ザ・グレート・展開予測ショー

令子とおキヌの○○…(おキヌver)


投稿者名:烏羽
投稿日時:(06/ 8/17)







ジーワジーワジーワ…



「…暑いね…」

私の隣りで両手に厄珍さんのお店の袋を下げている横島さんが呟いた

「…暑いですね…
 でももう少しで事務所ですから…事務所に着いたらカキ氷作りましょうよ♪」

「カキ氷か〜いいねぇ〜」

途端に元気になって急ぎ足になる横島さん

「そう言えば今日は今年一番の真夏日だそうですよ」



『え〜…で、あるからして今日は今年最悪の真夏日となるでしょう!』



と、今朝のニュースで表現が過激で有名な天気予報士さんが言っているのを思い出す

「あ〜それを聞くと益々暑くなったような気が…」

「でも遅くなると美神さんが五月蝿いですよ?」

「…あの人もなぁ…
 『私が?嫌よ、こんなあっつい日に外歩くのなんて』
 だもんなぁ…自分で厄珍に注文しておいて…」

「あはははは…」

確かに今日の美神さんはぐったりしていた…

夏の暑さに弱いのかな…



ぶぉん…

「どうも〜
 品物届けて置きましたので〜〜」



いつもクリーニングを頼んでいるお店の奥さんが車で横を通り過ぎていった

「あ、ありがとうございます〜」

「…?今のは?」

「あぁ、横島さんは知らないんでしたっけ…
 最近出来た宅配もしてくれるクリーニング屋さんですよ
 美神さんの服とか洗うの難しいのが多くて…」

「へぇ〜…
 はっ…クリーニングを受け取ったと言うことはそれを着ている可能性が…!!
 ってことは今戻れば着替え中の美神さんが…!!
 今行きますよ〜美神さは〜〜〜ん!!!」

「あっよ、横島さん!?」

突然横島さんが駆け出していってしまいました…

…ちょっと悔しいですね…






令子とおキヌの○○…(おキヌver)






「ぜはぁぜはぁぜはぁ…」

「…大丈夫ですか…?」

「ひゅーひゅー…」

あまり事務所から遠くなかったのですぐに入り口まで来たんですが、横島さんは入り口のところでぐったりしてました…

「暑いんですから急激な運動は危険ですよ…」

「うん…身をもって…理解した…よ…」

ガチャリと私が先に事務所に入る

それに続いてよろよろと、それでも荷物を持ちながら立ち上がる横島さん



美神さんの居る部屋の前の廊下に出ると、奥から氷の入った麦茶が乗ったお盆が浮いた状態でこちらにやって来た

「あれ?人工幽霊一号?」

『あ、おキヌさんと…横島さん…大丈夫ですか?』

私の後ろから来る横島さんへ声とかける人工幽霊一号

「あ、あぁ…」

「無茶するからですよ…そう言えば人工幽霊一号、美神さんは中に居るの?」

『えぇ、さっきクリーニングを受け取っておキヌさんの制服を…あっ…』

「…え?」

「…へ?」

少し…嫌な予感がしました…

なので横島さんが反応する前に私は薄くドアを開きました…






「ん〜…まだまだいけるわね…」






予想通り…と、言うか考えうる最悪のパターンとでも言いましょうか…

部屋の中では美神さんが私の制服を着ていました…



「お(むがっ…)」

横島さんが私の横で覗いて叫びそうになったので口を塞ぎました

「しぃっ…ちょっと静かにしててください…」

「(こくこく)」

少し涙目で頷く横島さん…

ちょっと可愛い…っと、部屋の中を見ないと…






「にしても…
 腰周りがぴちぴちね…おキヌちゃんは細いわねぇ…羨ましい…」






そう呟く美神さん…しかもちょっと悔しそうに…

それはそうですよ〜、ちゃんと調整してるんですから♪






「でも…まぁ…胸がきついのは仕方ないか」






ブチッ…






…なんでしょう、何処かで何かが切れた音がしましたね…

気のせいでしょうか?

あれ?どうしたんですか横島さん顔が赤いですよ?

あ…ごめんなさい、つい力が入って頭を胸元に抱きしめちゃいましたね…

そう思いながら私は横島さんを解放しました…

…と、言うことは横島さんが顔が赤くなる…つまり『よくじょー』するくらいの大きさはあるってことですよね!

そうですよね!

いくら『美神さんの胸』より『私の胸』が『小さい』と言っても大丈夫ですよね!?

そんなことを言う美神さんは…お仕置き…ですね…

あ、美神さんがこっちを見てる…

どうやら見られていたのに気付いたみたいですね…

じゃあドアを開けましょうか…ねぇ…横島さん?



キィィィィィ……



軋んだ音をさせてドアが開いていきます…

ドアが完全に開くと…そこには…鏡の前で目を真ん丸くさせて立っている美神さんがいました…



さて…どうしましょうか…

お仕置き…と言っても美神さんが損をするだけではつまらないですね…

私に得がある内容じゃないと…

そうですね…お休みを貰うと言うのはどうでしょう

でもそれだけだと…

そうだ!横島さんも一緒にお休みを貰って一緒に海に行くと言うのがいいですね!

それに旅費とか全部美神さんが出すと言うことで…

いい考えです!そうしましょう!!

