ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫の人生色々! −番外編2−


投稿者名:10番惑星
投稿日時:(05/12/21)

シュタタタタッ

シュシュシュッ

カキンチィーンカーン

此処は戦国時代に築かれたとある城

日本の国宝である。

その城の天守閣近くの屋根の上で激しく動き回る五つの影があった。

その五つの影は人にはあらざる動きでもって時には交錯し、時には離れ、時にはお互い間合いの中に立って剣を斬り結び剣戟の響きを奏でていた。

そしてよく見れば、四つの影が残り一つの影と戦っていることがわかるだろう。

五つの影のうち四人は黒色の忍者装束に身を固めていた。

残り一人は四人より長身だがシルエットから女である事がわかる。

彼女は忍者装束ではなく頭部にバンダナを巻きシャツにジーンズのズボン姿である。

何度紙一重で彼等の斬撃を避けてきたのだろうか。

彼女の服はぼろぼろに切られあちこち素肌が露わになっていた。

特にシャツの胸元が大きく裂けブラも切られ形のいい豊満な胸がこぼれ落ちそうになっているのがセクシーなのだが、本人はそんな事を気にしていられる状況ではなかった。




横島忠夫の人生色々! −番外編2−




「やるな!小娘、どこの手の者だ?伊賀か甲賀か?」
四人のリーダー格であろう背の低い中年の忍者がその女との鍔迫り合いの最中名を問う。

「俺は伊賀でも甲賀でもまして忍者でもねえよ!ゴーストスイーパーだ!」

「なに?ゴーストスイーパーだと?聞いたことの無い流派よの。だが、女のくせに強い!いい腕だ。我ら四人相手にほぼ互角とはな。」

「へ!褒めたって何もでねえぞ!おっさん。」

「おっさん達こそ何で此処に出てくるんだ?もう何百年も前に亡くなったんだろ?大人しく成仏しろよ。」

「残念ながら我々は簡単には成仏は出来んよ・・・」

「我が名は四貫目!名張の四貫目よ!小娘!おぬしの名は?」

「俺は横島忠夫だ!別に覚えなくてもいいぞ!すぐに成仏させてやるよ。」

「ふっ、かわいい顔して威勢がいいのう小娘!では成仏させてもらおうか?だがそう簡単に我らを成仏させられるとは思うなよ横島ー!」

ガキーン!

四貫目と横島の二人が間合いをとるために大きく離れる。

そしてすぐに四貫目が伏せる。四貫目の影にいたもう一人の幽霊忍者が横島めがけ手裏剣を放つ。

「く!」

キン、カン、パキン

その至近距離から放たれた手裏剣を横島は刀で打ち落とし、空中に飛び上がって避ける。

だが、横島の背後にいた幽霊忍者の投げた鎖分銅に足を絡み取られ、横島はそのまま屋根に叩きつけられる。

「ぐはあ!」

「小娘!覚悟ー!」

倒れ込んだ横島に斬りかかる四人目の幽霊忍者!

「くそお!」

襲いくる刃を左手に作ったサイキックソーサーで弾きながら斬りかかってきた幽霊忍者の隙の出来た脇腹を刀で斬る。

「うぐおおお・・・」

ぼしゅうう!

体が霧となり消えてゆく影丸と呼ばれた幽霊忍者。

[[[か、影丸ー!!!]]]

「危なかった・・・一瞬でもサイキックソーサーを作るのが間に合わなければやられていた。」
溜息をつく横島。


「まず、一人目!安らかに成仏してくれ・・・」
一人を倒しすぐ体勢を立て直す。

「横島、そ、その刀は?」
驚愕の顔で刀を凝視する四貫目

「ああ、これか?なんでも霊刀カムイ丸というそうだ。ある寺に祭ってあったのを今回のお前たちの除霊のために借りてきた。お前らみたいな怨念の強い霊を成仏させることが出来るとの事だ。」

