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「絶対可憐チルドニャン」(絶対可憐!だから負けニャい!)

「絶対可憐チルドニャン」(絶対可憐!だから負けニャい!)

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「ある朝、明石薫が何か気掛かりな夢から眼を覚ますと、
 自分が寝床の中で一匹の可愛い猫に変わっているのを発見した」

「・・・ニャ?」

薫は寝ぼけまなこで、じっと手を見た。
ふわふわとした毛皮にぷにぷにとした肉球。
紛れもなく猫の手だ。

もう一度、じっと手を見る。

頭の中で状況を把握するのに、しばらく時間がかかった。

「・・・・・・うにゃー!!」

叫ぶや否や、薫はベッドから飛び起きると、洗面所へ駆け込んで鏡を見た。

顔や身体全体は変わっていない、が、頬から長いヒゲが左右三本ずつ生えている。
それに、頭にはぴょっこりとネコ耳が突き出ていた。
試しに意識してみるとぴこぴこと動く。

「な、なんニャこりゃー!!」

全身が総毛立って気付いたら、お尻から尻尾もちゃんと生えていた。

「み、みニャもとーーーー!」

ばたばたと薫はキッチンに駆け込む。
皆本はエプロンをしてシンクの前でリンゴを剥いていた。
その姿はいつも通りで、薫は少し安心した。

「みニャもとー!」
「おはよう、薫、どうしたんだ?」
慌てる薫に、皆本は変わらぬ優しい視線を向ける。

「あたし、猫だー!」
踏ん張って叫ぶ薫。

「うん、猫だね」
あっさりとした皆本。

「・・・あれ?」
薫は拍子抜けた。

「・・・みニャもと?」
「うん?」
「・・・だから、あたし猫になったんだって」
「うん、きみは猫だ、間違いない」
「・・・あ、あれぇ?」

薫は首を傾げた。
皆本には薫が猫になった事に不思議はないらしい。
それより、元より猫であったかの様な対応だ。

アタマの上にクエスチョンマークをいくつも浮かべたかのごとく、薫が戸惑っていると、
後ろで気配がした。

「ニャんやなもー、朝からうるさいニャー」
「おはニャー」

葵と紫穂だ!

「あのっ、あたし起きたら猫に・・・って、ええっ!」
薫は振り向きざまに自らの異変を告げようとして、絶句した。

二人も猫と化していたのだ。
顔と身体は人間のまま、細部が猫のパーツを有している。ネコ耳、尻尾。ぴこぴこ動く。

「ニャ、ニャンでみんな・・・」
「どないしたんニャ?」
「寝ぼけてんじゃニャいの?薫ちゃん」

葵と紫穂に肩を叩かれ、薫は呆然とした。
くしゃり、と皆本が薫の頭を撫でた。

「薫、とりあえず顔洗ってこい、朝ご飯食べたら眼も覚めるだろ」

笑いながらダイニングに向かう皆本に、薫はまだ不思議そうだった。

 ***

「これ、味しないニャ」
「そう?おいしいよ?」
「あんた、贅沢モンやニャあ」

猫缶とはいえ、きちんと盛り付けてくれるのは皆本の性分なのだろう。
だが、薫はそれを一口食べただけで舌を出した。

「おいおい、最高級の缶詰をわざわざ取り寄せているんだ、好き嫌いを言うな、薫」
皆本が呆れていると、薫は皆本の前にあるスクランブル・エッグを指さした。
「それ、食べたいニャ」
「だめだ、人間の食べ物は猫には味が濃すぎる、おなか壊すぞ」
「ちぇー」

「でも薫ちゃん、昨日はこればくばく食べてたじゃニャい?」
「・・・そう?」
「せや、ウチの分まで狙ろてたやニャいか!」
紫穂と葵に指摘されたが、薫には昨日の事さえ思い出せなかった。

