたの?バベルから?」
薫がまっさきに聞いた。
「あぁ・・急な任務がはいったようだ。とりあえず君たちと一緒にバベルまで来てくれとのことだ。」
「ちぇっ、せっかく楽しんでいたのに・・・」
「まぁまぁ、薫。任務なんやからしょうがないって。また今度買ってもらえばええやん。」
「そうそう、皆本さんもまだかまだかと楽しみにしてるみたいだし♪」
「勝手に人の心、捏造するなぁ〜!」
とうとう皆本も堪忍袋の緒が切れたようだったが、三人とももう慣れているせいかハハハハと笑っていた。皆本もそんな姿をみてあきらめたようで
「・・・バベルに早くいこう。局長も切羽詰まっていたみたいだし・・・」
一同「はーい。」
みんな皆本をいぢることができたようで機嫌は上々のようだ。数分後バベルに着き、局長の部屋までたどり着いた。
「局長、ただいまつきました。」
「休日だというのにすまないね、皆本クン。早速、本題に入らせてもらうが今コメリカで連続強盗事件が起こっているのは知っているかね?」
「ええ、侵入不可能と思われる金庫をいとも簡単に盗んでいっているそうですね。まさかその捜査に・・」
「そのまさかだ。コメリカ警察と合同で今回の事件を受け持ってもらうことになった。」
「しかしなぜウチのチームが要請されたんですか?コメリカにもエスパーチームがあるはずでは?」
「現場の状況からみてエスパーの中でも高レベルエスパーの集団なのではないかという見方がでてきた。現場には何か手掛かりになるものはサイコメトラーが調べても何もでてこなかったとのことだ。それについ先ほど少し交戦したときにその力のすごさを思い知らされたらしい。」
「えっ!?」
皆本はおもわず声をだす。
「交戦したといっても相手がサイコキノを使ってきただけだが・・そのサイコキノの力は凄まじかったらしい。地面を殴りつけた瞬間周囲が吹き飛び高層ビルが倒れかけ大惨事になりかけたらしい。なんとか最悪の事態はさけられたがね。その力を直接見たのはメアリー・フォード中尉一人だそうだが、彼女がそれほど凄まじいというのだから相当だったのだろう。さらに詳しくいうとその殴られた地面は砂と化していたらしい。普通、ものを殴るときは力が分散して100%伝わることがないそうだが今回の相手はそれを成し遂げたとのことだ。つまり力の使い方を完璧にマスターしているということだ。というわけでよりレベルの高いエスパーが必要になった。」
「なるほど、そういうわけですか。わかりました、今すぐにでもコメリカにいきましょう。」
「メアリーがそんなにおどろくほどのサイコキノ、どうやら私らの出番のようだな、皆本。」
薫はやる気まんまんだ。いや薫に限らず葵、紫穂も目を見ればこの話に賛同していることがわかる。
「よし!何が何でもその強盗犯を一網打尽にするぞ!」
一同「おー!」
「チルドレンたちよ、危なくなったらすぐ任務を放棄して日本に帰ってきていいんだからね。」
といいながらチルドレンに飛びかかる局長。そしていつものように葵が分離テレポートを鮮やかに決めて局長は床に顔をつけることになった。
「うぅ・・私はどんな邪見にされても構わないが、くれぐれも気をつけるんだヨ。」
こうしてチルドレンのコメリカ行きは本人たちの意思を含めて完全に決定したのであった。