「それにこいつのことは歴史には残ってないが、戦国時代に生まれた一代の名も無き天才忍者が愛用していた刀らしい。」
手に持つ刀を見る横島。

「そうか・・・あの夙のカムイの刀か・・・なるほどそれならば我らを成仏させることが出来るかもしれんな・・・」

「この刀の持ち主を知ってるのか?」

「ああ知ってるとも、よく知っているよ横島よ。ふふふっ面白い!これで我らも真剣に命のやりとりが出来るというものだ!」





「美神さん、美神さん、大丈夫ですか?」

「シロ!、シロ!、このバカ犬、目を覚ましなさいよ!」

必死に意識の戻らない美神とシロを介抱するおキヌとタマモ。

幽霊忍者と前衛で戦っていた美神とシロは彼等に翻弄され斬られて怪我をして気絶していた。

横島の〈治〉の文珠でなんとか切り傷をふさいだものの、二人とも霊力の多くを奪われ意識を失っていたのだ。

美神とシロがやられた最大の原因は、後方支援のおキヌのネクロマンサーの笛とタマモの狐火が彼等幽霊忍者に対してほとんど効果がなかった事だった。

彼等の人間離れした精神力のなせる技だったのかもしれない。

さらに剣技にも大きな差があった。

美神はともかく、人以上の敏捷性と運動能力を持つ人狼のシロでさえ彼等幽霊忍者の動きについていけなかったのだ。

横島のフォローが少しでも遅れていたら二人とも斬り殺されていただろう。



この大ピンチに横島がいち早く対応した。

「おキヌちゃん!タマモ!美神さんとシロを頼む!そして応援を呼んでくれ」

横島は全部の文珠をおキヌに託すと幽霊忍者を美神達から引き離すために飛び出していった。

「横島さん!駄目です!」

「やめて!死ぬ気なの!ヨコシマー!」



こうして孤立無援の横島の戦いが始まった。

一人で四人の手練れの幽霊忍者を相手にしなければならない絶望的な戦いが。


「サスケ!、ワタリ!ぬかるな!コヤツを女と見くびると痛い目にあうぞ!」

[[おう!]]


「!、一応俺の体は女なんだお手柔らかに頼むぜ!」
肩をすくめる横島。

「おぬしを女と見くびればやられるのは我らの方よ・・・、ゆくぞ横島!我らを見事成仏させて見せい!」

「おおおおーー!!」

四貫目の雄叫びと共に三方に散る幽霊忍者。

正面から四貫目が仕掛ける。

四貫目の斬撃を受ける横島の右からワタリが斧で打ちかかる。

横島は後方に飛ぶとトンボをきって斧を避ける。さらにワタリの後方に回り込むと胴に手を回し一瞬で後方に頭から落とす様に投げる。所謂バックドロップである。

「ぐぎゃ!」
そして動きの止まった一瞬の隙をついてワタリを斬る横島。

霧となり消えてゆくワタリ。

「二人目!」


「なに!?、飯綱落としか!!」
四貫目が叫んだ。


「このー!よくもワタリを!」
離れた位置にいたサスケが刀をかざし横島に駆け寄ってくる。

「来るか?」

そして横島もサスケに向かって駆けだしていた。

左右にフェイントをかけつつ刀の鞘を体の後ろに隠し抜刀の位置を相手に見定めさせぬように佐助に向かって駆ける横島。

そして次の瞬間交錯する横島とサスケ。

しばらくの静寂の後、横島のシャツが切れて豊かな胸が完全に露わになる。

そして倒れて霧になるサスケ。

勝負は横島の勝ちだった。

「これで三人目・・・」




「おお、今度は変移抜刀霞斬り・・・やはりまぐれではないか・・・」

空を見上げる四貫目。

「横島、おぬし信じられん程の強さじゃのう。かつて多くの忍びを見てきたわしだが、おぬしほどの力を持つ忍者はたった一人しか知らぬ。」

「その刀の力か?それともあの娘達を守るためか?」


四貫目の問いの答える横島

「ああ確かにこの刀の力もあるだろうな。この刀は俺に技の使い方を教えてくれる。」

「だがなにより俺はもう二度と大事なものを失いたくないんだ。そのためなら俺は・・・」



「そうか・・・わし等は護りきれなかった・・・その悔いがわし等を・・・ふふふ、未練よの・・・」
遠い目をする四貫目。

そして、あらためて横島を見る名張の四貫目。

しばしの間見つめ合う両雄だった。


「ふふふ、では勝負を決めるとするか横島よ。」

今度は殺気のこもった目で横島を睨みつける四貫目。

「言っておくが、わしには飯綱落としも霞斬りもきかぬぞ。」

「・・・だろうな・・・確かにあんたは他の奴とは別格って感じがするよ。」


一瞬の静寂が訪れる。まるで嵐の前のように。


二人は同時に相手に向かって走り出す。

そして二人が交錯する瞬間、横島の左手が光った。

ザシュッ!

