ザ・グレート・展開予測ショー

【夏企画SS】エミの告白


投稿者名:烏羽
投稿日時:(06/ 8/26)








「…10歳の時、両親が死んだわ…

 引き取ってくれた叔母とは、そりが合わず…私は家を出たワケ…



 家出少女が生活するには、盗みをやるか身体を売るしかなかったけど…

 私はどちらも嫌だったので、自分の才能を活かすことにしたわ…



 そして…15歳の時…

 私は…殺し屋だった…









【夏企画SS】エミの告白









 ある事件をきっかけに、殺し屋はその歳の時に廃業してGSを目指すことにしたわ…

 GSの資格取得には高校卒業資格が必要だったけど、私は中学にも入っていなかったから通信教育を受けることにしたワケ…

 それまでの稼ぎと、占いのバイトの給料で学費を払いながら資格を取ったわ…



 だから…



 楽しそうに制服を着て街中を歩いている女子高生たちを見ると、時々羨ましくなったりしたワケ…」









「エミさん…」

エミの話を聞いておキヌが呟く…












「言い残すことはそれだけですか?」












『六女の制服を着て正座している』エミに向かってそう言い放つおキヌ…

しかし表情は笑顔だ…



「ちょっと待つワケ!!
 あんた私が今まで誰にも話したこと無い身の上話を聞いてそんな反応なワケ!?
 『そ、そんなことが…』とか!
 『だから制服を着たいと思ったんですね…』とか!そう言う同情心とかはないワケ!?
 令子!何とか言いなさいよ!!」

おキヌに言っても無駄だと判断し、自分の椅子に座って様子を見ていた令子へと声を掛けた



「ゴメン
 私も知らなかったことを言って許しを請う気持ちはすごくわかるけど…無理」

すっぱりと断言する令子…



「くっ…」

どうしたものか…と何とか逃げる手立てを考えるエミ



「同情はしますよ〜
 もう手立てが無いから制服を着てピートさんに迫ろうって考えなんですよね〜」



……冷房が効いていないのに部屋の温度が下がった…気がした…



「………あ、あんたもこの間、横島と海に行ったらしいじゃない!進展はまったく無しってワケ!?」

なんとかショックから復活し、言い返すエミ…

「進展ですか?勿論有りましたよ?
 横島さんたら、『ホテル』で『私の身体』を見て『綺麗だよ』って言ってくれたんですから!!」



ピキッ…



またも部屋の温度が下がった気がした…真夏なのに氷点下まで…



ギギギギギギギ…



錆び付いたドアを無理矢理開いたときのような音を立てながら、令子、シロ、タマモが横島の方へ顔を向ける…


「(よ・こ・し・ま・く・ん・?)」

「(せ・ん・せ・い・?)」

「(よ・こ・し・ま・?)」

3人が3人とも横島へ視線を向ける…かなりの殺意を込めて…



「(お、おキヌちゃ〜ん!それは水着の感想やろ〜!それじゃまるで裸を見たときの感想みたいやないか〜〜!!)」

涙と鼻水を盛大に放出しつつ心の中で叫ぶ横島…



「おキヌちゃん?
 私たちはちょっと横島くんを尋問しに地下室に行ってくるけど…?」

横島の首根っこを掴んで令子がおキヌへ問う…シロとタマモは横島が暴れないように手足を支えている…

「わかりました、私もコレが終わったら行きますよ〜」

にこやかに令子へ言うおキヌ

「ちょっと令子!?」

「んじゃねエミ、多分死なないと思うから…」

そう言いつつ横島を引きずって部屋を立ち去る令子とシロとタマモ…

エミには閉まっていく扉が現世への出口のように見えた…



「では…始めましょうか…」

にこやかに、おキヌが言う…

「いやぁぁぁぁぁぁ……!!」



…合掌















――――地下室――――



どさり…



令子が掴んでいた横島をベッドへ放り投げる…

「な、なんすかここは〜〜!?」

どうやら横島は初めて来たらしい…

「…故渋鯖博士の研究室よ」

横島が辺りを見回すと古いコンピューター(らしきもの)やら試験管、ビーカー、薬品棚などが置いてあった…

何故か中には『鉄の処女』やら『磔台』やらも置いてある…

「…拷問っすか!?それともSM!?どっちもいややぁぁぁぁぁ〜〜!!」

突如として泣き喚く横島

「馬鹿ね…
 拷問するのになんでベッドなんか用意するのよ」

そう言えば横島が座っているベッドは新しいもので、結構大きいサイズであった…

「この間、拙者とタマモで運び入れたんでござるよ〜」

「重くてきつかったけどね…」

誇らしげに2人が言う

「…へ?じゃあなんすか?」

横島の質問に3人がにやりと妖しげな笑みをする…



「…ねぇ横島くん…?
 おキヌちゃんの身体は綺麗だったんだって?」

「…おキヌ殿の身体を見たんで有れば…」

「…私たちの身体も見れるわよねぇ…」

ずずい…と、ベッドに4つ足を付いて横島のほうへ近寄ってくる3人…

3人とも服に手をかけている…



「で、でも…お、おキヌちゃんが…」

どうやら横島はおキヌに見つかったときの心配をしている様子…しかし…



「あぁ、おキヌちゃんも了解してるから大丈夫」



「……えぇ!?」

「あんたを独占されるのは癪に障ったからね…」

「拙者たちもそうでござる」

「だからおキヌちゃんと話し合って平等にしようって決めたのよ…」

「…びょ、平等…って…」

「あんたの夢のハーレムなんだから小さな事は気にしないの…」

「そうでござるよ…」

「その代わり…私たち以外の女に手を出したら殺すけどね…」



にじりにじりと3人が横島を追い詰めて行く…



その後、横島がどうなったのかは本人たちしか知らない…



ただ…

次の日の横島が死んだように眠り続け、それを4人の女性が看病していたことだけはここに記しておく…






(了)

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