ザ・グレート・展開予測ショー

ジパング 天下を追う者 (その4)


投稿者名:黒咲影一
投稿日時:(06/ 1/20)

1589年2月頃、秀吉は、当初より計画していた刀狩りの計画を少し改訂し、実行。農民から武力を奪う。これが、武士と農民との身分差の現れとなる。本来の計画では、それを仏像にする予定であったが、それを変更し、[連合軍]の武器としようとしていた。3月には、武器は、完成し、4月には、配られるはずであった。
 しかし、4月、半蔵の細胞を得たことにより、変装術を会得していた“大械”により、騙され、武器は、“大械”の手にわたる。
 “大械”は、それを洗脳した僧兵たちに持たせるなどはせず、かつての戦艦の補修へとまわされた。

 そして、そのために、“大械”は、あの“天回”がホルマリン漬けに保存しておいた“天回”の肉体片を喰らい、その能力や情報を得る。
 “天回”は、“大械”のような能力者が出ることを予測していた。

 今まで、“大械”が得た細胞にも、情報はあった。それは、“大械”が半蔵の術を使えたことからもわかるだろう。
 “天回”の情報の中には、未来の世界の日本の状態、未来の世界の最強の戦艦の名、比叡山を治めるまでの“天回”の人生、かつての[連合軍]が戦った戦艦の名などの情報があった。
 それは、“天回”が比叡山を治めた時点での細胞であり、かつての[連合軍]が戦った戦艦の名などの情報などは、計画上にあったのだが、さすがに、その死の情報までは、存在してなかった。

 かつての[連合軍]が戦った戦艦の名は、「大和」。
 未来の世界の最強の戦艦の名と同じ名である。

 “大械”は、かつて沈んだ「大和」を引上げさせ、戦国最強の戦艦「ヤマト」を完成させた。
 「ヤマト」が完成しとのは、6月。

 そう、この時代の[連合軍]が攻め込んだ8月には、すでに、「ヤマト」は、完成していた。


私には、幼い頃より、未来を「観る」力に加え、過去を「観る」力がある。
それは、私の一族に共通した能力だ。
そして、私の力は、それに加え、本来、1つの世界しか「観れ」ないはずの世界を全て「観る」ことができた。
「時」を研究してきた曽祖父が言うには、「トキヨミの一族」が消えかかっているためだとか・・・
「時」は、1つの方向に決まって「流れて」いる。
それは、1つの力によってなされている。
その力の名は、「宇宙意志」。
だが、「トキヨミの一族」の予知などにより、全くの別世界を作った世界も多く存在する。



 1589年8月、比叡山にまで乗り込んでくる[連合軍]の[忍]に対して、ついに、「ヤマト」は、発信する。
 秀吉の指揮のもと、[連合軍]は、「ヤマト」と対決する。
 しかし、“大械”が、その侵入を阻止し、また、かつての「大和」が、誰によりどうやって破壊されたかわからなかったため、かつて以上の苦戦をしいられた。
 そして、“大械”の前に、猿飛や半蔵などの優れた[忍]ですら、それに敵うことはなかった。半蔵も猿飛も倒されはしましたが、殺されてはいません。殺す暇まではなく、湖に投げ落とされたとお考えください。
 そんな中、一人の男が、凧に乗り、空から、「ヤマト」へ侵入する。
「誰だ?貴様は?」
 洗脳された僧兵たちが、そう問う。
「流離いの用心棒、“桑畑三十郎”。」
 その男は、そう言い、次々に、僧兵たちを気絶させていった。
「確か、この辺だ・・・」
 その男は、圧力弁を抜き、「ヤマト」は破壊された。
 「ヤマト」は、また、沈み、“大械”たちは、小船で、逃げた。
「もし、空を飛べたなら、「ヤマト」は、最強だっただろう。」
 “大械”が、そう言っていた。
「そんなことより、自分の心配をしたら、どうなんだ?」
 “大械”にそう言ったのは、船を破壊した男だった。
「お前は・・・・」
「わからねぇのか!・・・・まあ、いい。ここで、終わりだ。」
 男は、そう言い、懐から、単発式の銃を取り出した。
「ふっ・・・・半蔵も猿飛も倒し、その細胞を得た俺に、たかが、[忍]一人などで何ができる?」
 “大械”は、そう言いながら、その男へロープを伸ばした。
「何言ってやがる?最強の[忍]は、俺だ。」
 男は、そう言い、くないで、そのロープを切り裂き、そのまま、それを“大械”へ向けた。
 “大械”は、素早い動きで、その男の背後に回ったが、その瞬間、その男は、小刀を後ろへ回し、“大械”を刺した。
「何故だ?」
「見えないとでも?・・・いい歳した半蔵どのなら、見えないかもしれないが、俺は、若いんでね。」
「くっ・・・・俺の負けのようだ。・・・・死ぬ前に、せめて、辞世の句でも、読ませてくれ。」
「はっ・・・・武士ってのは、どうしてこう・・・いいぜ。」
「・・・・時は今・・・・雨が下たる・・・・」
「うぐっ!!」
 その瞬間、男は、湖の中へと引きづり込まれた。
 “呪縛”が湖の中より現れ、ロープで、その男を引きづり込んだのであった。
 “呪縛”は、死んだ。
 “大械”も、自分でも勝てない相手に、“呪縛”が勝てないことは、わかっていた。
 辞世の句を読んだのは、“呪縛”を待ち、勝機を得るためだった。
 男は、浮き上がる。
 その瞬間が、勝負だった。
 “大械”は、男が浮き上がった瞬間、男に銃を向けた。
 だが・・・
 倒れたのは、“大械”であった。
 その“大械”の背中には、刀が、刺さっていた。
 それを刺したのは、“天海”であった。
「・・・貴様、何故?」
「辞世の句をおとりにするなど、貴方は、もはや、僧でも武士でもない。・・・これ以上、明智の名を落とすなら・・・」
「・・・・愚か者めが・・・・これからというところで・・・・もはや・・・・・これ・・・・・まで・・・・・」
 “大械”は、そう言い、湖へと落ちていった。
 その死体が、見つかることはなかった。

