ザ・グレート・展開予測ショー

冬の散歩道 その3


投稿者名:captain
投稿日時:(97/12/ 7)

 いったいどこまで続くかわからないけどとにかくこの年内にはこのお話のオチや完結を書けるように頑張ろうと思います
ちなみに我がペンネーム”captain”とはなぜかいつのまにやら学校でつけられていたあだ名であり、
このコーナーに掲載することができたのはそのあだ名の名付け親である友人
(横島と同じ昭和55年6月24日生まれ)が「こんなコーナーがあるんだがどうだ書いてみろよ。」と紹介してくれたからです、
これはこれで結構楽しいので感謝している!!(captain)
   ”冬の散歩道” そのB
 横島を連れて長老の家へ来たおキヌだが家には誰にもいなかった
「あっ、そうだ長老さん美神さんと出かけたんだっけ、どうしますか?」
「まあこうなったら長老が帰ってくるまで霊波刀のほうの修業をするしかなさそうだね。
おキヌちゃんちょっと手伝ってくれる?今からやるのは一人じゃできないんだ。」
「いいですよ、私横島さんのお手伝いなら喜んでします、で、なにをすればいいんですか?」
おキヌは横島の修業を手伝うことができるのをとても喜んでいた
「じゃあまずね、あの崖の上に行って、そうするとそこに岩がたくさん並べてあると思うから
 その岩はたぶん一つ一つロープで止めてあるから俺がその崖の下に行ったらどれでもいいから
 ロープを切って岩を落として欲しいんだ。」
「わかりました、私がんばります!!」
おキヌはそう言うとはりきって崖の上のほうへと登っていく
そこには大小様々な岩が横島の言った通りにロープで止められていた、
その岩は前に横島がここへ修業に来たときに長老に霊波刀のさばきの教えを受けたときにその練習にと使っていたものだった
「さあおキヌちゃん、どっからでもきてよ!!」
「じゃっ、じゃあいきますよ、エイッ!!」
とりあえずおキヌはすぐ手前にあったロープを切ってみた
すると下で横島はいとも簡単にそれを真っ二つに切り裂く
「一個ずつじゃなくてさもっとたくさん落としてよ。」
横島が自信ありげに言うと
「わかりました、いきますよ、エイッ!!」
今度は一度にたくさん落とす
さすがに辛そうだが横島は落ちてくる岩を次々と切る
(横島さん本当に強くなったなー、本当ににすごいわ!!)
おキヌは胸をドキドキさせながらそう思うと
「次ぎいきますよー」
と今度は一番でかい岩を二つ落とした
その岩はおキヌが思っていた以上に大きくそこら辺にくっついていた岩もそれに巻き込まれ
いっきに下の横島めがけて落ち出す
「ナッ、ナンジャコラー!!、こんなん無理だー、しっ死んでしまうー!!」
横島めがけて空をうめ尽くすほど降ってくる!!
「どっどうしてこんなに落ちてくの!?・・・」
おキヌは上から見ているだけでどうしようもなくただ横島の安否を祈るばかりだった
横島はとにかく生き残るために必死になって岩を切るが時間差をつけて降ってくる無数の岩をすべて防ぐのは不可能だ
「もう文殊しかない!!たっ、たのむ出てくれー!!」
追い詰められた横島はわずかだが霊力が増し指先が光り出す
文殊が”滅”の文字を輝かせながら現れる
「オオッ、ナイスタイミング!!これならいける!!」
そう叫ぶと横島は文殊を岩めがけ投げつける
岩は文殊の発動とともに光に包まれすべて消滅する!!
「すっ、すげー!!こんなに威力あったっけ・・・」
自分の力に浸っている横島に
「すっすごいじゃないですか!!」
とおキヌが崖から身を乗り出し叫ぶと
ガラガラッと一つ落ちるのを免れた岩が横島の後頭部にもろに落ちる
横島はこの接近に気付かずにこれを食らってしまい気絶してしまった
「よっ、横島さん!?大丈夫ですかー? (やばいわ、どうしましょー!!) 」
おキヌはとにかく横島のもとへと駆けよる
(ゲッ!!これはやばいかも・・・でもこんなケガいつもしてるから大丈夫よね・・・)
そう思いながらもとりあえずヒーリングをする
「うっ、あれ俺どうしたんだっけ?あっそうだ文殊が出るようになったんだった、なんかそれにしても頭がズキズキするなあ。」
「きっ、気のせいですよ・・・たぶん・・・それにしても驚きましたよ!!なんか光ったと思ったら岩が全部消えちゃうんですもの。」
「ああ、あれね、正直いって俺も驚いてるんだ・・・
何で急にあんな力が出たんだろ?」
「でもよかったじゃないですか、文殊出るようになったんでしょ?
