ある朝の・・・(GS+絶チル)
投稿者名:偽バルタン
投稿日時:(06/ 4/27)
ある朝の・・・(GS+絶チル)
「よ!今日も早いな?」
「あ、お早う御座います」
「最近良く会うなぁ…この公園、よく来るのか?」
「そうっすねー。サンポの時はいつもここ通るんすよ」
「そっか…ウチのもコレからなんだ…
お前ん所のコ…たしか最近『サンポの悦び』に目覚めたんだっけか?」
「はい…何か近頃どんどん『ペットのわんこ』化してんですよねぇアイツ…
面と向かって言ったら思いっきり噛まれましたが」
「…ご愁傷様…これから毎朝大変だなぁ…」
「いやぁ、アイツは一応俺のペースに合わせてくれますからね、距離だって常識の範囲で…
でもそっちは、毎日毎日自転車に乗せられたまんま、ケツが砕けるまで何十キロもあちこち引き摺りまわされてるそうじゃないですか?
しかも首都圏脱出とか、高速道路強制爆走とか、そーゆーのが当たり前なんでしょ?」
「ま〜な…実はな、昨日も何だかんだで結局隣の県まで連れてかれちまってさ…
『今日は近場で』ってあんだけ言っといたのに…どこが近場なんだよ?…ったくホントあのバカイヌは…」
「ははは…でも、ちゃんと付き合ってあげるんすね。ご苦労様です」
「ま、まぁな。そうしないと後々うるさいから…それに、ウチのはオレが散歩にちゃんと付き合ってやってりゃ後は…
でもお前の方はその上食事の世話までしてんだろ?しかも食費自腹とか聞いたぞ!?
あのコもウチのと同じで喰うんだろ〜?」
「えぇまぁ…ホント手のかかるヤツでして。
おかげで節約上手のやりくり上手に、料理の腕もかなり上達しましたよ。
はは…俺、なんかもーすっかり“主夫”って感じですねー」
「…そ、それ、とてもじゃないが15歳の台詞とは思えんな〜。
そっかぁ…若いのに大変やなぁ…」
「や、とっくに慣れたっすけどね…昔っからの事なんで。
それに今は職場―――あ、バベルってゆーんですけどね―――の方で色々良くしてくれますし…昔に比べりゃ色々と楽になりましたよ。
あ、それより…何か今年の狂犬病の予防注射、大変だったらしいっすね。
何でもコレまでに無い大捕り物だったとか?」
「あぁ…あのバカ、今年は遂に東北の方まで逃走範囲を広げやがってな。
事務所・知合い総動員で、丸2日かけて何とか捕まえたんだよ…青森で、しかも北海道行きのフェリーに密航して海渡る寸前の所をな!
で、その場で同行してもらった獣医さんにブス〜っと一発…この獣医さんにも、毎年世話になっててなぁ…」
「そ、それはまた壮絶ですね…毎年そんな感じなんすか?」
「まぁ、そーだな。毎年毎年スゴイもんさ。
なんつーかさー、あんにゃろー年々逃げ足に磨きがかかってきてさぁ…はぁ、注射如きで何やってんだか。
まぁ…でも一年に一度だけ、ウチの春の風物詩みたいなもんだからな、こりゃ。
お前に比べりゃ何てことないさ」
「へ?そーっすか?」
「そうだよ。
聞いたぜ?お前さ、あのコが暴走かます度、落ち着かせるために毎回毎回“ガプッ!”とされてやってんだってな。
すげぇじゃねぇか…痛いんだろ〜?」
「あぁ、そ、それは……恥ずかしながらそれしか手が無いんっすよ。
まぁ…でもコレも昔っからの事なんでねぇ…やっぱ慣れちゃってんですよね。
それに、近頃はだいぶマシになってんですよ?