斬り結ぶ両者、そして彼等の時間は止まった。


再び静寂が訪れた。



ブシュー!!

「くうう・・・」
肩から血を吹き出し肘をつく横島。

四貫目の方は動かない。

「礼を言うぞ横島・・・いい勝負だった。」
そのままも姿で崩れて霧となって消えてゆく四貫目。

「十文字霞くずし・・・この刀が教えてくれた最後の技だ・・・」
斬られた肩を押さえながら消えてゆく四貫目を見つめる横島。


「四人とも安らかに眠ってくれ。」
消えていった彼等の魂に手を合わせる横島だった。


永き眠りについていた彼等が何故いきなり怨霊となり暴れ出したのかは結局わからなかった。
彼等にも何故かわからなかったのかもしれない。


その後、霊刀カムイ丸は祭られていた寺に戻され封印が施された。

美神とシロはすぐに意識を取り戻し、文珠の治療とおキヌ達のヒーリングによって回復したことを伝えておこう。



三日後

ここは病院である。

「もう大丈夫です。退院させてください。美神さん。」

「駄目よ!あんた丸二日眠ってたのよ。体中傷だらけだし、もう少し安静にしてなくちゃ駄目よ。」

「そうですよ。横島さん。傷だけじゃなく出血だって酷かったんですから。ゆっくり養生しなきゃ。」

「もう大丈夫なんだけどなー」
美神とおキヌの剣幕に溜息をつく横島だった。

今は女の身であるからと女性看護士をナンパすることも出来ない。

いや、むしろ彼女らは横島にちょっかいをかけて遊んでいたりもする。

横島はちょっかいのかけがいのあるリアクションをするからだ。


「先生〜!りんごを剥いたでござるよ。あーんでござる。」

「ば、ばか!自分で食えるって!止めろシロ。」

「そうよ。こっちの油揚げの方がおいしくて食べやすいんだから。はい、あーん横島。」

[[[[油揚げかい!タ、タマモ・・・]]]]


「ま、いいかみんな無事だったんだし。」

いつもと変わらぬ喧噪にほっとする横島だった。

「あ、そろそろニュース特番やってる時間ね。シロ、テレビつけて。」

「わかったでござる!実はこの前の除霊の事でで先生が凄いことになってるでござるよ。」

「ニュース番組っすか?シロ凄いことになってるって?」

「まあ、見ていなさいって。」

「はあっ」

テレビのニュース特番で映っていたのは、あの四人の幽霊忍者と凄まじい大立ち回りを繰り広げている横島だった。

横島の服があちこち切られて素肌が大胆に露出している映像は誰が見てもセクシーなものだった。

「え、こ、これって、あの時の、どうして?」
狼狽する横島。

「あんたねえ、あの城が何だと思ってるの?あの幽霊忍者の騒ぎで高性能の防犯カメラがあちこちに付けられてたのよ。」

「それにしても、こんなに鮮明に写るもんなんすか?」
あまりの画像の鮮明さに驚く横島。

「そして今や横島さんはこの映像のおかげで下手なアイドル顔負けの人気者なんですよ。」

「そうでござる。事務所は全国から届いた先生宛のお見舞い品やプレゼントで山になってるでござるよ。」

「そんなことよりこの油揚げ美味しいわよ。横島あーん。」

「さあ、これから忙しくなるわよ横島くん、マスコミの取材や、テレビ出演や映画出演の申し込みも来てるわ。なによりうちのいい宣伝になるわね。」

「か、勘弁して下さ〜い。美神さん」




この後、しばらく横島は世間から身を隠したという。

まあ、俳優をやっている幼なじみの親友に拝み倒され、彼の主演する映画に友情出演する事になるのだが、この話は別の機会に。







終わり








後書きという名の言い訳[汗]


白土先生ごめんなさい!![土下座]

いいのかこんな稚拙な作品投稿して?と思いながらなお投稿するマゾの自分がおります。

全く面白くない話「そもそもこのGTYに合うのかどうかも怪しい。」ですが読んでいただければ嬉しいです。

前作と同じくTS嫌いの方はスルーの方向で宜しくお願いします。出来れば細かい設定も・・・

感想をいただければ幸いです。なんじゃこれはの罵倒も甘んじて受けますので宜しくお願いします。



それでは皆様よいお年を

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