力もあがったんだしいいじゃないですか、でもそれにしても美神さんたち来ませんね、もうすぐお昼だしご飯にしましょうか。」
そう言うとおキヌは横島の腕を引っ張って家へと帰る
そして昼・・・
「横島さんできましたよー」
おキヌの声に呼ばれて食事をとる、美神はまだ帰ってきていない
シロも来ていないのでその部屋はおキヌと横島二人っきりだった
二人は楽しそうに会話をしながら食事をしている、その光景ははたから見ると新婚のようであった
「あー、ずるいでござるっ、何で二人だけで食事をとってるでござるか。」
シロが面白くなさそうな顔で入ってくる、二人とも一瞬ドキッとした
「だっておまえ頭が痛いって・・・」
「拙者は難しいことが嫌いでござるからちょっと部屋を出ただけでござる、
 それにしても先生は拙者とあろう者がありながらこんな子娘なんかといちゃついて・・・」
シロはおキヌをにらみながらそう言うといきなり座って
「飯でござる!!」
とおキヌに茶碗をさし出す
「はっ、はいわかりましたよっ!!」
おキヌはうらがえった声でそう答える
(なっ、なんなんなんだ!?おっ、恐ろしい、ここにいてはやばい・・・)
二人の殺気が飛びかう中、横島は直感的にそう感じ
「ごっ、ごちそうさま・・・」
一言言うと部屋から逃げるように出ていく
「なにがあったんだ?おキヌちゃん最近ちょっと恐くなったなー、やっぱ美神さんの影響かなー?」
「なにが私の影響ですって!?」
美神が突然現れて横島のひとりごとに突っ込みを入れる
「そっ、それはその・・・あっ、そうだ美神さんどこ行ってたんですか?」
横島は話をそらそうと質問する
「私は長老といっしょにシロを切ったってやつを探してたの、そいつの気配をたどってたらそこには化け猫がウジャウジャいてさ、
 みんなで行ったほうがいいかなって思ったからひとまず帰ってきたの。」
「化け猫っすか?(なんか前にも化け猫でえらい目にあったことがあったけなー)ところでみんなって俺も行くんですか?」
「あたりまえじゃないの、でも行くのは明日の朝にしたわ、道具の用意頼んだわよ。」
そう言うと美神は昼食をとろうと家へ入っていってった
「うっ・・・、なによこのすごい殺気、そう言えばさっき横島クンがなんか言ってたっけ・・・」
戸を開け中に入るとおキヌとシロが反対側を向きながら食事をしている
(こっ、この二人何かあったの?ほんとすごい殺気だわ!!)
美神は入るやいなやそう思った
「おキヌちゃんただいま、お昼まだなんだけど私の分ある?」
美神がそう聞くと
「あっ、おかえりなさい、もちろんありますよ、はいどうぞ。」
いつもより何やら乱暴になっている
(こりゃ横島クンが逃げるのも無理ないわね、私も早く食べて出てこっと)
そう思ったとき
「美神殿、先生はどこ行ったでござるか?」
シロが話しかけてくる
「あっ、たぶん長老のとこじゃない?ほかに行くようなとこないでしょ。」
「そうでござるか、じゃあ拙者行ってくるでござる。」
シロがそう言い出ていくと部屋の中の怪しい雰囲気が消え去っていった
「おキヌちゃん、シロとなんかあったの?」
間合いをみはからって美神がさり気なく聞くと
「何でもないですっ!!」
と答える、美神は二人が横島のことで争っているなんて思ってもいなかった・・・
一方長老の家では・・・
「長老これは何なんっすか?さっき試してみたけどなにが何だかさっぱりで・・・」
古文書を見せながら質問する
「お主これをやったのか!!これは文殊を扱うもの自身の志を試すもの・・・
 つまり文殊の大切さを教えるために自分の文殊を封印し自分でそれに気付いた時に霊力値とともに自分の力を増幅する
 自分に試練を与える術じゃぞ!!お主にはまだ早すぎるのに、何という事を・・・」
長老はそれを見てあせっている
「そうだったのか、それで文殊が出なかったのか・・・でもそのおかげで文殊もパワーアップしたことだし無駄じゃなかったな・・・」
横島がさり気なく言うと長老は横島の胸ぐらをつかんで
「お主、もうその修業を終えたのか!?なんという早さじゃ・・・」
と言いとても驚いている
「ところで長老、何でそんなこと知ってるんすか?」
横島が疑問に思うのも無理はない、今まで長老の言うとうりの修業をしてきたからこそ横島はここまで強くなったのだから・・・
「実はな文殊の術者を見るのはわしはおまえで二人目なんじゃ、
 二百年ほど前わしがまだ若かったころこの人狼の村にもおったんじゃよ、文殊の術者がな・・・
 わしはその人の弟子じゃった・・・この古文書もその人がここへ持ってきたものだったんじゃ、
 わしも当時はいつもその修業について行っては手伝っていたからな・・・
 人狼の寿命は長くて二百とちょっと・・・わしもそろそろじゃて・・・」
「ちょっ、長老・・・」
長老は横島に自分の生きてきた証を残したいのかもしれない・・・
「まっ、そんな話じゃ、納得したかのー?それよりそろそろ修行を再開するか、あまり時間がないんじゃろ?