「ニャー、じゃあ食べるよ、もう!」
成長期ゆえに空腹には勝てない、薫は無理矢理たいらげて涙目になっていた。

食後はまったりとした時間が流れていた。
葵はボールをテレポートさせてはそれを追いかけ、紫穂は爪研ぎに余念がない。

片付けを終えて皆本がリビングに戻って来た時、薫はソファに寝転んでいた。

「なぁ、みニャもと?」
「なんだい?」
「・・・あたしたち、学校に行かニャくていいの?」
「学校?」

今度は皆本が不思議そうな顔をした。

「馬鹿ねえ、薫ちゃん」
爪研ぎを終えた紫穂がソファに寄ってきた。
「猫が学校に行って何するの? つまみだされるだけよ?」
「え?・・・だって、ちさとちゃんとか・・・」
「ちさとちゃんって、いっつも学校帰りにウチらと遊んでくれるコやろ?」
葵がテレポートですっ飛んで来た。
「え?」
きょとんとする薫。

その様子を見ていた皆本が、真剣な顔でソファに腰掛けた。
「薫、ちょっといいか?」
有無を言う間に、皆本は薫のアゴ下に手を差し入れた。
「あ、ちょ・・・」
思わぬ行為と、その指先の心地よさに薫は全身の力が抜けた。
だが、皆本は単に薫の首輪に装着されたリミッターを診ていただけだった。

「ふむ、薫、ちょっと聞いていいか?」
「ニャ、ニャに?」
「今、きみの目には葵と紫穂はどう見えているんだ?」
「どう、って人間のおニャのコがネコ耳と尻尾生やしてる・・・感じかニャ?」
「そうか、もしかしたらリミッターの調整が必要かも知れん」
「ど、どういう事?」
「きみみたいに成長期だと精神念波の位相がズレを起こす事がある。特にレベルの高い
アニマル・エスパーのきみだと、人間と接する度に本来の精神波が干渉を受けてしまい、
今は多分人間と近い精神波になっていて、葵や紫穂が人間に見えたり、味覚や感覚がズ
レてきているんだ。ぼくにはきみたちが普通の猫にしか見えないんだからね」
「・・・それ、直るの?」
「ああ、問題ない。後で研究室に行こう」

「そうだったら、私みたいなサイコメトラーの方が影響受け易いんじゃニャいの?」
紫穂が皆本に訊いてきた。
「そうでもないさ、逆にサイコメトラーは無意識下に耐性がある場合が多い、他のエス
パーよりは干渉のブレは少ないかも。だが念のため葵と紫穂の分も診ておこう」
「ふーん、私と葵ちゃんはついでなんだ・・・」
「あ、いや、そういうワケでは・・・」
「じゃあ、いつまでそうしているつもり?」

ギラッ!
 
紫穂の目と爪が光った。

「え? あっ!」

アゴ下に指を入れられ、恍惚としている薫に気付き、皆本は慌てて指を引っこ抜いた。

「ニャー、みニャもと、もっと・・・」
喉を鳴らして甘えた声の薫に、葵の視線が刺さる。

「ほう、ウチらの目の前でいちゃつくとはええ度胸やニャいか?」

キラーン!

葵の構えは既に攻撃態勢だ。

「いや、ちょっと、きみたち。あのね・・・」

「問答無用ニャ!!」

今まさに紫穂と葵の爪が皆本を引っ掻こうとしたその時。

プルルルル、プルルルルッ!

救いの携帯電話が鳴った。
間一髪、難を逃れた皆本が冷や汗混じりで電話に出る。
目前で研がれた爪が光る様は、あまり気持ちいいモノではないのだが。

「はい、皆本です・・・えっ!何ですって!はいっ!」

ぴくり、野生の勘で紫穂と葵は爪を引っ込めた。

緊張感みなぎる皆本の声に、薫も夢見心地から覚める。

「はい、現場のデータを!」
携帯電話のディスプレイが展開し、出動現場の詳細が判明した。
「ここですと、直接向かった方が早いです、ええ、そうします!」

電話を切った皆本は、既に現場運用主任の顔になっていた。

「緊急予知だ、強盗事件を阻止する、みんな、行くぞ!」
「了解ニャ!」

 ***

皆本のマイカーに同乗して現場に向かう道中、薫が皆本に訊いた。
「今回はどんニャ事件?」
「今から5分後にこの先で現金輸送車が襲われる、予知が遅れたのは強力なジャミング
が掛けられていたかららしい。こういう手口から推察するに犯人は・・・」
真剣な皆本の横顔に、薫はゴクリと唾を飲み込む。