何より今は、俺の苦労よぉっく理解…つーか分ち合ってくれる上司のヒトがいますし…」
「ははは…そりゃ羨ましい限りだ。
ウチの上司にも見習って欲しいモンだな」
「はは…まぁ『猛獣(ケダモノ)の世話係』っつートコでの共感はどうかって思うんっすけどねー」
「「あははははははははは、はは…は……
………
…はぁ〜〜〜〜〜〜ッ……」」
「…お互い大変だなぁ、オイ…」
「えぇ…苦労させられるっすね…」
「横島せんせー!何やってるでござるかー、はやくはやくー♪」
「あーもー解った、解ったから!そんなに急かすんじゃ無ぇよシロ!」
「明…遅い」
「あぁ…悪ぃ。今行くよ、初音」
「それじゃ、またなふたりとも」
「失礼するでござるよ♪」
「あ、どうも…」
「…バイバイ」
「さ、今日も張り切ってバリバリゆくでござるよー?せんせー♪」
「ねぇ…今日の朝ご飯なに?」
「明…頑張れよ?」
「…横島さんこそ、どーぞご無事で…」
…終わり
後書き
此方ではお久しぶりです。
お散歩の悦びwに目覚めた初音嬢…当然の如く付き合わされる明クンは、同様に朝早くからシロの散歩に付き合わされる横島クンと出会いました。何か共感するものを覚える二人…そんな『愛犬家』同士wによる、朝の散歩でのひとコマ…みたいな感じのお話です。
『初音嬢で何か書けないか』→『狼少女…シロ?』→『初音嬢もシロみたく散歩するんじゃなかろーか?』→『当然明クンも付き合わされて…』→『苦労人、愛犬家同士、横島クンと話しが合うかも』…みたいな流れで、このお話は完成しました。…無理があったでしょーか…
地の文が無く、会話のみによる進行…と言う形のお話にも挑戦してみましたが…横島クンと明クンらしく見えるでしょうか?
こんなのですが、ご感想、ツッコミ等頂けると幸いです。
今までの
コメント:
- 実際に犬を飼っている人は、散歩や世話で苦労した事があるはず。
そんな覚えが有る人には、共感できる作品です。 (イザーク)
- 彼女たちに振り回されなくなったら一番ショックを受けるのは自分たちのくせに〜
愚痴を言い合っているのに自慢しあっているようにしか見えないのがとっても羨ましくて悔しいから反対に入れてやろうかと思いつつでもやっぱり賛成です(笑)
この裏編として彼女たちの会話が浮かびます。
「だってやらないと逆に心配してくるんですもの」「先生〜、拙者いつまでも子供じゃないでござるよ〜」
みたいな感じで(笑) (S)
- 二人らしく見えました!滲み出る苦労性っぷりに涙を禁じえません(笑)
しっかし。馬鹿な子ほど可愛い・・・・・・・・・っと、凄く言葉は悪いんですけど、それがあてはまりそうな会話だなぁ、と。
いや、本当に、心の底からうんざりしてるなら横島くんの『ま、まぁな』はないような気がするんで。
>あぁ…あのバカ、今年は遂に東北の方まで逃走範囲を広げやがってな。
ここで吹きました(笑)
面白かったです〜! (veld)
- 飼い主(?)二人が出会ったならば、こういう展開になりそうですね。
あ〜、こいつら結局バカップルじゃねーか、と、まさしく
「犬も食わない」レベルの双方のろけ話とも取れますなw
だからといって、高速道路爆走や食い殺される痛みを体感なんて
したくもありませんがw (aki)
- レス有難う御座います。
イザーク様・・・
そうゆう苦労させられる所も、全てひっくるめて”可愛い”って思ってしまうものなんですよねー…親バカならぬ『飼主バカ』とでもゆうのでしょうかw
Sさま・・・
>一番ショックを受けるのは自分たちのくせに
それはありそうですね…振り回されなくなった途端、表面上は『解放された』って喜びながらも、何か物足りなさを感じてとかw
男どもの遣り取りが、惚気混じりのw愚痴り合いなのに対して、シロ&初音嬢のそれはモロに惚気あいの自慢話になりそうですw
veldさま・・・
>馬鹿な子ほど可愛い
それはあると思います。2人とも何だかんだと言いながらも、横島クンは結局シロのお散歩に付き合うし、明クンは何度食い殺されようともw初音嬢の傍に居続けてる訳ですから。
振り回されるのが当たり前の関係になっちゃってるんでしょうね。
akiさま・・・
横島クンも、明クンも、多分無意識のうちに『コイツには俺が付いてなきゃ…』みたいな感情を持ってるんだろうなぁと思います。
だからこそ、どれだけ酷い目wに合わされても、傍に居続けてるのだと…ならば、愚痴りあいの筈の遣り取りが、イヌも喰わない惚気あいになるのは、当然なのかも知れませんw (偽バルタン)
- 面白かった!