 人狼は神に仕える者、ならばお主が戦おうとしている相手はわしらの敵じゃ!!いっとくがこれからが本番、辛くなるぞ、
 よいな!!」
長老は真剣に言う
「えっ!?、今までよりもきつくなるの・・・どーしよっかなー」
横島は情けないことをつぶやいている
「”ドーシヨッカ”ジャナイー、ハヨコンカー!!」
長老は横島を引きずって連れていく
そこへシロが丁度かけつけてきた
「横島先生ー」
「丁度よい、今からシロにお主の相手をさせよう、じゃがこれではシロが不利だな・・・
 よしっ、こうしよう文殊はなしそしてお主は目隠しをするというのはどおじゃ?」
「何も見えんのにドーシロッチュウンジャー!!」
横島が叫ぶ
「目で見んで心の目で見るんじゃ。」
長老は人差し指を立て左右に振りながらあたりまえのようなことを言う
「そんな漫画のようなことができるかー!!」
横島がそう言うが長老は聞こえないふりをして
「シロっ、よいな?こやつの為じゃ本気でいきなさい。」
と言うととても気合のこもった声で
「はいっ、わかったでござる、先生の為とあらば拙者なんでもいたす!!」
とシロがそう言うと長老は横島に目隠しをして
「さあ行け!!」と背中を押しながら言う
横島は(もうこーなったらどうにでもなれだー)
と観念してそれをやることにした
「先生いくでござるよ!!」
そう言うとシロは霊波刀で切りかかる!!
普段気配を読みとったりするのが苦手な横島にそれがよけれるはずがなくあっと言う間にシロのペースにのみ込まれる
数回に一回ぐらいは受け流すことができてもシロの子刻みな一撃一撃が横島を確実に捉える
「ウッ・・・ヤバイ・・・」
横島がよろめくと
「先生大丈夫ですか!!」
とシロは攻撃を止め横島を気遣う
「ならん!!シロ、攻撃の手を休めるな!!」
長老は厳しい言葉を飛ばす
「しかしこれでは・・・」
シロにはやはり横島を師匠以上に思う感情があるようだ
「いいんだシロ、これは修業だ・・・どんどんこい!!俺はおまえなんかの剣じゃまだまだやられんぞ!!」
シロの剣さばきがにぶってきたのを感じた横島はいつになく厳しく真面目に言う
「そこまで言うなら・・・」
シロは気持ちを押さえ攻撃を再開する、もはや横島には気力が残っていないように見える
(ここで寝ちまえば楽になるが・・・それでいいのかっ?)
横島の頭によぎる言葉・・・何もかも遠く感じてくる・・・
シロの目にはだんだんと涙が浮かび出す
横島はシロの繰り出す攻撃を一撃一撃身体に受け段々と意識が薄れていきついには立ったまま気絶してしまった
「ここまでのようじゃな・・・シロ、おまえの気持ちはわかるがこれも横島殿の為と思ってはくれぬか?」
長老がシロにやさしく話しかける
「これも先生が選んだ道なら拙者はなにも言いません・・・(先生の為なら鬼にでもなれる・・・)」
辛そうな顔を傾けそう言うと気絶した横島を背負って家へと歩き出した
「ただいまでござる・・・おキヌ殿おられるか?先生の手当を頼むでござる。」
シロは気力の抜けた声でおキヌに呼びかける、しばらくして掛け寄って来る音が聞こえる・・・
「どっ、どうしたんですか?このひどい傷は・・・」
おキヌがあわてて聞く
「拙者がやったでござる・・・拙者はおキヌ殿みたいに傷を癒すことはできません・・・
 たっ、ただ・・このように傷つけることしか・・・」
そう言うとシロは泣きながらおキヌに抱きつく
「セッシャ・・・セッシャ・・・今まですまんかったでござる・・・先生と会えるのが楽しみで・・・
 ただそれだけで・・・いつも一緒にいられるおキヌ殿がうらやましかったんでござる・・・
 なのに・・・なのに拙者は先生にこんなことを・・・」
「そうだったの・・・でもわかってる・・・あなたは悪くはないわ・・・」
「おキヌ殿・・・」
ついさっきまで喧嘩していた二人がうそのように・・・おキヌは無邪気に泣くシロをやさしく抱きしめるのだった・・・
そして何も知らない美神はこの光景を見て何の喧嘩をしていたのか考えだし混乱していくのだった・・・
”冬の散歩道” そのB完




















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