横島家のグレちゃんは機械いじりが大好きです。
横島家のプラズマテレビや冷蔵庫は今では見る影もありません。
「プラズマは科学だー!」
虚空に叫ぶ横島父は心労のあまりに発狂寸前だったりします。
意外に洗濯板が似合う母親に折檻されるその光景は家族愛に包まれていますね。
折檻のしすぎで横島父の口からプラズマみたいなものがでてたりしますけど。
うっかりどっきり息子も巻き込まれてますが、今回のお話には特に出番もないのでほっといてもいいでしょう。
どうせ5秒後くらいには復活するんですし。
そんな横島家を尻目に、グレちゃんは今日もパタパタと空を飛びながら機械を探します。
お、今日の獲物を見つけたようですね。
かつては成層圏を突き抜け、青い星を眼下に納めたグレちゃん。
南海のとある島くらいまでなら余裕のよっちゃんですね。
どうやら今日の獲物は大物のようです。
様子を見るかのようにしばらくその機械の周りを飛び回ってたグレちゃんですが、意を決したかのようにアタック開始♪
少しずつ少しずついじり始めます。
その表情は真剣そのもの。
まぁぶっちゃけ表情の違いなんてよくわかんないですけど。
辺りには夜の帳が落ち始めています。
キノコみたいな機械がスノコみたいになりました。
ようやくグレちゃんも満足したのか、パタパタと翼を動かしながら帰路に着き始めます。
帰ったら横島のエロビを壊そう!
職人は一つの仕事で満足できない。
より高みへ。より高みへ。
至高より嗜好。
究極より……うーんおもしろいこと思いつきませんね。
グレちゃんの気持ちを代弁したかったんですが……
私もまだまだですね。
まぁ何はともあれ横島君のエロビが壊されるのは宇宙意思のようです。
そんなこんなで幸せなグレちゃんなのです。
――数日後。
「私のプロセッサがぁーーーーーーーー!」
「俺の女教師○○○○○○がぁーーーーーーーー!」
時を同じくして叫ぶ二人の男がいたそうです。
「君も大切なものを喪ったようだね」
「あんたもそうみたいだな」
傷を舐めあうように酒に溺れる男が二人いたそうです。
「私の天地創造が…クッ!」
「俺のコイビトが…ちくしょーー!」
後にこの二人、親子になったとかならないとか。
実は世界を救ったグレちゃん?
キューピッドはグレちゃん?
それは誰も知りません。
今日もグレちゃんは機械いじりに励んでいます。
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