ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫の人生色々! -番外編-


投稿者名:10番惑星
投稿日時:(05/12/12)

「ふん!もらった!」
俺は霊力の乗った神通棍を少女のがら空きになった左脇腹に打ち込む。
だが少女はすぐに左手の手の平に霊力を凝縮させると小さな霊気の盾を作り出し俺の必殺の神通棍の一撃を防ぐ。

「くっ」
俺はすぐに神通棍を引き戻すと少女の反撃に備える為に体勢を立て直す。

だが少女は俺の体勢が崩れても安易に追撃しようとせず、やはり神通棍を構え直し体勢を立て直す。

「くそ、なんて娘だ。戦い慣れている。それに接近戦でまともに俺と打ち合えるだと。信じられん!」

「こいつ、かわいい顔してとんでもない娘だ。」

俺は2メートルほどの間合いをとって神通棍を正眼に隙なく構える美少女を見て舌打ちした。

その俺の相手の少女、横島忠夫は半袖の白いTシャツ、黒のスパッツという出で立ちでその綺麗な体のラインがはっきり出る服装だった。

彼女の長身で〈172cm原作設定より〉鍛えられて贅肉の一切ない〈ただし胸は大きい、サイズは本人の希望により内緒〉引き締まった肉体は芸術といっても良かった。

そして、顔も細面で整った美しい顔をしている。髪は肩までのいわゆるライオンヘア、そしてバンダナを巻いている。
特に強い意志を感じる凛としたその目は引き込まれそうな程綺麗な漆黒の色をしていた。

俺も色々な美女と呼ばれる女を見てきたが、その美女たちの中でも間違いなく全てにおいてトップレベルといえる。

まさしく猫科の美獣、そんな言葉が俺の頭をよぎった。


− 横島くんの人生色々! 番外編 −


俺は北条明25歳、現役のGSだ。
俺は5年前にGS免許を取得している。その時ベスト4に入ったくらいだ。多少は腕に覚えはある。

そしてここは六道女学院の体育館だ。
そこにGS試験場と同じ規格の結界を張った試合場が作ってある。

今俺はGS協会と六道家当主からの依頼で此処にいる。
依頼の内容は、ある人物とGS試験と同じ条件で試合をしてくれとの事。
そう目の前にいるこの少女の事だ。

それにしても、この俺にどこからどう見ても十代の可憐な少女と試合をしろというのだ。依頼が来たとき正直GS協会と六道家当主の気が狂ったかと思ったぜ。

勿論、最初は断った。

すると、さらに美神美智恵、六道家当主、唐巣神父、GS業界のそうそうたるメンバーから直々に再依頼が来た。が、流石に女の子と戦う趣味はないと大恩ある彼らだが、やはり断ろうとしたところ、この少女の正体を聞いて驚いた。

少女の名は横島忠夫

現在業界で若手GSナンバー1との呼び声も高い横島忠夫だというのだ。

しかし、横島忠夫は間違いなく男だったはず、その辺をただすと1ヶ月半ほど前に彼は女性に性転換してしまったという。

「性転換ですか?どうしてまたそんなことに」
俺は理由を聞いた。

原因は現在調査中だが、今のところ手がかりなしだという。
そして彼がGS免許を失いかけていることも説明してもらった。

俺は流石に驚いたが

「面白い。本当にこの娘があの横島忠夫なら相手にとって不足はない。」
俺は横島忠夫と試合をする事を決心し、その依頼を受ける事にした。

「だが俺もやる以上は、たとえ女といえども全力で戦いますよ。」
彼らは笑顔で俺の言葉を聞いていた。

1週間前

「彼の名は北条明、年齢25歳、5年前にGS免許を取得、その時の成績はベスト4、以来第一線で活躍している腕利きのGSです。横島くんの実力を計るには適任だと思います。GS協会の方でも彼の事は承認済みです。」
美神美智恵は六道家当主、冥子の母親に横島の相手の詳しい素性を報告する。