「P.A.N.D.N.Y.A.・・・の連中だな」
「パンドニャ!?」

薫はがくりと肘を崩す。
「なんかもー、ニャんでもありか・・・」
「どうしたの、薫ちゃん?」
「ニャんか今日は変やで?」

紫穂と葵にのぞき込まれ、薫は慌てて手を振る。
「ああ、いや、ニャんでもないニャんでもない。あはは・・・」

「そろそろ現場だ、気を引き締めろ」
「はいっ!」

対向車線に一台のワゴン車が見えてきた。警備会社のロゴが記されている。
「あれだ!」
皆本が叫んだ途端、地面から突き上げる激しい衝撃が襲った。

 ドォン!!

ワゴン車の後部が跳ねる様に飛び上がり、車が宙に舞い上がった。

「うわあっ!」
皆本は急ブレーキを踏み、流れるリアタイヤに反応してカウンターを切る。
ハーフスピンに陥った皆本の車の上空を、ワゴン車が回転して飛び越え、地面に激突
して轟音と共に大破した。

「どさっ!」
ついさっきまで葵と紫穂がいた皆本の車のリアシートに、二人の男性が降ってきた。
 
「うわっ!」
驚く皆本に、葵の声が空から飛んで来る。
「緊急テレポートや、輸送車に乗ってたおっちゃんら。怪我はあらへんと思う!」
「そうかっ!葵っ!助かった!」

急いで車から降りた皆本のそばに、紫穂がしなやかに着地した。
手を地面に当て、辺りを探索する。
「地下に二人。気を付けて、もう一度さっきみたいなのが来る!」

言うや否や地面を揺るがす振動が皆本たちを襲った。

 ドォン!!

近くのマンホールの蓋が吹き飛び、駐車していた乗用車に突き刺さった。

「きゃっ!」
体勢を崩した紫穂を、皆本が支える。
「紫穂、これは爆弾かっ!?」
「違う、何か波動みたいな感じ」

「こらーっ!おまえら、いちゃいちゃするニャー!!」
葵と共に、上空にテレポートしていた薫が慌ててすっ飛んでくる。
「ニャによー、さっき喉を鳴らしてたの誰よ」
「ニャ!? それはそれ、これはこれ!」
「ずっるーい!」
「ニャにしてんのや、あんたら、敵が来るで!」

葵が指さした先で、マンホールの穴から二人、人影が飛び出してきた。

「ニャ、ニャに者!?」

「あっらー、誰かと思えば子猫ちゃん達じゃニャあい!」
「げー! て、てめえ!!」
薫は仰け反った。どちらかと言えば、あんまり会いたくない相手がそこに居た。

腰をくねらせ、気持ち悪い口調で挑発してくるのは・・・

「マッスル大鎌! 貴様の仕業か!」
皆本がいち早く立ち直った。

「あ、名前は変わらニャいのか」
だが、半裸のボンテージ姿に似合わないネコ耳と尻尾が薫の心をざわつかせた。
「き、気持ちわりーニャ!」
「あら、失礼ねぇ、あんたたちとおんなじ格好じゃニャあい」
「同じじゃねーー!! フーーーーッ!」
薫が総毛立てて威嚇しても、マッスルは涼しい顔だった。

「ま、いいわん、頂くモノ頂いたらそれでいいし」
「んな事させねぇ!」
「そや、あんたらの思う通りニャんかさせへんで!」

「ふうん、あんた達にニャにが出来るのかしらね?」
「はっ!このあからさまニャ、ツンデレ声は!?」
薫が振り向くと、小柄な人影がもう一人。
「誰がツンデレ声ニャーー!! フーーーーッ!」

