ザ・グレート・展開予測ショー

THE MOVIE「踊るゴーストスイーパー」(9−1)


投稿者名:3馬鹿鳥男
投稿日時:(00/ 6/24)

第9章 「夜這い」(1) 副題「お風呂にて」女性編

おキヌは長い髪を頭のところで束ねて、タオルで前を隠しながら風呂場の磨りガラス戸を開ける。
そこは外の景色が見えるように全体が磨りガラスで囲まれた大きな岩風呂だった。
「うわ〜大きなお風呂。まるで実家の露天風呂みたい。」
「えっ。おキヌさんの実家は露天風呂があるのですか?」
ほたるも長い髪を束ねて、おキヌに続いて風呂場に入る。
おキヌは微笑んでほたるに振り返った。
「ええ。私の実家は白骨温泉街近くの神社なんです。冬になると家の露天風呂にお猿さんも来るのですよ。」
「へーいいですね。本物の温泉ですか。」
ほたるは目を開く。おキヌはうなずき、いいでしょと笑う。
「でも、ここのお風呂も日本風で素敵ですね。」
「はい。私もこのお風呂、結構気にいっているんです。」ほたるは微笑む。
「建物は西洋風なのにここだけ日本風なのが、またいいと思いませんか?」
おキヌはくすりと笑い、ほんとうにそうねと風呂の縁に脚をそろえてしゃがんだ。
桶を取り、風呂のお湯を汲んで自分の肩にかける。お湯がうなじから背中の白い肌に流れ、身体に暖かい気持ちよさを伝える。
おキヌはふ〜と息を吐き、気持ちいいと呟いた。
ほたるは微笑みながらおキヌの側にしゃがみ桶でお湯を汲みながら、おキヌの肌がほんのり赤く火照るのを見る。
(綺麗な肌・・・スタイルもいいし、私ももう少し胸が大きくならないかしら・・・
それにしても・・・おキヌさん・・横島さんとはどんな関係なのかしら・・・恋人という関係には見えないけど・・・
でも、友達や同級生とも違うし・・・仕事仲間?・・・それにしては仲が良すぎるよね・・・。)
「・・・・・あの何か?」おキヌから訊かれて、ほたるははっとした。いつの間にか手を止めてじっとおキヌを見ていたらしい。
「あ・・・ううん。何でもないです。」ほたるは恥ずかしくなり顔が赤くなるのを感じる。
おキヌは首をかしげ、湯船にゆっくり浸かりながらどうしたの?とほたるをじっと見る。
ほたるも続いて湯船に身体を入れる。そしてあたりを少し見渡し、今二人っきりなのに気付いて、正直に訊くことにした。