…と、言うことで…



「……横島さん?」

「は、はひっ!?」

どうしたんですか横島さん?そんなに慌てて…

あ、横島さんがお仕置きされると思ってるんですね

そんなことしませんよ♪

「美神さんが明日私と横島さんにお休みくれるんですって、一緒に海に行きませんか?」

「…へ?」

私の言葉にぽけっ…とした言葉を出す横島さん

そうですよね、突然そんなこと言われたらビックリしますよね

「ちょっ…おキヌちゃん…?」

美神さんが何か言ってますが無視です…お仕置きですから♪

「それに旅費から何から出してくれるそうですよ
 せっかくだからあとで水着買いに行きましょうよ?」

「あ、あぁ…そ、そうだね…」

良かった、判ってくれたんですね♪

「お、おキヌちゃん…?」

「じゃあ私は美神さんとちょっとお話しが有りますから、1時間後に駅前のスター○ックスに待ち合わせましょう」

美神さんが何か言ってますがそれを切って私は言いました

「う、うん…じゃ、俺は先に行ってどっかで時間潰してるよ…」

そう言って事務所を出て行く横島さん

良かったです、横島さんにはお仕置きを見て欲しく無かったですから

さてと…



「ちょっ…横島く」

「美神さん…?ゆっくりとお話ししましょうか…その格好について…」

そう言いながら私は美神さんに近づいて行きます…

「お、おキヌちゃん…落ち着いて…ちょ…まっ…」

うふふ…何をそんなに慌ててるんですか美神さん…

逃げなくても取って喰おうって言うんじゃないですから…



がしぃっ…



捕まえましたよ美神さん♪

あ、そうだ

「ねぇ人工幽霊一号?」

『は、はい!?』

「台所の戸棚に『シメサバ丸』が入ってるから取って来てくれる?」

『…はい…』

「それと…それを置いたら眠っててくれない…?
 嫌なら『ネクロマンサーの笛』で…」

『…記録は取らずにシロさんとタマモさんの部屋に隠れています』

「ありがとう♪」

「お、おキヌちゃん…?
 『シメサバ丸』を取ってこさせて何を…」

「え?
 いえ、以前に学校の教科書で中世時代に『相手の良い部分を食せば食した者の部分が良くなる』って言うのを見まして…」

「………いやぁぁぁ!私が悪かったからそれだけは………!!」

「うふふ…私の胸も美神さんみたくなりますかね…?」
























―――次の日―――



「横島さ〜ん!カキ氷買ってきましたよ〜!!」

あれから私は横島さんと水着を買いに行って、今日は約束通り海に来ています

え?水着ですか?

ホルタービキニタイプのパレオが付いた水着なんですよ〜

少しだけ胸を強調するタイプなのでこれで横島さんもめろめろですね!

…って横島さんと一緒に選んだんですけどね♪

それに色は横島さんが選んでくれたんですよ!



『おキヌちゃんには青色系が似合うよ』



って…きゃ〜きゃ〜♪

それと、私たちが来てる海は私と横島さんが初めて来た海なんですよ

と言ってもあの頃はまだ私は幽霊でしたけど…

え?『あの後』何をしたか…ですか?

う〜ん…



『乙女の秘密』



と、だけ言っておきますね♪



「ありがとうおキヌちゃん」

シートの上に寝転がっていた横島さんが起き上がって言います

今日はナンパはしないんですか?

と、先ほど聞いたら

『いや…今日は日が悪いからおとなしくおキヌちゃんと泳ぐよ…』

と、顔を引きつらせながら言ってました

調子が悪いんでしょうか?

でも、そのほうが私は嬉しいんですけどね♪

前に来たときは半魚人さんの奥さんをナンパしてましたし…

「…あれ?1つしかないけどおキヌちゃんの分は?」

1つしか買って来てないカキ氷を見て横島さんが言いました

「あ、それは私と横島さんの分ですよ」

「へ?」

「ほら、こうするんですよ」

そう言って私はストローを切って作ったスプーンでカキ氷をすくい、横島さんの口元へ持っていきました

「え…あ…」

おろおろと、突然挙動不審になる横島さん

照れてるんですね♪

「じゃ、一緒に食べましょう?」












(了)















―――数日後―――



「こんにちは〜」

『いらっしゃいませ美智恵さん、ひのめさん』

事務所入り口のドアを開けて人工幽霊一号が言った

「こんにちは人工幽霊一号、令子達は?」

『ちょっと皆さんお出かけ中です…もう少ししたら帰って来るはずですが』

「そう…じゃあ待たせて貰うわ」

『ではオーナーの部屋へどうぞ…
 紅茶と…ひのめさんにはオレンジジュースでいいですか?』

「ありがと、頼むわ」

『はい』



美智恵がやってきて数分後、またも事務所に来客があった…



ドンドン…



「こんにちわ〜クリーニングの『ザ・ハウンド』で〜す」

元気な店員の声がする…



『クリーニング屋さんですね…
 申し訳ないですが美智恵さん、代わりに受け取って頂いていいでしょうか?
 さすがに私が受け取ることは…』

「ん、わかったわ…ちょっとひのめ見ててね」

そう言うと美智恵は玄関ホールへ向かって行く

『すいません』






「またおねがいしま〜す」

2つに束ねた髪を揺らしながら店員が去って行く

「1つでも届けてくれるなんてサービスいいわね…私も使おうかしら…」

そう言いつつ美智恵はなんとなくクリーニング品を確かめてみる

「…六女の制服…おキヌちゃんのか…」

じぃっ…と制服を見つめて呟く美智恵…

「………ちょっとだけ…」

やはり親子なのだろう…娘と同じ結論に達してしまった美智恵…



しかし…









「『着てみようかな』って言うのは駄目ですよ?」

「ひぃっ!?」









(本当に終了)

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