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新たなる敵

「今日はいい天気だ。すがすがしいー。」
洗濯物を干しながらほのぼのとした陽気を存分に味わっている皆本。最近仕事詰めでろくに休みをとっていなかったからか、休日がこんなにありがたいと思ったのは久しぶりだったろう。しかし休日になっても彼の生活は単調で掃除、選択、料理、そして
「なぁ、みなもとぉ〜、せっかく休みなんだからさぁ、どっか一緒にお出かけしようよ。」
「そやで、皆本ハン。最近全然うちらにかまってくれへんかったやろ。今日ぐらいはええよな。」
「私ここんとこ全然服買ってなかったから何か買ってもらおうかしら。」
3人の子供の世話だ。
「そうだな、たまにはみんなで買い物して、おいしいもの食べにいくのも悪くないかもな。じゃあみんな支度し・・・」
「もう済んでるぜ。」
「すんでないのは皆本ハンだけやで。」
「玄関で待っているわよ、早めに支度済ませてね。」
3人は最初から行く気満々だったようだ。皆本はあきれ顔で
「はいはい、すぐ済ませるからおとなしく待ってろよ。」
一同「はーい。」
みんな皆本とデートできると思って機嫌がやたらいい。すこしするとホントにすぐに皆本は支度を済ませてきた。
「じゃあ、行こうか。」
皆本がそういうと3人はいつものように皆本によりそうように仲良く歩きはじめ、家をあとにした。

         同時刻 コメリカ ニューヨーク

市街地に深夜だというのにけたたましい警報音が鳴り響いた。市内にある大手宝石店が襲われたようだ。今月にはいってこれで11件目であるせいか、警察が駆けつけるのもかなり早く2、3分とかからなかった。しかし駆け付けたときにはすでに盗られるものは全て盗られたといった感じでもぬけの殻だった。しかしその駆け付けたうちの一人がおもむろに現場の床を触り始めた。
「犯人グループは立ち去ってからそんなに時間がたっていない。あっちの方向に逃げたみたい。」
接触感応能力者は指さして方向を示した。これまでの強盗は夜であり銀行の金庫を狙うのがほとんどであったが、そのほとんどが物理的に侵入することが不可能なところであった。つまり物理的なことを超えるもの、エスパーの仕業ということになる。しかも集団的な犯行であることもこれまでの手口からみて判明している。よって普通人の警官だけでなく、エスパーの部隊も駆けつけているというわけだ。そしてザ・チルドレンと馴染み深いこの二人も
「う〜ん、確かにビルの向こう側には怪しい人が三人ほど見受けられます。しかし暗闇だからかもしれませんがよく顔が見えません。モザイクがかかったような感じです。」
「それで十分よ、ケン。実際にいって調べれば済む話よ。」
「それは頼もしい限りです。」
The liberty bells ケン・マグアイア中尉、メアリー・フォード中尉
ケンとメアリーは他のエスパーも連れてその場所にむかった。確かに近づくとケンの言うとおり、ビルのまわり一帯が空間を歪められている。メアリーはビルの手前まで来ると他のエスパーを制するように待機させた。そしてメアリーが単独でビルを曲がると十数メートル先に人影が見えた。暗闇でよく見えないが体はなかなか鍛え上げられているような風貌をしている。するとそいつは急に地面を殴りつけた。その瞬間地面は爆発したようにコンクリートの破片を飛び散らせビルの一つが倒れかけた。メアリーは咄嗟にそのビルを抑えようとした。すると他のサイコキノのもきて手伝ってくれた。なんとかそっと地面にそのビルをおろすことに成功した。しかしもう犯人は逃げてしまっているだろう。
「クソッ、逃がした!」
メアリーは悔しそうに拳を握り締める。このあとこのあたりをサイコメトラーが二時間ほど調べつくしたが結局何の痕跡もみつからなかった。さらにこの一時間後、超能力部隊は緊急招集された。そして会議室の前にはグリシャム大佐が現れた。
「諸君に告げなければならない重要なお知らせがある。知ってのとおり今回の一連の強盗事件はエスパー集団によるもの。それも高レベルのエスパー集団だと思われる。先ほど起こった宝石強盗、ここではなぜか今までなんの痕跡もなかったはずなのにサイコメトラーが逃げた方向を特定できた。そしてそこで待ち伏せていた。おそらく今回のビルの倒壊は我々に対する宣戦布告であろう。となると今回はよりレベルの高いエスパーが必要になる。そこで日本のバベルに応援の要請を行った。今回我々と任務を組むのはそのバベルの特務エスパーチーム、ザ・チルドレンだ。」
そこまで話すと会議室はざわめきが走った。すると一人の隊員が
「お言葉ですがグリシャム大佐、聞くところによるとザ・チルドレンはまだ中学生になったばかりの子供だというではないですか。いくらレベルが高いからってそんな子供を今回のような任務につくのはまだ早いのではないでしょうか?」
もっともな意見を述べた隊員に対して
「確かにザ・チルドレンは未熟な面もまだまだある。しかしその反面今まで困難な任務を遂行してきた実績もある。冷静沈着な優秀な指揮官もついているし十分活躍は期待できると思うがね。」
するとその隊員はまだ不満そうな様子ではあったが渋々納得したようだ。
「明日にでももうコメリカに来てもらう予定だ。みなチームワークを乱すことなく今回の任務を遂行してくれることを願うよ。」
とグリシャム大佐はそう言い残し会議室をあとにした。その後会議室でいくつか物議をかもしたが結局大佐の命令には背くことはできないという結論に至った。一方そんなことは露しらず皆本、薫、葵、紫穂はデートを楽しんでいた。
なんとかがんばって書いていこうと思います。一回直接書き込みをしてふと間違えて全部消えてしまうという悲劇がおこってしまい大変でした。あまり本を読んでこなかったので文章の書き方がところどころ悪いところがあると思いますが多めにみてください

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