「あの・・・胸のサイズいくつですか?」
おキヌは目を丸くする。意外な質問だったらしい。
ほたるは自分の胸に手をあてる。
「BかCくらいでよね・・・私はAなんですけど、おキヌさんみたいに大きくなれるかしら?」
おキヌは目を細め笑う。
「大丈夫ですよ。私もこの1年でだいぶ大きくなりましたから・・・ほたるさんもすぐですよ。」
ほたるは首をかしげる。
「どうして大きくなれたのです?・・・もしかして横島さんに手伝ってもらったとか?」
おキヌは大きな目をますます大きく開けて、「なっ」とほたるを凝視する。
「大きくするには男の子の協力が一番だと聞いたことがありましたから・・・」
「なっなっなっ何を言っているんです!そんなことされていません!」と真っ赤になって首をぶんぶん振り、自分の胸を両手で隠す。
ほたるは思わず笑ってしまう。
「冗談ですよ。冗談。」
おキヌはほたるを軽く睨み、たちの悪い冗談は嫌いですとふくれてそっぽを向く。
ほたるはふふふと笑い、湯船の中で両手を伸ばして身体をほぐす。
「でも・・・おキヌさんは横島さんのことが好きなんですよね?」
「知りません!」おキヌはそっぽを向いたまま答える。
ほたるはちらっとおキヌを見てから、自分の伸ばした手の甲をぼんやり眺めた。
しばらく二人とも沈黙していたが、ほたるがぽつりと呟いた。
「・・・・素敵ですよね。横島さんて・・・」
おキヌは目を開き、振り向いてほたるを見る。
ほたるはおキヌを横目で見たが、再び自分の手を見る。
「・・・なんだか横島さん。夢に出てくる男の人に似ているんですよね。・・・」
「・・・え?」おキヌはよく聞こえるようにほたるに近づいた。
「あのバンナダといい。話し方といい。・・・あと「ヨコシマ」って聴いたことがあるような気がします。」
「あの・・・何の事・・・。」
おキヌは首をかしげる。
ほたるはおキヌに視線を向け、真剣な表情をする。
「横島さん。私が記憶を無くす前に会ったことがあるのではないでしょうか・・・」
「そっそんなことは無いと思うけど・・・」おキヌは手をもじもじし、自信がなさそうに語尾の声が小さくなる。
「横島さん。今日の私の話に動揺していませんでしたか?」
「そっそれは・・・・多分別な事を思い出したからだと・・・」ますます小さくなる。
「どんなことです?」ほたるはずいっとおキヌに近づき、顔を覗き込んむ。おキヌは眉をひそめてうつむいた。
「・・・・私の口からははっきりと言えないです。・・・ごめんなさい。」
ほたるはしばらく黙っておキヌの顔を見ていたが、おキヌの耳に顔を近づかせ、「今夜、横島さんに訊きにいってもいいですよね。」と囁いた。
おキヌははっと顔を上げる。目の前にほたるがふふふと妖艶な笑顔をしていた。
「・・・駄目です。そんなことしたらほたるさんがあぶないですよ・・・・」
「大丈夫ですよ。・・・それに私。横島さんなら胸が大きくなる協力をしてもらってもかまわないし・・・」
おキヌは顔を青くする。
「駄目です。絶対駄目!」
「どうして駄目なんです?横島さんの事は好きじゃないんでしょ。」
おキヌは顔を真っ赤にし、「そっそれは・・・」ともじもじしたが、はっと気付き、
「そうじゃなくて、もっと自分を大事にしなさいといっているの!」と怒る。
ほたるはくすっと笑う。
「なら私がかまわないのならいいんですね?」
「だから〜・・・・」
おキヌは両手をほたるの肩に置き、説得しようと溜め息を吐いた。

その時、タイミングを見計らったようにフミが裸でお風呂のガラス戸を勢いよく開けた。
「私もごいっしょしてもいいかしら・・・・って、きゃー何二人で抱き合っているんですか。」
フミはお風呂の中の二人を見て、顔を真っ赤にして叫んだ。
「もしかして二人はそういう仲?きゃーいやー!私も仲間になちゃうのかしら!」
口に手を当てて、うれしそうに二人を凝視する。
ほたるとおキヌは目を見開いてフミを固まって見ていたが、顔を赤くしてぱっと離れる。
「なっ何を言うんですか!誤解です。」おキヌは慌てたようすで、手振り身振りをして誤解を解こうとする。
ほたるは顔を赤くはしたが、落ち着いた声でどうぞと言った。
フミはほたるの反応が面白くなかったのか、あっさりおキヌの方に手を振り冗談よと答え、大きな胸をゆさゆさ揺らして湯船に近づいた。
「あ〜あ。今日も疲れた・・・。こう胸が大きいと肩が凝るのよね・・・」フミは首をすくめ、溜め息を吐く。
ほたるとおキヌは「ははは」と笑う。
フミはお風呂の縁にしゃがみ「そうなるでしょ」と二人に笑った。
そうならない二人は引きつった笑顔になる。
フミはそんなほたるたちにかまわず、そうだと嬉しそうに手を叩き、「後でいいもの見せてあげる。楽しみにしてね。」とにっこり微笑んだ。
その後、3人で楽しく世間話しをしたが、おキヌはほたるの言動が気になっていた。
(もしかして・・・ほたるさん今夜ほんとうに横島さんの寝室に行く気かしら。・・・もしそうなら絶対阻止しなければ・・・)


「夜這い(2)」に続く。

はい。サービス章のはじまりです。
もう妄想が暴走しています。(笑)
次はちょっとフミさんに壊れてもらいます。
怒ったら駄目ですよ。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa