ザ・グレート・展開予測ショー

―――――そして彼女は “もう一つのお別れ”


投稿者名:天馬
投稿日時:(05/12/16)

 神様なんかだいっ嫌いだ。
 どーしてなのよ
 どーして、なのよ……














    ―――――そして彼女は “もう一つのお別れ”













 ベッドの上でお気に入りのぬいぐるみを抱いて私は天井を見る。
 私は家に一人ぼっち。
 全てから逃げて、一人ぼっち。
 きっと今頃は駅に横っちと銀ちゃんが最後のお話をしてるところだろうな。
 本当は行きたいけど、今だけは行きたくない。

 ううん

 いけない。




 ―――――好きだ




 あの日屋上で彼から伝えられた言葉は、今も私の胸に響いている。
 彼の声が震えていたことに、私は気づいていた。
 彼の真剣さが、心に涙を流させていた。
 なんで。
 なんでこんなタイミングで言うの?
 どうしてこんなタイミングで銀ちゃん、いなくなるの?
 私、困るよ。
 私たち、どうすればいいのよ。




 ―――――ごめんね。ウチ横っちが好きなんや。



 親友は私が好きだった
 私はもう一人の親友が好き
 もう一人は…わからない。
 わからないけれど。
 おかげで私たちは離れ離れになった。
 












 ―――――ねぇ

 ―――――どうして私たちはこんなすれ違いしか出来ないの?

 ―――――ねぇ

 ―――――ずっと三人でいられるって思ってたんだよ?















 遠くで、電車の発車する音が聞こえたような気がした。
 銀ちゃんの顔。
 横っちの顔。
 私の顔。
 なぜかそんなものが浮かんでは消えた。





 浮かんでは消えるその顔は、笑顔しかなくて。
 いつでも三人でいた思い出がよみがえる。
 いつでもそう、三人だった。










 「銀ちゃんの馬鹿…」



 ウチのこと好きなの、少しくらい気づいてたわ!
 なんであのタイミングで言うねん!?
 せめて最後まで男を貫けや
 あんなに見た目いい男なんやから






 「横っちの馬鹿…」



 この鈍感馬鹿!
 お前に泣かされた女の一人になってもーたやんか!
 お前がもうちょっと鋭い男やったらな!
 もててることにも気づけこの馬鹿







 そんで…
 そんで…!!!








 「ウチの、馬鹿……」






















            ―――――本当に馬鹿















 神様が本当にいるのなら。
 なんて意地悪なんだと思った。



 ずっと親友と思ってた。
 だけど皆幸せだと思ってた。
 幸せになれると…思ってた。

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