ザ・グレート・展開予測ショー

夜のドッグス(絶チル)


投稿者名:がま口
投稿日時:(06/ 7/26)



「あー、疲れた・・・・」

皆本はそう言ってううんっ、と背伸びをした。
ここバベルの事務室でついさっきまで膨大な書類と格闘していたのだから当然のことだ。
もちろん、原因はいつもの三人娘である。

(うわ、もう8時過ぎじゃないか。)

皆本は書類の束、と言うか山を持って席を立つ。

(さっさと提出して帰ろう・・・)


皆本は書類などを提出する際シャワールームの横を通る。
この日もいつものよーに横を通ろうと―――

        シャァァァァァァ

(ん・・・誰か使ってるのか・・・)

皆本は水音だけでなく、次の瞬間驚愕の事実に気づいた!!

(・・・・えっ、な 中から聞こえてくるこの声は










明くんと初音くんじゃないか!?)



                                     ――――夜のドッグス――――




皆本は己の明晰な頭脳でこの事態を把握しようと努めてみた。だが、

(・・・・・えーっと、シャワールームは男女共用じゃないに決まってるよな。隣に女子用もあるし・・・・・・
ハッ、とゆーことは初音くんがおしかけ

ってナニを考えているんだーーー!!

・・・・イヤ待てよ、本当に明くんと初音くんなのか?
そういえば二人は幼なじみだったっけ。だったら何の問題も

あるわーーーーー!!!)

結果は散々だった。そして次にとる行動といえばもちろん、

            スススーッ

(なっ、かっ体が勝手にドアの方に!)

実際は自分の意思決定による行為だが、それを否定したいお年頃なのである。

           スススススーッ

(や、やめろぉー!僕はこんな趣味はなーいっ!!)

最後の抵抗むなしく、あっさり耳はドアにくっついてしまった。


室内の会話は皆本が聞いたままのライブ形式でお伝えする。



「初音、ちょっとマズくないか。」
「大丈夫よ。ちょっとだけなんだから。」

            シャァァァァ

「意外とおっきいわね。」
「そーか?こんなモンだろ。」
「それに、やわらかくて温かい。」
「そういえば触るの初めてだっけ・・・」

            シャァァァァ

「オイオイ、いつまでも撫で回してないでちゃんとキレイにしろよ。」
「だって・・・カワイイんだもん。」

            シャァァァァァ

「おまえ、毛深いな。」
「な、なによいきなり。」
「だって洗いずれーからさ。」
「だからって、そんな言い方は無いわよねぇ」

            シャァァァァ

「サッパリしたって感じね。」
「こいつぅ、気持ちよさそうな顔して。」
「えへへ」

          キュッ   ピチャン

「さーて、今夜あたりどうする?」
「んーと、じゃあ明の家。私も後で行くからさ。それで明日は私の家ー♪」
「ハイハイわかったわかった。」



ドアの外の皆本は、まっしろに燃え尽きていた。
脳内回路はとっくにオーバーヒートしている。

だが、皆本はすぐに上司として、いや一人の社会人としての自覚が蘇った!

ムラむ・・失敬。メラメラと燃えたぎる感情のままにドアにガッと手をかける!!

            ガララッ!!!

「き 君たちナニをシテいるんだ!!み、未成年でしょ!」
「あっ、皆本さん!」
「あー・・あのですね」
「どんな理由があろーがっ!!見逃すわけには」
「くぅーん」
「だから、くぅーんなんて言い訳が・・・・・・・・・

 えっ?」

         きゅぅーん    わふわふ

足元には一匹の子犬。おそらく雑種だろう。

「あー、実は今日の訓練の帰りにここの隣の路地裏で捨てられてるこいつをみつけたんすよ」

「ひどい飼い主よね!それで、さっき降った夕立でびしょぬれで震えてたから、」

「ここであっためるついでに洗ってたんすけど・・・・やっぱりマズいっすか?」

「今回だけは見逃してください。くぅ太郎は私と明の家で交代で世話するつもりですから」

「あっ、勝手に名前つけて・・・・・ってどっ!どうしたんですか、へたりこんで」

「皆本さん、なんで乾いた笑いなんですか?皆本さーん!?」

「くぅ太郎に書類かじられてますよー」


その後っ!皆本は一週間以上も耳栓を決してはずさないという奇行に走り当事者を困惑させたとさ。

                                  <終わります>

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