「ふーん、まあ美智恵ちゃんの推薦なら安心して任せられるわねー。難しい人選をお願いしてしまってごめんなさいねー。」
六道夫人はのほほんと美智恵に礼を言うのだった。

「GS協会がー、性転換してしまった横島くんのー、GS免許の失効、あるいは免許停止を考えている以上ー、彼の実力がGSとして通用することを協会上層部に見せなくてはならないわー。」
「がんばってねー。横島くん。」

そう、2ヶ月前唐突に性転換してしまった横島は2週間前、GS協会に免許の失効を言い渡されてしまったのである。

その理由は仮にもGS免許所持者ともあろう者が、どんな理由があっても呪い、魔法の類によって肉体を変化させられるとは何事かと協会上層部で問題になったという事なのだ。

まあ、突っ込みどころ満載の理由ではあった。

つまりは
「何らかの明らかな霊障を受けたGSに免許を与えるのはGS協会の沽券に関わる!」
ということらしい。

それをGS協会から通告された美神令子が怒り狂って、核ミサイルをGS協会本部ビルに撃ち込もうとペンタゴンとロシア軍、さらには中国軍にまでまるで出前のごとく電話をしようとした。
その無謀な行為を横島たち美神除霊事務所の所員全員で押さえたのはまた別の話であるが。

大きな声では言えないが、彼女には横島がGS免許を失うと非常に困る訳があるらしい。

というわけで、美神美智恵と六道家当主、さらには唐巣神父まで巻き込んでGS協会に交渉した結果が現在の状況であるといえる。

ちなみにこの件で唐巣神父の髪の生え際がまたまた大きく後退したのは余談である。

「ホント、真面目な人は苦労するよなあ」
横島の唐巣神父が焦燥しきっているときの感想である。

その唐巣神父も試合場の側で試合を観戦していた。

以下は横島の応援に試合を見に来たシロとタマモの会話である。

「あーあっ、こんな事やってもまったく無駄でござるよ。先生の力量は男の時とほとんど変わってないでないでござるのに。」

「でも横島はGS免許なんかどうでもいいような事言ってたわよ。負ける気かもね。」

「いや、それはないでござる。確かに乗り気はせんが戦う以上勝つと言っていたでござるよ。それに手を抜いて負けたら美神殿に怒られるでござる。」

「まあ確かに、横島が本気出したら大抵のGSは秒殺されるのは間違いないけどね。」

そう言いながら、戦う横島を見ながらだんだん機嫌が悪くなっていくタマモ
「でもなんか頭にくるわね。」

「なにがでござる?タマモ」

「わかんないシロ、横島の胸、おっぱい!なによあれ、ちょっと動くたんびにぷるぷる盛大に揺れちゃってさ。某格闘ゲームの女性キャラじゃあるまいし。ブラくらいちゃんとつけろっての!」

「?、先生ちゃんとブラつけているでござるよタマモ・・・スポーツブラだけど」

「・・・・・・え?」

という馬鹿話をしている二人はおいといて

その二人の隣で横島の応援をしていたおキヌは今は何も言わず、自分の胸と横島の盛大に揺れている胸を見比べて次第に黒い影を背負っていった。

「うふ、うふふふ、横島さんずるいですよ。その胸、反則です・・・横島さん、本物の女の子たちの哀しく悔しい想いがどんなものかわかりますか?」

2ヶ月前女になったばかりのバッタもんの横島と違い、正真正銘の女の子であるおキヌちゃんにも色々思うところがあるようだ。

その彼女の胸の中には元霊刀しめさば丸のなれの果てが忍ばせてあった。

冗談抜きに今にもそれを取り出して研ぎ始めそうになっているおキヌちゃん。

と、黒くなってきたおキヌちゃんもおいといて

試合に戻ろう。

試合は中盤にさしかかりさらに熱を帯びていった。

北条が打ち込み、それを横島が間一髪かわす。

そういう場面が多く、見た目には北条が押しているように見えた。

だが、見る者が見ればわかる。

横島は北条の攻撃のすべてを余裕を持ってかわしているのだ。

逆に横島の方からはほとんど反撃していない。にもかかわらず北条の方は余裕がなくなっていくのがわかる。

「あの北条ってGS、オーソドックスなタイプだけど流石に戦い慣れてるわね。いい腕だわ。流石ママが選んだだけあるわね。」
「でも、横島くんも凄いわね。あの反射神経と体術、男の時と変わらないじゃない。それに横島くんはまだまだ本気になってないのよね。」
女性化したとはいえ横島のポテンシャルの高さを再認識させられる令子だった。

