ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫のナンパ曜日


投稿者名:10番惑星
投稿日時:(06/ 9/14)





ある日曜日




ここは美神除霊事務所の近くの公園である。

「あら、あの男の子またナンパしに来てるわね。」

「あーあ、あんな下心丸出しで誘ったんじゃ誰も相手にしないわよ。ほら肘打ちされた。」

「あ、懲りずにまた違う子にモーションかけたわ。」

「そしてまた肘打ちを食らうと、ホントめげない子ねえ。」

その女性は身長170cmくらいで上下ジーパンに額にバンダナを巻いた17,8歳くらいの少年に注目していた。

彼はふられてもふられてもナンパに精を出していた。

「うふふ、でもあの子面白いしかわいい子なのよねえ。あんなにがっつかなきゃ誘いを受ける子だっているのにね。でも、なぜかわざとやってるみたいにも見えるのよね。」

女性は時間も忘れて彼に注目していた。

そして「もうこんな時間か、そろそろ彼の迎えの女の子が来るのよねえ。」

まもなく中学生くらいの二人の美少女が公園に現れた。

「ほらほら、来た来た。今日は尻尾のある娘とナインテールの女の子ね。この間は巫女の格好をした高校生くらいの娘も来てたわね。」

少年は二人を見つけると脱兎のごとく逃げ出した。

その少年を尻尾のある方の少女が凄い勢いで追いかける。

「あ、またあの尻尾のある子との鬼ごっこが始まったわ。もはやここの名物行事になってるのよね。彼今日はどのくらい保つかしら。」

「それにしても、あの尻尾のある子の運動神経凄いわね。オリンピックの陸上選手並みかそれ以上よ。」

その少女の足の速さは確かに凄かった。

誰の目にも少年がすぐに捕獲されると思うほどに。

「でも、その女の子からしぶとく逃げ回っているあの男の子だって相当な足の速さと機動力だわ。」

そう、逃げる側の少年もただ者ではない。

ありとあらゆる撹乱戦術を駆使して器用というかゴキブリ並の素早さというか少女の追跡をかわし続ける。

だが、ついに少女に捕まる少年。

「あーあ、彼とうとう捕まっちゃった。」

「で、二人に首根っこを捕まれて怒られながら連行されると。ホントあの子達を見てると飽きないわ。」

「いいわ。今度あの男の子を見かけたらこちらからデートに誘ってみよう。私にデートに誘われたらどんな顔をするかしらね。楽しみだわ。」

横島とシロの追い駆けっこを楽しそうに見物していたその銀髪の中学生くらいの女の子はベンチを立つと公園を後にした。






次の日曜日






横島は先週ナンパしに来た公園にまた来ていた。

「さーて、先週はシロとタマモに邪魔されてうまく行かなかったが今日こそ綺麗なお姉様方と親密なお友達になるぞ。」

「そして、ああしてこおして、ぐふふふっ」

不埒な想像にふける横島だった。

だが、前回ナンパがうまく行かなかったのをシロ達のせいにしているがあの調子では何回やってもうまく行かないのは明らかであった。

それに気づいていないのは本人のみであろうけど。

「さーて、今日は誰をターゲットにするかな?この辺りのお姉様方はレベルが高くて目移りするんだよな。」

きょろきょろと周りを見渡す横島。

その動作は第三者の目から見れば怪しいこと極まりなかった。

ひそひそと会話しながら足早に逃げていく女の子達。

「うーん、なにも逃げる事ねえのになあ。」

声をかける前に逃げていく女の子を目で追う横島。

その時だった。

「ねえねえおにいちゃん。これから私とデートしようよ。」

「え?」

横島は声のする方を見た。

そこにいたのはシロやタマモと同年代くらいの銀髪の美少女。

そしてその少女は横島がよく知る人物にそっくりでもあった。

「げえ?おまえはメドーサじゃねえか!しかもコギャルバージョン!」

少女を見て驚く横島。

一瞬怯んだ横島だったが、だがすぐに霊波刀を右手に展開、左手に文殊を持ち臨戦態勢に移行する。

「メドーサ!お前生きていたのか?やるんなら相手になるぞ!」

一瞬きょとんとする少女。

「メドーサ?誰?もしかして私のこと?ううん、違うよ。私の名前はメリッサだよ。お兄ちゃんは?」

コギャルメドーサにそっくりな少女は自分をメリッサと名乗った。

「え、メドーサじゃないのか?」

確かに目の前の少女からは殺気も妖気も全く感じられない。まさしく人間だった。

霊波刀を引っ込め文殊をポケットにしまい込む横島。

「俺は横島忠夫。よろしくメリッサ。」

「この子、コギャルバージョンのメドーサによく似ているけどやっぱり違うよな。特に胸の辺りが…」

スパーン

メリッサは自分の胸をまじまじと見ている横島の頭をひっぱたいた。

「私の胸の辺りがどうしたですって?どうせ私の胸は洗濯板ですよ!大きくなくて悪かったわね。人が気にしているのに…」

胸を隠して横島を睨むメリッサ。相当胸の事を気にしているようだ。

「いちち、ごめんメリッサ。君が俺の知り合いのメドーサっていう奴にによく似てたもんだから。」

「まあいいわ。でそのメドーサって女の人の胸が私と違って大きかったんだ?」

「まあな。」

「おそらくあいつの胸は100cm位あるいはそれ以上あったよな。俺の知り合いの女性陣の中でもダントツだったな。」

「うーん…、正直な話美神さんやエミさん、ミイでも大きさという点では敵わん。確かに小鳩ちゃんも巨乳だが…色気という点で…」

「小竜姫さまやおキヌちゃん、シロ、タマモはもはや論外だしな。」

等と本人が聞いたら横島は半殺しですまないであろう失礼な事をバカ正直に考えながら、大人バージョンのメドーサの巨乳を思い出している横島。

それにしても思っていることを思わず口に出してしまう癖は相変わらずのようだ。

その横島の独り言を怒りに肩を震わせて聞いているメリッサ。

相変わらず目の前の女の子の心の機微に気づかない、これが横島クオリティなのだ。

スパーン!

メリッサにふたたびひっぱたかれる横島だった。

「もう!横島さんがいつもナンパに失敗ばかりしているからデートに誘ってあげたのに、もう知らない!」

「あ、ごめんよメリッサ!じゃあ俺からも頼むよ。」

「メリッサ様、俺とデートしてください。お願いします。」

こういう調子のいい所も横島たる所以であった。

その日はメリッサにとって本当に幸せな一日となった。



メリッサは横島忠夫という人間と友達になり、横島を通じてシロ、タマモという同年代の親友が出来、おキヌ、弓、マリ、小鳩、愛子という頼れる姉も出来た。

そしてそのメリッサにとっての幸せの輪はさらにどんどん広がっていく。














「なあキーやん。」

「なんですか?さっちゃん。」

「これで本当に良かったんやろな。」

「私もこれで良かったんだと思いますよ。なーに、横っちならメドーサを預けても大丈夫ですよ。」

「…、メドーサを人間に転生させ横っちと会わせる。メドーサの罪の重さを考えると我ながら無茶な話だったからな。」

「しかし、メドーサの生い立ちには気の毒な面もありますしね。こうなった以上人間としての一生を全うして欲しいですよ。」

「そうやな。甘いかもしれんが肉体的、精神的苦痛を与えるだけが罰やないからな。」

「……愛を知る事もまたですね……」





終わり






10番惑星でございます。
相変わらず下手くそで突っ込みどころ満載のな作品ですが読んでいただければ幸いです。

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