ザ・グレート・展開予測ショー

炬燵と給料と鳩


投稿者名:ダンプ
投稿日時:(05/11/11)




11月下旬。本格的に寒くなってくる季節、ここ都内某所に在る美神除霊事務所にある物が届いた。宅配便で届けられたそれは大人がすっぽりと収まるくらい大きなダンボールに入っており、受け取ったおキヌちゃん一人では持って歩くことは不可能に近い代物であった。


「どうしよう・・。このまま玄関に置きっぱなしにはできないし・・」


不幸にも現在事務所にはおキヌちゃんしか居なかった。美神さんは南米で開催されている精霊石のオークションに行っており、居候のシロタマコンビもそれに着いて行ってしまった。残る横島は学校での放課後補習に強制的に参加させられている。


「とりあえず横島さんが来るまでは置いとくしかないかな」


それから一時間程で横島が事務所にやってきた。


「ふぅ〜。何で補習なんか受けなきゃならないんだろうなぁ〜。ほんのちょっと!!!ほんの少しだけテストの点数が悪かっただけなのに!!!学生が授業と言う強制労働を終えて自由に青春を謳歌することのできる放課後を、なぜむさいおっさんの補習で終わらなければならないのか。そもそも放課後というのは・・・」


ブツブツ文句を言いながら事務所のドアを開けた。


「一緒に帰る甘酸っぱいイベントが、それは恋のメロディー ・・・って何だこれは?随分とでかいなぁ」
「あっ横島さん、さっき届いたんですよ。でも私一人じゃ運べなくって」
「手伝うよ。じゃ、おキヌちゃんはそこ持ってね。いくよ?せ〜〜の!!」


ふらつきながらもなんとか部屋に運んだ。


「しっかし重たい物だな。中に何入ってんだろ?」
「伝票には家具って書いてありますよ」
「家具?それじゃあ開けてみようか」
「でも、美神さんに届いたものですから美神さんに聞いてみないとダメですよ」
「へーきだって」


そう言うと横島はガムテープを剥がした。ダンボールの上の部分がぱかっと開き中の物が見えてきた。見た感じただの炬燵であった。


「炬燵?なんで事務所に炬燵が送られてきたんだ?」
「さぁ・・・なんででしょうね」
「しかも炬燵布団付だ。流石に事務所で炬燵使う訳にはいかないしなぁ」
「そうですね」
「でもおキヌちゃん」
「はい?」
「炬燵で暖まりたくない?」


美神に内緒で炬燵を使うことになった二人。とりあえず事務所で使う訳にはいかないのでおキヌの部屋まで運んだ。


「さて、早速組み立てるかな」
「ですね」


コタツの組み立て布団を被せ天板乗っければあっという間に炬燵の出来上がりである。電源を入れて心臓部であるでっかいランプ?が赤く灯る。二人は早速炬燵に入ることにした。


「ふぃ〜暖まるな〜やっぱ冬は炬燵だよなぁ〜」
「ホントですね〜」


半分蕩けながら話す二人。するとおキヌちゃんが「今、良い物を持ってきますね」と言うと炬燵から出て台所へ向かった。しばらくして部屋に戻ったおキヌちゃんの手にはザルにはいった蜜柑。


「炬燵といえば蜜柑ですよね。持ってきました♪」
「くぅ〜〜コタツに入りながら蜜柑を食う。これぞまさに冬ならではの贅沢!!!日本が誇るセレブな過ごし方!!!」
「セレブかなぁ・・・」


セレブな人が炬燵で蜜柑を食べるかどうかは置いといて至福な一時を味わう横島。


「しっかしなんで美神さんは事務所に炬燵を送ったんだろうなぁ」
「シロちゃんとタマモちゃんの為に買ったんじゃないですか?」
「まさか、あの人がシロタマに物を買うなんて」
「美神さんはああ見えても優しい人なんですよ」
「そうかなぁ・・ところで美神さんはまだ来ないの?」
「えっ!!!美神さんなら南米へ精霊石のオークションに行ってますよ?聞いてなかったんですか?」


その瞬間、横島は固まった。しかし僅かな希望を託しおキヌちゃんに聞いてみた。


「給料預かって・・・ない?」
「・・・・・・・・・・・・ないです」


















ダメだった。横島は壊れた。


















「優しい人は給料忘れて南米にオークションに行ったりしないんじゃあ!!!てかあの女また忘れて行きやがった!!!あと30円でどうやって過ごせというんや!!!もう水で腹を満たす生活は嫌やぁああああ!!!」
「よっ横島さん!!落ち着いて!!」
「もうこうなったら公園の鳩を捕まえて食べるしかない。人としてそれだけはやるまいと誓っていたが背に腹は変えられない・・・。鳩は淡白な味で美味しいって作者の親父が言ってたらしいしな・・・」
「横島さん!!!それだけはやめて〜!!!」
「大丈夫だよおキヌちゃん。鳩だって鳥なんだ。ニワトリを食べるのも鳩を食べるのも同じなんだ。鳩を食べちゃダメならダチョウはどうなんだ?ウズラの卵って食べるけどなんで鳥になったら食べないんだ?コウモリって鳥だっけ?あれ?哺乳類?・・・・・フフッ・・・フ」
「あうあう・・・戻ってきてください横島さはーーーん!!!」


















その頃、南米でのオークションで大量に精霊石を買い占めた美神達は買い物を楽しんでいた。


「美神殿ぉ〜まだ買うのでござるのかぁ〜拙者疲れたでござるよぉ〜」
「私もヘトヘト・・・ここにはあぶらげないし・・・・日本にかえりたいよぉ」


訂正、美神だけ買い物を楽しんでいた。


「あんた達、約束忘れた訳じゃないわよね。あんた達が欲しがっていた炬燵を買ってやるかわりに荷物持ちになるって」
「確かにそうでござるが、精霊石も買ったしそろそろ日本に帰るでござるよ!」
「もういっぱい買ったじゃない!」
「まだまだ買うものがあるのよ!!!黙って荷物持ってなさいよ!!!」
「「あぅ〜〜」」


がんばれ!!シロタマコンビ!!日本に帰れば炬燵がまってるぞ!!!


「そういえばなんか忘れてたっけ?う〜ん、まあ思い出せないなら大した事じゃないわね。ほらっシロにタマモ!!サクサク歩け!!!」


















その頃、日本では。


「フフッ・・・・フフフッ・・・・・・鳩」
「横島さはーーーーん!!!」








終われ









あとがき

初二次創作、初投稿。
誤字脱字のオンパレード。
幼稚な文章を読んで下さった皆様に感謝を捧げます。

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