「見てご覧なさい令子。GS協会上層部の幹部連中目を丸くして横島くんを見てるわよ。」
美智恵がGS協会の席を見ながら令子に言う。

美智恵の言葉の通りGS協会席のGS協会幹部が驚きの顔で試合をしている横島を見ていた。
彼らとて伊達に協会幹部ではないはずだ。横島の力量がわかるのだろう。

「うーむ、横島忠夫、元男のくせにええスタイルにええ乳をしておるな。顔も童顔でかわいい。うーむ侮れん。」
何が侮れないのかわからんが

と親父な事を考えている不埒な協会幹部も何人かいたようだが、おおむね横島のGS免許を取り上げる必要はないと判断しているようだ。

いよいよ勝負は終盤にさしかかってきた。

「さて、そろそろ決めるか!」
それまで防戦一方だった横島が一気に攻勢に出た。

北条の神通棍の打ち込みを左手のサイキックソーサーで受け止めると、体勢が流れ隙の出来た北条の左肩に袈裟懸けに神通棍を打ち込む。

北条は間一髪その打ち込みをかわしたが、さらに横島が懐に飛び込んで北条の足を払う。
よけきれずたまらずもんどりうって倒れる北条。

此処で勝負はついた。

倒れた北条の眼前に神通棍を突き付ける横島。

「俺の勝ちですね?北条さん」
綺麗に澄んだソプラノの声で横島が北条に聞く。

しばらく黙って横島を見つめていた北条だが、ため息をつくと
「ああ、俺の負けだよ・・・横島くん」

負けを認め立ち上がる北条
「凄いな君は、女の身だからといって決して侮ってはいなかったんだが、完敗だよ」

「いえ、北条さん。俺こそいい勉強になりました。こんな若輩者の相手をしていただいてありがとうございました」

二人は笑顔で固く握手を交わした。

「ところで横島くん。ものは相談なんだが」

「なんですか?」

「よかったら俺のパートナーになってもらえんか、報酬は言い値で・・・ぐはぁ!!」
そこで北条の意識はとぎれた。

横島の手を取って彼女?をスカウトしようとした北条が突然神通棍、狐火、霊波刃、さらには謎の浮遊霊の団体に襲われたのだ。

その光景を目撃していた協会幹部達は二度と美神除霊事務所には逆らわないでおこうと肝に銘じたそうである。

作者は思うのだが、美神除霊事務所と実質的に互角に戦える公的機関はもはや税務署だけかもしれない。

余談だが、哀れな北条の意識が戻るまで三日かかったそうだ。

合掌

まあ、色々不幸な事故?もあったがこうして横島忠夫のGS免許は守られたのであった。

「ぐふふふっ・・・やったわ!横島くんのGS免許が取られなくてすんだわ。これで野望に一歩近づいた!」
会場の陰で右手を突き上げ勝利のポーズをとる美神令子。

ところで美神令子の野望とは?

それがなんであるか作者自身もまったく知らなかったりして。


終わり





読んでいただきましてありがとうございます。

あああ、みなさん石を投げないで。

すいません!無能でアホな作者はこんなバカなもんしか書けないのです。

以前投稿した横島くんの人生色々!の番外編です。ちょっと調子に乗って書いてみました。

TS物嫌いの方、出来ればスルーの方向でお願いします。

突っ込みどころ満載の稚拙な作品ですが、もしよろしければ感想なりお聞かせください。

では宜しくお願いします。

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