ザ・グレート・展開予測ショー

下着騒動(絶対可憐チルドレン)


投稿者名:ペスゾウ
投稿日時:(06/ 9/26)


目の前に触れてはいけないものがある。

それの用途が落ちていた場所に矛盾しているわけではないのだが…



ことは単純、脱衣所に下着がある。それだけだ
この間までの自分ならば何らためらいも無く掴み取り、洗濯籠に放り込んだのだろうが今は違う。

意識してしまって触れることが出来ない――
もちろん邪まな意味ではない


つい先日、コレに関わり酷い目にあったのだ。
確かその時、味方の下着は洗ってもいいと言われたが同時に否定されもした。

問題の下着はあの三人が居座るようになって目にしてきた下着類より大人っぽく感じる。
勝負下着=薫のだろうか?

何にせよ、触らぬ神に祟りなし
本人達を呼んでくればすむことなのだ。







「私の下着じゃないよ」

本当に覚えが無いらしい
ニュアンスこそ違うものの、三人とも持ち主であることを否定した。

そうすると一体誰のものなのだろう

三人は下着に興味深々で、広げてみては黄色い声をあげている。


そこで気づいたのだが
この下着はデザインだけではなくサイズも大人用だったということだ。
丸めてあったから分からなかった。

この三人の物であるわけがない。
そうするとコレは一体…?



「あ、やっぱりここにあったんだ。アノ時忘れてったのね
 気が利かないねぇ皆本クン
 直接届けに来てくれるぐらいしてくれても良いじゃない…
 ごめんね、夜中にお邪魔しちゃって
 おやすみなさーい」



バベルの影の権力者・蕾見不二子管理官はそんなことを言いながら
唐突に現れ、即座に退場していった。





後に残るは静寂ばかり……そんな中、皆本は至って冷静な自分を自覚する。




何を言っているんだ、あの人は……誰のものだかわかるはずがないだろうに
ましてや何故に自分が届けなければいけないのか


何時の間に管理官の下着が家に紛れ込んだのだろう


いつも朝は三人と一緒に支度、ともすれば登校・出勤を行っているし
バベル本部では働きづめなのは周知の事実
帰宅も三人の方が早いか、一緒に本部を出るかのどちらか

つまり僕の行動にはアリバイが成立するのだ。



『アノ時』というのがどんな時を指すのか、あえて追求はしない。
さも自分がその場に関わっていたような言い方をされてはいたが、
ここでその何かを行う暇など有りはしないのだ。


テレポート?ヒュプノ?
………………考えすぎだ


テレポートについてはひとまず置いとくとして――


受付の二人、その他大勢の仕事仲間に対する催眠
入社・退社記録や各所カメラのデータ改竄を行い、
『居た』ことにして、僕を連れ去った…しかし自分には身に覚えがない。

ここ最近の記憶に対する微小の違和感も感じられないし
ちょうど昨日行われた精密検査の際も
超能力が心体に与える影響は見つからなかった。

それにこれら一連の工作…
やろうと思えば出来るのだろうが
面倒くさがりを地でいくあの人がそんな手間掛かることするとは思えない。

誰かにさせるということは…
桐壺局長が流石に止めてくれるだろう。
阻止できなかったとしても何らかの打診ぐらいはしてくれるだろうし……

何てことはない悪戯なのだろう
調べれば自分の潔白を証明できる自信がある


大体、だ――
普段の行動を省みてみろ。
自分で言うのも空しいことだが
研究一筋だった学生時代から今まで、異性にからかわれることはあったが
アノ時などとほのめかしたような浮いた話は何一つもない。


ましてや相手はあの管理官?
有り得ない
全くの出鱈目だ

そうだろう、三人とも!













「…言っておくけどさ。チルドレンの貴方に対する信頼は絶大なものだけど
 女性関係に関する信用は紙に等しいからね」

既に時計の針は12時を指そうとしており、
電灯は消され、辺りは闇に包まれている。

そんな中、壁にめり込められ放置されてる皆本に
蕾見はそっと語りかけていた。

「もっとも複雑な乙女心が加味されているからなんだけど」


無言でこちらを睨みつける皆本の視線に促されたかのように


「前にチルドレンとデキちゃえって言ったでしょ
 こうして適度に刺激を与えて
 チルドレンにも危機感を感じてもらわないとね」


などと尤もらしいことを言ってのけた。


皆本がポツリと呟く

「……………実は単なる暇つぶしで始めたんですよね?」

「…………………てへっ♪」

力なく皆本はうなだれた
それ以外に何も出来なかった


ああ、そういえば『セクハラ上司撃退法』っていう本を見かけたことがあるな
明日は本屋に行こう
絶対に購入しよう――――

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