ザ・グレート・展開予測ショー

幸運?不幸?


投稿者名:寿
投稿日時:(06/ 5/30)

「横島君!!」

いつもの除霊中、一緒に前衛を勤めていた美神さんに声をかけられた。

「お願い!!」

そう言って美神さんは俺を自分の前に引っ張り出した。

「へ?」

俺たちは前衛→つまり目の前には敵→迫ってくる敵=俺は盾?

「うぎゃーーーーーーー!!」

案の定盾にされた俺は敵の攻撃をくらい後ろに吹っ飛ばされた。

まあいつものことだ。美神さんはその隙に霊にとどめをさした。

ただ確かに吹っ飛ばされるのはいつものことなのだが今日はいつもと違うことがあった。

俺は後ろに吹っ飛ばされたんだ。俺たちの後ろには当然シロ、タマモ、おキヌちゃんがいるわけで・・・

いつもなら避ける彼女たちだが笛を吹いていたおキヌちゃんの反応が遅れた。

「避ーけーてーーーー!!」

「ふえ?」

俺の叫び空しく俺はおキヌちゃんに突っ込んで行った。

衝突の瞬間少しでもおキヌちゃんを護るため俺は彼女を抱きしめた。

「「「おキヌちゃん(殿)!?」」」

美神さんたちの声が聞こえた。俺は自分の体が止まるとすぐにおキヌちゃんの状態を確認しようとしたが・・・

簡単に言おう。止まった。ああ止まったさ!!

なぜかって?HAHAHA!簡単なことさ。俺は頭からおキヌちゃんに突っ込んだ。

そのときおキヌちゃんを抱きしめてかばった。

そこまではいい。ただ俺とおキヌちゃんの唇がかさなってなければね。

つまり俺はかばうつもりでおキヌちゃんの頭を抱きしめて引き寄せてしまった。

結果は俺が無理やりおキヌちゃんとキスしているようになってしまったのさ。

HAHAHA、まいったね。

「・・・・はっ!ご、ごめんおキヌちゃん!!」

俺は一瞬の間の後に慌てて離れると即行であやまった。当然土下座だ。

ただおキヌちゃんの様子をうかがおうと頭を少し上げると・・・夜叉がいた。

「よ〜こ〜し〜ま〜。」

「あっ・・・。」

その後、どうなったかというと・・・なんとか息はしていた。とだけ言っておこう。



あの後気づいたら事務所にいた。

俺はおキヌちゃんにあやまりに行こうとしたら美神さんに止められた。

なんでもあの後すぐに部屋に引きこもってしまったらしい。

しばらくそっとしておく。と言う美神さんの言葉に俺はそれでも謝りに行こうとしたが・・・

たたき出されました。はい。

「二、三日くんな!!」

ご丁寧にそんな言葉までいただきました。

俺は仕方なく自分の部屋に帰ることにした。あの目をした美神さんはやばい。

逆らおうもんなら間違いなくやられる。確実に。

俺はどうやっておキヌちゃんに許してもらおうか?そんなことばかり考えていた。

俺にしては珍しく真面目に考え込んでいたせいかいつの間にか日は暮れ、部屋の前まで来ていた。

結局いい考えは思いつかず、少々あきれながら俺は明かりのついた自分の部屋を見た。

ん?明かりのついた?なんで俺の部屋に明かりがついてんだ?

まさか泥棒!?とも思ったが盗まれる物も無いのでその考えは捨てた。

大方俺が消し忘れたかまた雪乃丞が飯でもたかりに来たのだろう。

そう思い俺は戸を開けて中に入ろうとすると案の定部屋からは食いもんの匂いがした。

俺は雪乃丞に文句のひとつでも言ってやろうと勇んで戸を開けると・・・

扉の向こうは不思議の世界でした。

って違う!!ある意味あってるが違う!!

きちんと整理整頓された部屋。敷きっぱなしだった布団は押入れにしまわれ、散らばっていたお宝本やゴミは見当たらず台所からはうまそうな匂いがした。

そして何より信じられなかったのは居たのだ。台所に。おキヌちゃんが!!

「あっ、お帰りなさい忠夫さん。」

「へ?」

忠夫さん?なんでおキヌちゃんが俺の部屋に?と言うかどうやって入ったの?