2 -2 the liberty bells との再会
チルドレンはバベル専用のジェット機でコメリカへ向かうことになった。そして機内にて。
「なぁ、皆本。こうして二人一緒に並んで飛行機でコメリカいくなんてなんか新婚旅行みたいだね。」
薫は満面の笑みを浮かべてそういうと例の二人が黙っているはずもなかった。
「ちょっと薫〜、誰が二人で何旅行?」
「薫ちゃんだけずるーい。なに皆本さんの隣独占してんのよ。」
すると薫と葵の体が瞬時にいれかわった。
「皆本ハン、ウチが隣の方がええよな〜。」
「てめ、葵。何しやがる。」
すると薫は葵を無理やりサイコキノでどかした。負けじと葵もテレポート技で薫を座らせまいとする。そうこうしているうちに皆本の席が空いたので紫穂は得意の漁夫の利作戦でちょこんと皆本の隣に座った。
「あーいう、野蛮な二人より私が隣の方がいいでしょ?」
しかしその漁夫の利作戦も長くは続かず彼女のいう野蛮な二人におしおきされるはめになった。結局誰が隣の席になるのかは勝敗がつかず間をとって朧さんがその席に座ることになった。
「いつも賑やかでいいですね。」
朧は皆本に話しかける。
「いや、賑やかというか騒々しいというか・・・ところで朧さん、局長は仕事が日本にあるから来られないようですけど、あの人ならそんなことを放棄してでもこっちに来そうなものですが・・・」
「ええ、私が代わりについていくというのに全くいうこと聞かなくて・・・最終的にシバいてきておとなしくさせました。」
笑顔で普通にそういうことをいう朧さんにちょっと恐怖をおぼえつつも
「はは、そうですか。それは安心しました。」
「でも薫ちゃん達なんかさびしそうですよ。」
皆本たちの前から聞こえてきた。座っているのは梅枝ナオミであった。高レベルエスパーとして彼女も呼ばれたのである。もちろん谷崎主任もついてきているがすでにこの室内の後ろの壁に埋め込まれていた。
「そうはいってもなぁ・・・」
一方、皆本の隣に座ることができなかった三人は後ろの方の席で三人ならんで座っていた。
「あーあ、せっかく皆本といい雰囲気になりかけてたのに・・・」
「ひとりじめしようとするからそうなるのよ、薫ちゃん。」
「そや、まったく・・油断も隙もありゃしない。」
と少し険悪な感じであったが、そこに皆本がきた。
「そろそろお前ら寝る時間だぞ。明日になったらいつ急な任務になるかわからないからね。しっかり体力を温存しておくことだ。」
三人とも返事がない。
「どうしたんだ?さっきの事まだ気にしているのか?」
「いや、そういうわけじゃないけど・・・」
薫がそう返すが、他の二人は黙ったままだ。その様子を察すると
「じゃあ、今日はここで寝ようかな。」
チルドレンたちの一つ前の列に座った。
「お前らも早く寝ろよ。」
そういうと皆本はそこで毛布にくるまり寝についたようだ。すると後ろの三人も内心ほっとしたようでそのまま寝についた。

目が覚めるともうニューアーク・リバティ国際空港付近まできていた。皆本は後ろに座っているチルドレンを起こした。
「おい、お前ら。そろそろ空港につくぞ。」
三人ともまだ寝たりなさそうな感じで起きる。一つ一つの席の間隔は広くファーストクラスのようなもので寝心地はよかったようだ。まだ眠っていたいという欲望にうちかちながら三人はやっと目をさました。
「おはよー、皆本。もうすぐ着くのか。」
「あぁ、空港についたあと移動してからニューヨークに着くんだけどね。もう市内の風景を見渡せるよ。」
そう皆本がいうと三人とも外の景色を窓から眺めた。コメリカはまだ朝にもなっていなくてまだ午前3時半であった。日がまだでていない状態だ。
「ここがニューヨークか・・・」
薫たちは興味津津に外の景色を眺めていた。
「正確にはニュージャージー州だけどね。そこから迎えの車でマンハッタンまでいくんだ。」
と皆本はいう。そしてそうこうしているうちに空港に着き入国手続きを済まし外にでた。すると聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「お待ちしておりマシタ。さぁ、ドウゾコチラヘ。」
独特のイントネーションで日本語を話すのはケン・マグアイアであった。
「お久しぶりデスね、ザ・チルドレン。」
メアリーもいた。
「メアリー、ひさしぶり〜。元気だったか!?」
ひさびさの再開に興奮する薫。
「このとおり元気になりました。」
「元気になりましたって・・その包帯・・・」
この前の件で負傷したメアリー。しかし仕事に影響がでるほどではない程度の軽傷で済んだようだが
「たいしたことありませン。全然ヨユウです。」
確かに無理している様子もなさそうだし、大きな怪我を負ったわけじゃないと知って安心すると
「そっか。良かった。」
「立ち話もなんですからどうぞこちらへ。」
ケンが車に乗るように促す。チルドレン一行は車に乗り、会っていなかったときの日本で起きたこととかを話したり、皆本をからかったりして賑やかに警察本部へと向かっていった。
なんとか二回目書ききりました。明日から学校が始まるのでこれからレポートや実験、さらに学際で忙しくなりそうなのでなかなか書けなくなるかもしれないです。長い話になりそうなので今年度中に書き終わらないかもしれません。今後ともよろしくお願いします

[mente]

作品の感想を投稿、閲覧する -> [reply]