戦友
投稿者名:すがたけ
投稿日時:(06/ 5/22)
お前と会うのも久しぶりだな。
こうして面と向かうのは6、7年ぶりってところか?
あの頃は、お前といればどんな奴も敵じゃない、と思っていた。
実際、どんな奴らも当たるを幸いに蹴散らして来れたっけな。
だけど、俺たちの経験した最初の『負け』を切っ掛けに、俺はお前と距離を置くようになっちまっていた。
まぁ、今にして思えば馬鹿なことをしてたと思うよ。
あんなガキみたいな意地でふてくされて、お前を忘れようとしてたなんてな。
お前のことは、忘れようにも忘れることなんて出来るはずないってのによ。
で、よ―― あの時に俺たちを負かせた最強のライバルだった奴が……今ではかけがえのない戦友になっている奴が、ちょっとヤバいことになっているんだ。
そいつにはでっかい借りがあってな。お前を連れて行って、その借りを少しでも返してやりたいんだ。
なぁ……勝手な言い草だけど―― 力を貸してくれるか?
物言わぬはずのお前の声が―― 聞こえたような気がした
「くそ――っ!!無責任なっ!!」
「無理もないですよ!男の子じゃないとミニ四駆なんて…」
そこにいるのは横島とピートと―― えーっと……タイガーだったか……どうやら美神のダンナはいないらしいが、代わりにおキヌがそこにいる。
そういやおキヌは生き返ったんだっけか―― なんにせよ、相変わらず賑やかな奴らだ。
その口調からも判る通り、案の定、困ったことになっているらしい。
やっぱり、お前を連れてきて良かったぜ。
「よお!話はきいたぜ!」
「雪之丞!!」
挨拶もそこそこに俺はお前というかつての戦友を、仲間達に―― かけがえのない今の戦友達に紹介する。
「こいつを使え!」
「あ…!」
「こ…これは…!!」
「’89年に限定生産された伝説のマシン…!「プテラノドンX」!!」
俺たちを負かした『浪速のペガサス』こと横島の野郎ならまだしも、最早伝説になっていると言ってもいいこいつのことを知ってるとは、ピートもタイガーもなかなかやるじゃねぇか。
どうだよ、これが今の俺の仲間だ……いい奴らばかりだろ?
―― あの時に届かなかった栄冠に匹敵する戦いに、こいつらと一緒に勝とうじゃねぇか……頼むぜ、相棒!
今までの
コメント:
- 作品前半では、横島達がヤバイ状況になっていると断定していますが、後半部分でそれが推測という形で表されていますので、多少ちぐはぐさが残ります。
でも、いいですね、こういうのはw 自分にも、物言わぬ相棒がいた時期を思い出します(笑
賛成票を。 (高寺)
- うんうん、マシンも相棒ですねー。どこにしまい込んだっけな、ア○ンテ…
しかし連載当時も思ったけど、雪之丞、どこで話を聞いたんだw (MAGIふぁ)
- 前半分の酔った様な独白に違和感が。
雪之丞って負けたからって不貞腐れるようなタイプじゃないよな。
むしろ更なる改造とセッティングを追及して再戦を誓うんじゃないかと。
負けてミニ四駆から離れてたってのは違うと思う。
まあこのエピソードは原作からして違和感ありますけどね。
海外帰りのタイガーも、
既に大人で日本にいたかも怪しいピートも、
ミニ四駆なんか知ってるとも思えませんし。 (エッジ)
- お茶を飲みつつ。テレビ番組でも見ながら。
いえね、前半のついてけないとすら思える陶酔っぷりも原作のエピソードっぽく。
えいやっと賛成票。 (ししぃ)
- 少々自分に酔うくらいがマシンに夢をかけた漢のセリフっぽくて好きです(笑)
相棒と共に無茶なコースを駆け巡り、時には身を挺してマシンを守る。
実にらしい子供時代の絵が想像できますねゆっきーw
面白かったですよー (ちくわぶ)
- こういうバックストーリーを色々考えるのって楽しいですよね。
雪之丞の登場シーンが一層映えます。
まだまだ子供心を持ってる横島たちの友情っていいですね。 (S)
- 一体誰のことを言っているのだろうと思いましたが…なるほど。
さすがにナルシストの気がある彼が相棒に語りかけると映えますな(笑)
相棒は袂をわかったように思っても、心のどこかでつながってるんですね。
いやぁこれも青春ですね (天馬)
- コメント返しの時間が取れません_| ̄|○
時間が取れない、というよりむしろ時間を浪費している自分に嘆きつつ、コメント返しです。
>高寺様
こちらでははじめまして!コメントありがとうございます!