 [連合軍]本陣・・・
「・・・戦況は?」
「何を焦ってはりますん?」
 そこへやって来た知将、家康。
「これは、家康どの。・・別に、焦ってなど・・・」
「焦ってはりますやん!・・・・それより・・・・伊達政宗はんや真田幸村はんとか、この戦に呼んでんのに、なして、[五大老]のこの家康、呼んでくれはりませんの?」
「いや、お忙しいかと・・・それに、家康どのには、半蔵などを貸していただいているわけですし・・・・」
「・・・・で?戦況は、どうなん?」
「・・・今は、まだ・・・・」
「何か、手は考えてるん?」
「・・・・俺自身が・・・」
「何言うてんねん!・・・・そないことしても、どうにもならしまへんやろ!・・もし、秀吉どのがおらんなったら、この家康が、天下もらってもええんか?」
「くれてやる。・・・・俺は、あのとき、あの場所にいけなかった。」
「・・・・心配せんでも、秀吉どのの家族は、守るさかい・・・」
「・・・・・行ってくる。」
「・・・秀吉どの、どうか、無事・・・」
「おい!なんで、そこで、止まる?」
「いや・・・・」
「・・「いや・・・」何だ?・・・・・前言撤回だ!・・・・絶対、天下はやらん!必ず、生きて戻ってやる!」
「なんや!そないなこと言うんなら、僕も、前言撤回や!」
「何してんだ?あんたら・・・・」
 そう言ったのは、先程、“大械”と戦ったあの男であった。
「貴様は!石川五右衛門!」
「何や、兄ちゃん、生きとったんかい!」
「これでも、名の売れたどろぼうなんだぜ!」
「何しに来た?大阪城に忍び込む予告でもしに来たか?」
「ん?なんなら、今度、やってやるよ。それよりな・・・・そこにいる“天海”と俺とで、“大械”は死んだ。」
「ほんとうか?」
「あぁ。船も沈んだから、戦況は、良くなってるはずだ。・・・で・・・」
「どうした?褒美か?」
「いや、俺は、いいんだ。だから、こいつを助けてやってくれ!・・・こいつ、このままじゃ、追われるだろ?」
「よっしゃ!わかった!この家康が、預かろう!」
「いいのか?家康どの?」
「秀吉どの、何言うてんねん!おもろそうな人材やんか!」
 こうして、“天海”は、家康に引き取られ、後に、日光東照宮で、徳川家の頭脳として働くこととなる。

 さて、もうあの男、石川五右衛門の顛末についても、書いておこう。
 1594年、多くの別の世界で、確かに、そこで、五右衛門は、死んだ。
 釜茹でなどにならずに、打ち首などとなった世界もあったが、死んだ世界が多い。
 そういう世界が多い中、この世界では・・・

 この世界でも、1594年、天下の大泥棒石川五右衛門は、秀吉によって、捕らえられる。
 しかし・・・
「久しいな・・・」
「助けてもらっておいて、殺すとは、皮肉なものだが、[豊臣家]に害を成すとなるとな・・・・」
「好きにすればいいさ・・・人間大きく死にたい。」
「・・・・「泥棒をやめる。」と言え!・・そうすれば、逃がしてやる。」
「やだね。」
「・・・・お前を殺したくはないんだ!・・・・殿を知る者は、もう少なくなってきている。だから・・・・」
「殿って、あのバカ殿か?」
「あぁ。「あのバカ殿」だ・・・・」
「・・・・わかった。やめよう。・・・・俺が、泥棒をやったのも、あのバカ殿のように、バカをやりたかったからだ・・・・」
「公式には、死亡と発表させてもらうぞ。処刑の仕方は、何がいい?」
「・・・釜茹でかな?」
「そうしておこう。・・・これからどう生きる?」
「さあな。今、泥棒やめると決めたんだ。そこまで考えてはないよ。」
「機会があれば、また、会おう!」
「あぁ。またな。」

「宇宙意思」が、生かしても歴史に影響しないと判断しのか、それとも、「宇宙意思」からの礼だったのか、
五右衛門は、生き残った。

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