「み、澪!?」
薫は、澪のネコ耳尻尾姿を凝視した。
「ニャ、ニャによ・・・?」
「うーん、これはこれでアリかニャあ」
「ニャに言ってんのよ!!」
顔を赤らめて、澪は薫を怒鳴りつけた。

「薫、何やってんだ! 行くぞ!」
皆本がリミッター解除の合図を送ってきた。
「お、おう!」

「特務アニマル・エスパー、『ザ・チルドニャン』!」
「うえっ!? チルドニャン!?」

「何だ、薫、勢いを折るなよ!」
「ああ、ごめん」
「ごほん、もう一度。特務アニマル・エスパー、『ザ・チルドニャン』! 解禁!!」

皆本が手にした携帯型リミッター解除装置が作動した。
チルドニャンの全身に、力がみなぎって来る。

「輝く瞳は、正義の光」と、紫穂。
「鋭い爪で、悪を斬る」と、葵。
「狙った獲物は逃がさない」と、薫。

「絶対可憐チルドニャン! 見参!!」

ニャニャッニャッニャニャー、ニャニャッニャーニャニャ!
ニャーニャーニャニャニャー、ニャッニャッニャッニャッ、ニャッニャッニャッニャッ!

「え? BGMまでネコ仕様!?」
「薫、何言ってんだ?」
「ああ、なんかもーどーでもよくニャってきたニャー」
「いーから、戦えっ!」
「了解!」

腰を振るマッスルに向かって、薫が挑む。

「くらえっ! サイキックー!肉球ボンバー!!」
「そんなの当たらニャいわよん!」
腰を揺らし、器用に薫の攻撃を避けたマッスルが、反撃に転ずる。

「くらいニャさーい! ビッーーグ、マグニャーム!」
マッスルの丹田から勢いよく波動が発射された、が、薫もそれを避けた。

「うっわっ、ニャんか全然すごくねえネーミング!」
「うるさいわねっ! 仕様なんだからしょうがないじゃニャい!」

「うまく言うたつもりか? ほなこれはどないニャ!」
葵が両腕を拡げると、マッスルの周囲にマタタビの実が降ってきた。

「マタタビ・フラッシュや、これは効くでぇ!」
「うにゃあん、マッスル、腰砕けぇ・・・」

すっかりマタタビに酔ったマッスルに、澪が激を飛ばす。
「ニャにやってんのよ、しっかりしてよねっ!!」
「あニャたの相手はこっちよ!」
紫穂の銃が澪を捉えた。

パァン!!

澪の耳元を銃弾がかすめた。

「あっ危ないわねえ!!」
「大丈夫、猫用の銃よ、コレ」
「そんなもんあるかあっ!! それに大丈夫じゃニャいわよ!!」
「ふふっ!」
「そんニャ危ないのは、こっちが貰うわ!」

澪の部分テレポートで、右手ごと紫穂の銃が澪の手に渡った。
すかさず銃をもぎ取り、紫穂に狙いを付けた。
「形勢逆転ね!」
ためらわず、澪はトリガーを引いた。

パン!

銃口からは、おもちゃの万国旗が飛び出しただけだった。

「あれっ?」
「ざーんねん、本物はこっちよ」
紫穂は左手に隠し持っていた銃で、澪を狙い撃ちし始めた。

パン!パン!パン!パン!パン!