「お・か・え・り・な・さ・い。」

「あっ、ああ。ただいま・・・」

俺は混乱した頭を整えながらなんとか返事を返した。

「あの、おキヌちゃん?ちょっと聞いていいかな?」

「はい。なんですか?」

「とりあえず、なんで俺の部屋に居るの?」

「ああっ、すみません。挨拶が遅れてしまいましたね。」

そう言っておキヌちゃんは俺の前で床に正座すると

「不束者ですが末永くよろしくお願いします。」

と言って三つ指ついて俺に頭を下げた。

「へっ?あっああ、こちらこそよろしくお願いします。」

俺はつられて頭を下げた。

「へへっ、それじゃご飯出来てますからお食事にしましょう。」

「そうだねっ・・・て、そうじゃなくていきなりどうしたの?」

俺はあわてておキヌちゃんに問いただした。

「どうしたのと言われても、なにかおかしかったですか?」

そういって首を傾げながら頬に指をあてて考えるポーズをとる。正直かわいい。

「・・・はっ!いや、おかしいも何もいきなりそんな嫁入りするみたいなこと言われても。」

一瞬おキヌちゃんに見惚れてしまったがなんとか疑問を口に出すことが出来た。

「いえ、みたいじゃなくて忠夫さんのお嫁さんになりにきたんですよ?」

いや、そんな何言ってるんですか?みたいに言われても・・・

「いや、だからどうしてそうなったの?」

「やだ、忠夫さんの意地悪!私にそんなこといわせるんですか?」

だから、そんなことってどんなことよ?

「しょうがないですね〜。忠夫さん今日私にキスしてくれたじゃないですか。」

「いや、あれは・・・」

「確かに事故だったかもしれません。でも!私は嬉しかった。そして気づいたんです!!やっぱり私の運命の人は忠夫さんだったんだと!!」

いつになく熱弁を振るうおキヌちゃん。

「今までもそうじゃないかとは思っていたんですが違ったらどうしようか?とかそんなことばかり考えていたんです。でもほら昔から言うじゃないですか?「命短し恋せよ乙女」って。だから私も自分に正直になろうと!!」

命短しってあなたは300年以上生きてる(?)でしょうが。

「そう、あの出来事は運命だったんです。私は神様に感謝しました。忠夫さんに出会えたことにそして結ばれる運命を授けてくれたことに!!」

おーい神様ー?ほんとにそんな運命だったのかー?

(私はしらないのねー。)

おまえにゃ聞いてねーよ。

(ひどいのねー。)

「気づいてしまった後はすぐでした。私は妻としての勤めをはたすべくすぐに忠夫さんの部屋に向かいました。幸い合鍵を持ってましたのでお部屋を掃除してお料理をして愛しい旦那様を待つことにしたのです。」

だからいつの間に合鍵作ったのよ?計画的犯行?

「そうそう、Hな本は全部処分しましたから。」

「なんだってーーーー!?」

「なにか?」

ぎろっ!!

「いえ、なんでもないです。」

怖ええ。お願いだからシメサバ丸は下ろしてください。

「・・・もしかして迷惑でしたか?」

ぐはっ!!そんな涙目で上目づかいで見つめるのは反則ですよ?

「いや、そんなことないけど・・・」

「無理しなくともいいですよ?わかってます。迷惑だって。」

「いや、ほんとそんなことないって!!俺も嬉しいから。」

「ほんとですか?」

「ほんとほんと!」

だからその訴えかけるような上目づかいはやめてー!!

「うれしーー!!」

おキヌちゃんに抱きつかれました。ああ、ええ匂いやなー。やわらかいなー。

正直このまま流されちゃおうかなー?なんて考えていました。

しゃーないやろ!おキヌちゃんかわいいし、誘惑に負けてもしゃーないいやろ。

でも・・・

どたどたどた・・・・ガチャ!

「横島君!!大変よ!おキヌちゃんが・・・」

美神さん登場〜。そんなこったろうと思ったよ!!

「よ〜こ〜し〜ま〜!!」

「あっ・・・。」

本日二回目〜。今回は川の向こうで死んだばあちゃんが手を振ってました。



その後気がつくと布団の中で寝てました。部屋を見回すと誰の姿もなく正直安心した。

(よかった。いや、惜しい事したかな?)

そんな不埒なことを考えながら体を起こすと・・・

「う〜ん。」

おキヌちゃんが寝てました。同じ布団で。

「あっ、おはようございます。忠夫さん。」

そんなまるで当たり前のように挨拶してくるおキヌちゃんに俺は・・・

「ははは・・・」

乾いた笑いしか出てきませんでした。

えっ?その後どうなったかって?

数年後におキヌちゃんの苗字が氷室から横島に変わった。とだけ言っておこう。

おキヌちゃん・・・

おふくろにチクルのは反則だって・・・・

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