ザ・グレート・展開予測ショー

キミのためにできるコト


投稿者名:天馬
投稿日時:(06/ 3/ 7)

 今日も今日とて続く毎日。そんな日がいつまでも続くと思ってる私は、駄目ね。


「何度言ったらわかるんだこぉの! 馬鹿横島ぁぁあああ!!!!!」

「堪忍やぁああ!!仕方なかったんやぁぁ!!!!」


 ごめんね、こんな意地っ張りで。でも、貴方の事、好きなんだよ?












             キミのためにできるコト













 キミのためにできることってなにかな?
 色々と考えてみた。


「横島クン…あなた、お給料上げてほしい?」

「…………………」

「どうしたのよ?」

「……本物の美神さんはどこにやった?」


 とりあえず、ふざけた事をぬかす丁稚にはお仕置きが必要ね。


「…人工幽霊…汚しちゃってごめんなさいね」

『お気になさらず。オーナー』











 皆がいない時に料理でも作ってあげることかな?


「今日は皆いないし、ご馳走でもしてあげるわよ横島クン」

「給料から天引きされるってのは無しっすよ! じゃあちょっと豪華に高級カップめんでも…」

「私が作るって選択肢は無いのかしら?」

「材料費は天引きですか? いくらなんでも死ねますよ、俺」


 教育の為にヤモリの丸焼きと玉葱は必須ね。


「いややああぁぁ!!!玉葱とヤモリは嫌いなんやああぁぁ!!!!!」

「つべこと言わんと食わんかい!!!」











 世話を焼いてあげることかな?


「横島クン、右!!」

「自分がミスったのをこっちにまわすなああぁ!!」

「しょーがないでしょ、だからヘルプの声を出したんじゃない!」

「だからってなんぼなんでもこの状況は無茶じゃああぁぁ!!!」


 むぅ。せっかく油断しないように声をかけたのに。じゃあ…知らない!


「がんばれ男の子♪」

「ちくしょーーー!!! なににこやかに自分だけ安全地帯に行くかーーー!!」
















 気づいてるの? 次の月から、お給料本当にあげたのよ?


「人工幽霊。そこの血まみれになってるやつの給料計算、時給あげるから今度から変更ね。あと、いちおー死なないように見といて」


 わかってるの? 実はお料理、とっても気合入れたのよ?


「あんたねぇ…私だって家事をこなせることぐらい知ってるでしょ? ほら、そんなにがっつくないで、たんと味わって食べなさいよ」


 知らないでしょうね。あの後気絶したアンタにいっぱい謝ったの。


「ごめんね…私の尻拭いさせちゃって。でも、ありがとうね。だからご褒美に膝枕ぐらいしてあげるから。……ごめんね横島クン」
















 あなたのためにできること。いっぱい考えた。
 血だらけのあなたを見ながら。
 料理をおいしそうにかきこむあなたを見ながら。
 私のひざの上で、以外にさらさらした髪をなでながら。

 あなたをこんな目に合わせてるのは…私自身。
 無理やりつなぎとめてさせてるのも私自身。
 あなたの中で主になっているのもきっと私自身。




 あの時、魂からの悲しみを生み出したのも私自身。









 だから…










「横島クン、あんた、クビ」

「……………………え?」

「で、これが正式なGSに認める書類。必要なら人材のほうも紹介するわ」

「え!? ちょ…美神さん?!」

「おめでとう、横島クン。あなたは今日から正式にGS横島よ」

「まっ…美神さん! ちょっと待って!!」

「だからあなたは、無理してここにいる必要も無いから」


 私こう見えて、あなたのことよく考えてるよ?
 いっぱい見てるよ?

 あなたは大丈夫。一人でやっていける。
 いつでも泣き虫でスケベで精一杯で、そして、強くて優しいあなただから。
 私のわがままにつき合わせる必要なんか無いの。

















 なのに














 何でそんなに泣きそうなの? 













「俺じゃ駄目なんですか?」

「え?」

「俺じゃアンタの横に立てないんですか?」

「どういう意味?」


 なんで横島クンはこんなにつらそうなの?
 こんなに悲しそうなの?
 私はあなたを見てるのよ?
 私といても迷惑しかけられないから。
 だから私があなたを離そうとしたのよ?


「俺は誰でもない、アンタの横に立ちたいんだ!あんたの背中を守りたいんだ!!」

「馬鹿じゃないの!? アンタ、自業自得とは言え、私にどつきまわされなくてもいいのよ」


 あぁ、こんなに、いじっぱりな性格を恨めしくも、ありがたいと思ったことは無い。
 本当は一緒にいてほしいよ?
 私はあなたと幸せになりたいよ?
 だけどそれじゃああなたが不幸になるから。
 幸せじゃないから。
 なのに……






「…俺はアンタが好きなんだ!!」











 なんでこんなタイミングでこんなこと言ってくれるのかなぁ。





「だから……一緒にいさせてくれよ」






――――――俺はアンタのすべてが好きだから















 涙を出さないようにしなくちゃ。












「………本当に?」

「本当に」

「こんな女だよ?」

「知ってる」

「………どつきまわされるよ?」

「自業自得だし。……でもなるべく優しく……」









 心の中の氷が解けていく。
 彼の言葉はまるでぽかぽかの春の様。
 そして、私をきっとこれからも暖かくしてくれるもの。
 私も、あなたを暖かくできるかな?



「しょ…しょーがないわね!! 美神除霊事務所で、GS横島を雇ってあげるわ!! こき使ってあげるから!!」

「………ありがとうございます…………」

























 キミのためにできるコトを考えた。



























「さっそく待遇とか考えないとね」

「………ところで……俺のさっきの告白は…?」




 それはきっと
 キミが君らしく入れるようにすることをがんばること。
 わたしがわたしらしくいれるようにがんばること。





「聞きたい………?」






 今の関係をもっと深く、硬く。結べば良いのだということ。

 そんなことに、私はやっと気づいた。











「好きよ、横島クン」











 キミのためにできるコト。

 うぅん、私たちのためにできること。

 これからは一緒に、探そうね。



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