ザ・グレート・展開予測ショー

怪しい二人


投稿者名:がま口
投稿日時:(06/ 4/ 7)


 「美神さん、今日も残業していいっスか。」

仕事終わり、しかももう少しで日付が変わりそうな時間の横島のありえない発言である。

「べ、別にいいけど・・・・この頃毎日残業してるじゃない。」
「え・・・あぁ・・・あははははは・・・・・」
「まぁ、仕事熱心なのはいいんだけどね。・・・・言っとくけど残業手当は出さないわよ。」
「わかってますよ。そんな事くらい。」

美神はややその発言にムッときたものの、その日はそのまま帰ることにした。





横島が残業したがっている真意を知らずに



                                     ――――怪しい二人――――



      ブロロオオオォォォ

 夜の首都高を美神のコブラが軽快に走る。

      キキイィィィッ!
 
 そしていきなり止まる。

「・・・・事務所に財布忘れてきた・・・・」

あちゃー、やっちゃった!なんて悠長に言ってられない事態である。事務所にはあの横島がいる。
まさに猫にかつぶし、ご自由にお取りください状態。

「・・・しゃーない、取りに行くか。」


 ―事務所―

 財布はデスクの上にあった。

「中身はっと・・・・手は付けられていないみたいね。」

ここで美神は、フトあることに気がついた。

「あら・・・・横島クン、どこで残業してるのかしら。」

確かに横島の姿が見当たらない。

(・・・もう帰っちゃったのかしら・・・)

そう結論づけると、さして気にも留めず帰ろうと思った



が、

「―――! んんん〜?」

美神が横島の気配を察知した!

しかもっ!!――おキヌの部屋の前で。

このとき美神は考えるよりコンマ一秒で感じた。


キッチンに行き、コップをひっつかむ。すばやくおキヌの部屋の隣に陣取る。
そして、

(おキヌちゃん・・・・ゴメン!!)

壁にコップを当て、耳を押し付けたのだった。


コップは部屋の中の会話をクリヤーに伝えてくれた。



「・・・おキヌちゃん・・・そろそろアレやってくんない?」

「はいはい、そんなにあせらないでください。いつも通り




 私が癒してあげます。・・・ふふっ。」


この時の美神の表情は・・・・・・そう、完全に固まっていた。


「うわっ、今日もカッチカチ!」
「そ、そうかな。」
「ふふふ、やりがいがありますねぇ。」

       
         ピーーーーーーーーーーンッ

今、美神の脳波が停止してしまった。


「あいたっ!」
「ご、ごめんなさい!・・・力加減まだよくわかんなくって・・・」
「あ、大丈夫だいじょーぶ。」
「・・・・・こう・・・ですか・・・」
「おおっ・・・・そこそこ・・・あ・・・・気持ちエエー」


抜け殻のようになった美神に容赦なく突き刺さる会話の数々。


「ふいぃー、いつも悪いね・・」
「そんなことないですよ。私はこんな事ぐらいしかできないから・・・・・これでお仕事に集中できるのなら・・・・・私、いくらでも頑張っちゃいます♪」



            プチーーーーーン

「・・・・ふふ・・・・ふふふ・・・・・ふふふふふふふふふふふふ(怒×∞)」

 ゆうらりと、むせ返るほどの殺気を放つ美神が立ち上がる。手の中でコップがバリンッと砕け散る。

「よおおぉぉぉこおおぉぉぉしいいぃぃぃまああぁぁぁ!!!」

地獄からの呼び声にふさわしい生を捨てた声・・・・死を撒き散らす足音・・・・

ああ・・・事務所の結界が強大な霊力に耐え切れずきしんできた。



 美神はおキヌの部屋のドアの前に立ち








             バァン!!


「!! あれ、美神さ」
「こおぉぉぉぉぉぉんの変態野郎ーーーーーーーっ!!!!!」
「ひっ!」



(すぷらったが終わるまでの約十五行を割愛させていただきます。くわばら、くわばら)



   ヨコシマハ息ヲシテイルノガ不思議ナクライダ。


「おキヌちゃん!!イヤなことははっきり断りなさいっ!!!せめて一言相談してくれれば・・・」

「え、あの・・」

「もう大丈夫!アイツは後でキッチリ制裁するから!」

「で、でもその・・」

「・・・・おキヌちゃん・・・ツライでしょうけどなにがあったか話して頂戴。おねえさん、怒らないから!」

「・・・・・・・・あのぉ、横島さんに最近よく頼まれてたんです。『こーゆー事ばれると恥ずかしいから』って今日もこっそりやっていました。
























 そのぉ、肩たたきを。」















                                     <終わります>

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