>多少ちぐはぐさが残ります。
言われてみれば……確かに仰る通りです。うーん、まだまだ努力不足です。
>物言わぬ相棒がいた時期を思い出します(笑
物言わぬ相棒……そんな思い出を掘り起こすお手伝いが出来たようで、幸いです。
>MAGIふぁ様
コメント、本当にありがとうございます!
>うんうん、マシンも相棒ですねー。どこにしまい込んだっけな、ア○ンテ…
しまっちゃいましたか(笑)。生憎、ウチの教育方針の都合上、そんな相棒に恵まれませんでしたが、サッカーボールを相棒にしていた時期を思い出しながらこの即興作品を書いておりました(笑)。たまにはかつての相棒にも思いを馳せてやりましょうね(笑)。
>エッジ様
はじめまして!コメントありがとうございます!
>雪之丞って負けたからって不貞腐れるようなタイプじゃないよな。
>むしろ更なる改造とセッティングを追及して再戦を誓うんじゃないかと。
>負けてミニ四駆から離れてたってのは違うと思う。
確かにそうとも思いました。後付けですが、『横島の方が足を洗い(銀ちゃんとの別れがその引き鉄になったかも)、ライバルを失ったことで雪之丞もまた急速に情熱を失った』のではなかろうか、と推察します。
何はともあれ、違和感を感じさせて申し訳ありませんでした! (すがたけ)
- コメント返しの続きです
>ししぃ様
コメント、誠にありがとうございます!
>お茶を飲みつつ。テレビ番組でも見ながら。
『へー、クサナギのファンなんだ(お約束)』―― 失礼しました(笑)!
>前半のついてけないとすら思える陶酔っぷりも原作のエピソードっぽく。
まぁ、雪之丞には大なり小なりそう言ったところがありますからね。自分なりに消化して見たのですが、原作っぽく感じていただいて嬉しく思います。
>ちくわぶ様
コメント、毎度ありがとうございます!
>相棒と共に無茶なコースを駆け巡り、時には身を挺してマシンを守る。
>実にらしい子供時代の絵が想像できますねゆっきーw
やはり、タマヤカップ当時にも『飛べ!プテラノドン!!』とか言ってたんでしょうね……勝っても負けても結局は大泣きしたりして(笑)。
恐らく、ちくわぶさんの想像通りの子供時代を送っていたであろうユッキーに乾杯(笑)。
>S様
連続でのコメント、ありがとうございます!
>こういうバックストーリーを色々考えるのって楽しいですよね。
>雪之丞の登場シーンが一層映えます。
当然ながら、殆んど何も考えずにノリノリで描写させていただきました。趣味と妄想を織り込んだこの短編を楽しんでいただけまして、幸いです。
>天馬様
コメント、心の底からありがとうございます!
>一体誰のことを言っているのだろうと思いましたが…なるほど。
よっしゃ、出し抜けた(笑)!
>相棒は袂をわかったように思っても、心のどこかでつながってるんですね。
>いやぁこれも青春ですね
青春の真っ只中にいる若者にそう言われるとは……おっちゃん、いい気になっちゃうぜ(笑) (すがたけ)
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