「うわっ、ちょっ、あのっ、いったあい!!」
実弾ではなく、ゴムスタン弾だが、当たれば痛いのには変わりない。

慌てる澪の隙を突いて、薫と葵が攻撃を仕掛けた。

「サイキックー! 猫じゃらし!」

ポン、と澪の目前におもちゃの猫じゃらしが現れ、薫がそれをコントロールする。

「ほーれ、ほれほれ、ほーれ、ほれ!!」
「ああっ!身体が勝手に動くぅう!! いやぁん!!」

本能で猫じゃらしに反応する澪を、薫はけらけら笑って翻弄した。

「そこまでだ!」
走ってきた皆本が、澪にESP錠を後ろ手に掛ける。
「ニャ、ニャにするのよー!!」
「強盗未遂の現行犯だ、まったく懲りないな、君たちも」

呆れた様な皆本の視線に、澪は「ふん!」と顔を背ける。
マッスルもとっくに捕まって、地面に転がされていた。

既にパトカーやバベルの指揮車も現場に到着し、連行される澪は、チルドニャンに思い
っきりあかんべーをくらわせた。

「ニャんだ、あれ、可愛くねー!」
薫が肩をすくめた。
「まあ、実質被害が出んかったんが幸やニャ」
「どうして実弾が支給されニャいのかしら・・・」

「きみたち、よくやったな」
ポンと皆本に肩を叩かれ、チルドニャンは嬉しそうに微笑んだ。

「あー、ほんま疲れたニャー」
葵が皆本に寄りかかってしがみついてきた。
「お、おい、葵・・・」
「みニャもとはんが、抱いて連れて帰ってくれたら、疲れも取れるんやけどニャー」
喉を鳴らして甘えてくる葵に、皆本は慌てた。

「おい、そんな事したら・・・」

「・・・あたし達が許さニャいの、分かってる?」

案の定、薫と紫穂が恐ろしい形相で迫ってくる。

「いやだから、おい、あの・・・」

「独り占め禁止ニャー!!」

「うわあああああっ!」

研ぎ澄まされた爪の餌食になったのは、何故か皆本だった。

 ***

都内某所。
超高層高級マンションの一室のドアを、丁寧にノックして真木が入って来た。

「失礼します、少佐」

だが、真木が見たのは、パソコンデスクの下にうずくまる兵部の姿だった。

「いかん! 大丈夫ですか!? 少佐!」

慌てて兵部を抱きかかえる真木。
兵部は、真木の腕に抱えられたものの、少し様子が変だった。

「・・・少佐?」

兵部は肩を小刻みに震わせている、が、それは体調不良のせいではなかった。

「くっ、ふふっ、くくくっ!」
「・・・少佐?」

「あっはっはっ! あーっはっはっ!!」
「少佐・・・」

涙まで浮かべ、笑い転げていた風だった兵部は眼を拭うとゆっくり椅子に腰掛けた。

「いや、すまない、心配かけたね」
「何事ですか、まったく・・・」

「ちょっとした余興だよ、退屈しのぎのお遊びだ」
「また、ろくでもない事なのでしょう?」
「まあね、バベルの坊やとクイーン達に、ちょっと悪戯を仕掛けた」

パソコンのモニターには、ネコ耳マッスルやネコ耳澪と対峙する、チルドレンの様子が
映し出されていた。
もちろん、チルドレンもネコ耳装備だ。

「ヒュプノ・・・ですか?」
「ああ、昨日の晩、仕込みに行った。これは桃太郎にカメラを付けて撮ったモノだ」
「マッスルはともかく、澪にまで・・・あまりいい趣向とは思えませんが・・・」
「たいしたことない、一晩寝れば消える程度の軽い催眠だ」

兵部は、モニターに映るチルドレンと澪の対決を笑いを含ませながら眺めている。
だが、真木は渋面のままだ。

「心配するな、澪とマッスルは後で助けに行くさ」
「いえ、そういう事ではありませんが・・・」

(まったく、この人の子供っぽい所は少しも変わらないな、困ったものだ・・・)

ぼんやりと兵部の横顔を見ながら、真木は思った。

頭上のネコ耳をぴくぴく動かし、所在なげに尻尾を振りながら・・・。


                                (終わりニャ!)

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単行本14巻の巻末おまけマンガを眺めていたら、こんな話が出来ました(笑)

こんにちは、松楠です。

ニャーニャーうるさいかも知れませんが、おバカだなと生暖かい目で見てやって下さい。

Q:単に「ネコ耳・澪」を出したかったのか?

A:ええ、そうですが、何か?

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