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tea break 〜 絶チル 93rd sense.より 〜

※ 「絶対可憐チルドレン 93rd sense. 面影(5)」(07/30号)
 のネタバレが含まれています。未読の方はご注意下さい。

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「意識のないまま俺たちを守ろうとしたのか?」

 賢木の台詞にあるように、ダイブ中のキャリーは外の状況を認識していなさそうです。あるいは認識していてもあまり気にしていないのかもしれません。
 しかし、キャリーのダイブ後に国防総省が動いた訳ですから仕方がないとも言えますが、仮に外の状況を認識していた場合、それを無視してまで泣き続ける少年を抱きしめる必要があったのか、一度ダイブを中止してサイコキネシスで追っ手を撃退してから改めてダイブすればよかったのではないか。また、認識していなかったとしても、外の危機的状況と皆本の精神の底の状況とが連動しておらず、話の展開に若干の違和感を覚えます。

 前回、キャリーは「キャロラインが目覚めかけている今なら、彼女の能力であるテレパシーが使えるのではないか」と言い、実際にダイブできていたのですが、逆に「キャリーが消えかけている今なら、彼女の能力であるサイコキネシスをキャロラインは使える」という事で、実は目覚めかけていたキャロラインがサイコキネシスで追っ手を撃退したのではないでしょうか。そして、まだ目覚めきっていないから、あるいは賢木が超感覚の的を絞ったのがキャリーの方だったから、キャロラインに気付かず「意識のないまま」と判断したとか。
 となれば、当然キャリーはもはや消える寸前であり、キャロラインではなくキャリーとして少年を抱きしめられるのは今を置いて他に無いからこそ、ダイブを続行していた。一方、目覚めかけていたキャロラインはキャリーの時間を稼ぐ為にサイコキネシスを使った。既に両者の人格は皆本へのダイブ中に互いに独立した人格として邂逅しており、そうした役割分担を打ち合わせて今の状況に対処した。

 合成能力でもないのにキャリーが異なる超能力を同時に行使でき、そして外の状況にも関わらずダイブし続けた背景には、この様な幕間劇があったと思うのですが、さて如何なものでしょうか?

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