こんな羨望の形(絶対可憐チルドレン)
投稿者名:豪
投稿日時:(05/11/16)
自分だって、普通の子に生れたかった
昔は、そう考えてた時もあった
今は――――――――――
私は羨ましかった
薫ちゃんのことが、葵ちゃんのことが
ずっと、ずっと羨ましかった
運動の出来る、明るい薫ちゃん
勉強の出来る、賢い葵ちゃん
じゃぁ、私は何が出来る?
人の顔色を読むのが得意なだけの私
自分に秀でた所なんて何も無い、力だけが取り得の私
知識ばかりは多いけど、活用の術を知らなくて
一度危険が身に迫れば、思うように動けもしない
普段は考える事も無い、ふと胸を占める落ち込んだ気持ち
そんな時は、落ち込み気分を振り払うため
そっと胸に手を当てて、彼の笑顔を抱き締める
ウチは羨ましかった
薫のことが、紫穂のことが
ずっと、ずっと羨ましかった
怖いもの知らずで、あけすけな薫
要領が良くて、ちゃっかりした紫穂
距離を測るのが下手なウチは、立ち止まってばかりいる
一歩引いてしまう、大人の振りした子供の自分
甘えたくても、どうすればいいか解らない
時には我侭を言いたくて、結局何も言えなくて
何時でも我慢を続けてて、今日も誰かの尻拭い
いつも損してばかりやと、胸の奥では不満だらけ
時に溜息を吐きたくなるけれど、仕方ないなとウチは笑う
眼鏡がお揃いの彼みたいに、頼られるのも悪く無いから
あたしは羨ましかった
葵のことが、紫穂のことが
ずっと、ずっと羨ましかった
葵は、クールで知的な感じの美少女。そして何より、眼鏡っ娘。
紫穂は、ちょっと不思議系入った美少女。強調すべきは、発育の良さ
二人は可愛い。同性のあたしから見ても、とても可愛い
なら、あたしは?
オヤジな性格は自覚してる。今のところは直す気も無い
でも、普通の子供でいたいと思う事だって在るんだ
たまには、アイツに可愛いって言われたい
一度で良いから、言って欲しい
でも、そんなの似合わないって解ってるから
あたしは手に取った仮面を、付けないままに放り捨てる
自分に無いものを持つ二人が、何時だって羨ましかった
自分に無いものを持つ誰かが、何時だって羨ましかった
今だって、羨ましい事に変わりは無い
けれど、それは自分が嫌いだからじゃない
自分に生れてきた事を、もう後悔なんてしていない
だから、もし神様なんてモノが居るとしたら
だから、もし神様なんてヤツに出会えたら
その時は、思い切り伝えてやろう。
神様がびっくりするくらいの大声で
―――――――――――ありがと、ってさ
今までの
コメント:
- 薫と葵はともかく紫穂は言われるまでどう思ってるか考えがいきませんでした。あの子だって羨望の一つくらいあるはずですよね。
畏怖と恐怖を向けられる側だからこそこういうとこもあるとホッとします。 (九尾)
- 隣の芝生は青く見えるもの、隣の柿は甘く見えるもの。
でも、他人が自分にないものをもっているからこそ、人生は面白いわけで。
さしずめ私にとっては豪さんの流れるような語り口がそれにあたるのでしょうか。
いいものを読ませていただきました。
・・・私の持ち味ってなんだろう、と考えつつ。お疲れ様でした。 (かいる)
- 彼女らの思いは三者三様。
それぞれ互いに足りない物を羨望して。
でも、だからこそ相手を思いやって仲良くなれるのかとも思います。
超度7のエスパーとしてではなく、普通の仲間として彼女達が一緒にいることの真実を教えられたような気がしました。
ずっと3人は仲良くしていて欲しいものです。 (ちくわぶ)
- 隣の芝生は青いといいますけど、自分に無いものを持っている人はまぶしく映りますよね。
でも、だからこその人生、ですよねえ・・・。 (とおり)
- 拝読して、「ええ〜そうかなぁ?」と思ったり(^^)。
彼女たちもいろいろ苦労してるんで、それぞれ苦悩は抱えてるし他人を羨む
ことはあると思いますが、まだ本能で動いてる部分が占めてるとも感じるので、
他人を羨んでも、次の日には綺麗さっぱり忘れてるような気が(爆)。
三人三様の心情の描写、とても当てはまってると思いました。 (武者丸)
- 楽しませていただきました。
なるほどなあと思いました。
絶対手に入らないものだけど、だからこそそれが輝いて見えるというのはありますよね。
どのくらい辛いのかはその人自身にしかわかりませんよね。
しみじみと、色々反省したりしています。
(かきごおり)
- かわいいっていいなぁ〜・・・
三者三様の心理がとてもかわいらしい。
嫉妬?羨望?・・・いやいやあなたたちには未来がある、がんばって〜〜〜♪
とエールを送りつつ、頭撫でたくなる気分にさせてもらいました。
この3人を間近で見ている皆本が羨ましいです。。。ハイ (おやぢ)
- 3人が、其々に対して抱く羨望…本当に”らしい”ですね。
面白かったです。 (偽バルタン)
- >九尾様
あるいは、一番羨望の念が強いのは心を読める彼女なのかもしれません
羨ましいと、思う感情は誰もが持つものですからね(^^
>かいる様
羨望とは、形の違う憧憬とも言える訳で。
自分の良さほど気付き難いものなのかもしれません
>ちくわぶ様
足りない物を補い合えるからこその仲間ですね
時にすれ違うことがあっても、それは日常におけるスパイスと成るのでしょう
>とおり様
輝きが眩しすぎて、時には目が眩みそうになったり
けれど、その光こそ暗く見える未来を照らすのかもしれませんな
>武者丸様
えーと、どっちでせぅ?(^^;>『そうかなぁ』と『当て嵌まってる』
でも確かに、羨む気持ちが浮んでもすぐに忘れてしまうかも(笑
>かきごおり様
楽しさも辛さも、感じたその人自身だけのもの
忘れがちですが、その上で誰もが成長を続けていくんでしょうね
>おやぢ様
子供ならずとも羨望の念は誰もが抱くもの。とはいえ、子供の其れの方が可愛らしく<ォ
皆本が羨ましいと? でも、代わるのはきっと精神的にも肉体的にも大変ですよ(笑
>偽バルタン様
彼女等らしさの中で、一番難しかったの実は葵だったり(^^;
いや、ある意味で普通過ぎる彼女をどう書こうかと<ォ (豪)
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa