ザ・グレート・展開予測ショー

いきぬき（絶チル）

投稿者名：MAGIふぁ
投稿日時：(06/ 5/15)

「………ふぅ」


　絶対可憐チルドレンという物語において、黒幕で大ボスという立場にある兵部は、疲れていた。

　各組織の動きや世相を分析、部下のエスパーの予知も参考にして。すでに出来上がっている戦略に沿うように、計画を立ち上げて実行させる。

　そしてその動きに対するリアクションを探って、また新たな計画を立てて…

　当然そのための資金や人材や物資だって必要だし、人材に至っては訓練だってしなければいけない。かと言って、派手にやってはBABELにかぎつけられて面倒な事になる…

　自分の思い描く形を、エスパーのための世界を作るためとは言え、いささか面倒に思える時だってある。


「やれやれ……ようやくひと段落といったところか」


　外見に似合わず、実年齢には似合いの、年寄り臭い仕草で目とコメカミを揉みほぐし、体を伸ばす。


「んん〜〜〜ふあぁぁあぁぁ……っと。さて、少し時間が空いたし、どうするかな……久しぶりに温泉でも行こうか、それとも…」


　それから兵部は、急に子供のような笑みを浮かべて、呟いた。


「よし。ちょっとアレで遊びに行こうかな」



　そして何がどーなったかと言いますと……




「いっしょ〜〜のお願い！いい子にするからさあ（はぁと）…買って？」


　ベッドの上、座ったまま後ずさる皆本の胸に手をやって迫る薫。

　その格好は大き目のＴシャツに、下は下着のみ。普段ならそれでもノーマルな皆本には何でもないはずだったのだが…


　ヤ……ヤバイ！


　皆本は今までにないピンチに陥っていた。何がヤバイって、昼間、兵部に出会った時に何かされたらしく、いつぞやのように、彼女達が５年ほど育った姿に見えるのだ。

　しかも薫の姿を見て思わず悲鳴をあげてしまったために、残り２人もこの場に来てしまった。

　胸元から豊かに育った胸の谷間を見せ、育ったせいでＴシャツからはみ出した生足と、その付け根にあるショーツも丸見えな薫。紫穂も薫以上にも思えるほど育った体に、着ているのは若干透けて見えるネグリジェ。うっすらと見えるボディラインは中々に凶悪だ。


「ちょ、薫！　頼むから一旦離れてくれ！」


　皆本は薫を押しのけ、唯一普通のパジャマを着ていて、かつスレンダーな葵に視線を向け、どうにか自分を落ち着かせようとしたが…


「……うむ。これはこれで………………って違うだろ！僕！！」

　うがーー！！


「な、なんや…？」

「皆本さんもストレスが溜まってるから…」

「これが貞操の危機ってヤツか？」


　自分を見つめて謎なセリフを言った挙句に暴走する皆本に、さすがに引く葵と、葵だけに反応した事にプチギレして皆本を陥れる言動を始める薫、紫穂。

　しかし、彼を陥れようとしているのは彼女達だけではなかった。


「くくくくくく……まだまだこれからだよ皆本クン。彼女達がハダカになったり、エプロンを装備したリ、湯上りのバスタオル一枚の姿になったり、ネコミミを装備したり……そうそう、スク水とセーラー、ブレザーは欠かせないね。なんと言ったか……そう、萌え。近年、流行りの萌えってヤツを思う存分味わわせてやる！　でも手を出した所で幻覚はカット、天国は終わり、子供に手を出した犯罪者として地獄へまっさかさまさ！！　くくくくくく、どこまで耐えられるかな皆本クン！」


　遠隔視か、それとも透視なのか。離れた場所から皆本家の様子をのぞき見ながら、兵部は心底楽しそうに笑っていた。

　手に入れたばかりの、いぢめると実に面白いオモチャに夢中らしい。きっとこの先、壊れるまで遊び倒すつもりだろう。


「さーて、そろそろ一枚づつ脱がしていってみようか♪」


　しかし肉体的な苦痛は当面なさそうなので。

　まぁ、なんだ。

　頑張れ、皆本さん。
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