ハウンドの話が絶チル本編で出てきた時、シロと横島が背景キャラとしてコマの片隅にいる姿が期待出来ますね。
会話のみでもまったく違和感なかったです。 楽しいお話、ありがとうございました。 (アンクル・トリス)
- 初音とシロ・・・イメージが重なる所があれば、正反対に思える所もあって・・・
しかし、「明――横島」という呼応は盲点でした。横島と言えば薫のソウルブラザー・・・という呼応の話はおいといて(笑)
どちらの方が楽なのか、どちらの方が大変なのか。
でも、それぞれの愛犬家(?)にとってそれぞれの犬娘への愛着もあって、その気持ちも分かち合ってる感じがしました。
苦労ばかりではなく。いや、苦労がメインですが。
勿論、賛成です。最初、横島と・・・誰かな?と思いましたが、すぐに分かりました。二人の雰囲気も十分出ている様に思います。 (フル・サークル)
- うあ〜wやられたw
私もほとんど同じ話を考えていたんですが、先を越されてしまいました(笑)
でも、この二人って確かに気が合いそうですよね。
こう、色々犬(?)に対する苦労話で盛り上がるってゆー。
まあそれでも、こんな可愛いわんこ達なら苦になりませんか。
面白かったです(^^ (ちくわぶ)
- クロスする、二人の飼い主(笑)
しかし、愛情に溢れた疲れっぷりもまた素敵ですね。
女性に振り回される二人、実はまんざらでもない? (とおり)
- レス、有難う御座います。
アンクル・トリス様…
違和感の無い自然な遣り取りで、ちゃんと彼等二人らしく見えるか…会話のみのお話、思ってたよりも大変でした。らしいといっていただけ何よりです。
フル・サークル様…
初音嬢は、普段のおとなしい時と、欲望むき出しの暴走時と、そのギャップが激しいだけで、自らの本能(特に食欲とか)に忠実であるって点ではシロと同じなんじゃないかなーと思いましてw
ちくわぶ様…
横島クンと明クン、もー既に『苦労させられるのが当然』とゆー認識なのでしょうね…
だから、他からみれば大変そうでも本人等にはそれほどでは無いのかも…それはそれでどうなの?ってゆー気もしますがw
とおり様…
『振り回される幸せ』とゆーヤツでしょうか…
もしこの後、精神的にも成長したシロや初音嬢が男連中に遠慮とかする様にでもなったら、逆に騒ぐのでしょうねw (偽バルタン)
- GTYの末席を汚しております天馬です。コメントではお世話になりました。
忠夫と明の妙なシンパシーに笑いと涙を誘いました。
かたやあり得ない距離の散歩。かたや喰われる。の割には両方とも付き合いが良いと言うか。
まぁ、ある意味で惚気にしか聞こえないというか(笑)
初投稿お疲れ様でした。次回も期待しております(^^) (天馬)
- レス有難う御座います。
天馬様・・・
>妙なシンパシー
可愛いイヌ娘達に思っきり振り回される…そんな経験が出来るヒトなんて、他にはまずいないでしょうからねーw (偽バルタン)
- 飼い主”だけ”を噛む愛犬と併走して一日一時間ほど散歩な経験のある私としましては、
(何か符合……って、人化もできない芸のないヤツでしたが(違))
愛だの哀だの、とにかく色んなアイを一括りに、賛成します。
ウチのはバカ犬でしたが、相手に合わせて疾走−時に失踪−するヤツでした。
って、むしろ……ゼロ?
しかし、こう、超回復で何故か人化とか、ないのでせうか?(爆)
脱線しまくりですが、椎名先生が描かれておかしくないと思えた展開な上、
コメントとして書きたい事は既にされていましたもので。
何にせよ、大賛成です。 (Nar9912)
- レス有難うございます。
Nar9912様…
わんことするサンポは、する方も見る方も癒される気がします。
横島クンと明クンもきっと、肉体的には兎も角精神的には…w (偽バルタン)
- ものすっごい乗り遅れてしまいましたが(すみませんです)、おもしろかったです。
いわゆる原作の「展開予想」にはなってない気もしましたけど、
でも、絶チル単行本のオマケ漫画あたりで、椎名センセが描きそうな感じもすごくしました。
なにより、二人してため息ついてる絵が浮かんできますね(笑)。
会話文での構成もおもしろかったです。
途中までは誰だかわからず、だんだんと「もしかして?」となってきて、
わかった途端に笑ってしまいました。とても楽しかったです。 (サスケ)
- レス有難うございます。
サスケ様…
最初は男性陣どちらか視点のお話にしようと思ってたのですが、書いている内に、最初は『誰?』と思わせておいて読み進めてるうちに誰だか解る…そんな形のお話にしようと思いはじめまして…その結果こんな感じになりました。
楽しいと言っていただけて幸いです。 (偽バルタン)
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