展開予測掲示板

傘がなくてもずぶ濡れでも、ふたり一緒なら最強無敵。
雨も他人の視線もへっちゃらで、いつだって笑顔でいられる。
素敵なふたりですね♪

雨に濡れるのは嫌なものですが、こうして二人で濡れて帰るのは、まるで童心に返るかのようでいいものですね。
それがごく自然に似合う二人は実にお似合いな二人なのでしょう。
楽しませて頂きました。

雨の日も悪くは無いと思わせてくれるようなお話しでした。
ふたりの間に流れる、なんともほのぼのとした雰囲気が良いですねぇ。

ザ・ハウンドはいつアニメに出られるんですか？（挨拶）
絡みにくい雰囲気SSに皆さまコメントありがとうございます。


＞猫姫さま
明は基本的にはある程度世間体を気にすると思うのですが、
初音が絡むと覚悟完了、二人で常識を一足飛びで超えてしまいそうな感じがします。

＞akiさま
明は初音の手前落ち着いて見えるのですが、たまにははしゃいでもいいんじゃかと思います。
初音が濡れてるのに自分だけ傘差せるか！ってのがいいぶんですが…
たぶん最終的には自分もハイになって楽しくなっちゃってるでしょう。

＞偽バルタンさま
執筆中の仮題は「雨うざい」でした。やっと東京も梅雨明け…か？
相合傘よりも二人で濡れて帰るイメージだったので、ほのぼのとした空気を感じて頂けて嬉しく思います。



前作同様こっそりおまけです。
蛇足になるのでここにひっそり載せますが、ある意味本編です。



〜宣戦布告オホーツク海気団　おまけ〜



「ただいま！　寒い！」
「ただいま！　やっぱ無理！」

急いで鍵を開け、転がるように玄関に入る。

廊下が水びたしにならないよう、とりあえず玄関マットの上にそれぞれの荷物を置く。
明はその場でブーツと靴下、ジャケットを脱ぎ捨て、カーゴパンツの裾を捲り上げた。

初音はすっかり雨で濡れてしまった髪をといていた。
柔らかな癖っ毛は、今は重く首や背中に張り付いている。緩やかなうねりから雫が身体に伝っていた。

5分ほど疾走してきたため身体の芯は熱かったが、一度走るのををやめてしまうと一気に体温が奪われていった。
自分を抱くように身を縮こませている初音は、髪のせいもあるのか、いつもより少しだけ小さく見える。

「……どうしたの？」

いつの間にか初音を見つめていたらしい。
慌てて目をそらし、明は裸足で脱衣所に向かって走る。

「い、今タオル取ってくるから、待ってろ！」

――初音を雨に打たせたくないのには、理由があった。
風邪をひかないようとの配慮ももちろんあるが、それ以上に――
雨に濡れた女性はどこかもの悲しく感じるものだが、明にとって初音はさらに特別だった。



初音に新しいバスタオルを投げると、自分もざっと体の水気をとる。

大きな白いタオルに包まれるようにして、初音はまず髪の毛をふいている。
頭にかぶせたバスタオルの隙間から、濡れた前髪と、寒そうな白い顔が見える。
気がつくと、自然な動作で彼女の頭に片手をのばしていた。

近いな、と明は思った。当然だ。自分から近づいているのだから。
少しだけ低い位置から訝しげに上目遣いで見つめる初音と目が合った。

「明？」

限界だった。

思わず初音をバスタオルごと抱きしめる。
肩にかけていたタオルが弾みで玄関に落ちた気がした。が、無視する。

重い雨の匂いと遠い太陽の匂いがする。タオルの暖かさと粟立つような肌の冷たさを感じる。
冷えた彼女の体温を慈しむように、濡れた頭を胸に抱き寄せた。



今すぐこいつを――

「今っ……メシ作るから！」

――腹いっぱいにさせたい！！！！
なんかもーとにかくこいつに温かいもの飲ませて、それからたくさん食べさせてやりたい――！

明にとって、雨に濡れた初音の姿はダンボールに入れて捨てられた雨の日の子犬の数十倍の攻撃力だった。
オーバーキル！　オーバーキル！　と頭の中で誰かの声がしている。

「…………アイス溶けるよ、明」

直後に響く初音の腹時計に、明が正気にかえるまでのごく短い抱擁。



呟く初音は無論呆れ顔――
だったのか、それとも。残念ながら、知る者は誰もいない。

オマケ含めて素敵です、実にッ！
ずぶ濡れ初音に段ボールin子犬と同じパワーが秘められているとは盲点でしたｗ
文章の方もテンポ良く読みやすくて、実はレベルの高い作品だと思いました。
次の作品も期待してますよっ！

＞ちくわぶさま
おまけまでご覧頂きありがとうございます！
明も母性・保護愛の強いキャラですのでこのような形になりましたが…
チルドレンたちがヒロインの卵としたら、ハウンドはカップルの卵というつもりで書いています。
テンポと読みやすさは特に気をつけている点ですので、そのようなご感想を頂けて本当に嬉しいです。
次回作は結局一ヶ月かかってしまいましたが、そちらもお読み頂ければ幸いでございます。