ザ・グレート・展開予測ショー

横島忠夫の人生色々!−2−美神の野望(陰謀)


投稿者名:10番惑星
投稿日時:(05/10/30)

ドドーン!ドドドーン!!

港の資材置き場に大きな爆発音が響き渡る。

資材置き場のそこかしこから派手な火柱が吹き上がる。

その火柱の間を縫うように一人の白いスーツ姿の美形の青年が走り抜ける。
「くそー!頼むから間に合ってくれー!」

青年が走りながら叫ぶ!

そして広場に出て立ち止まる青年。
「横山さーんっっ」

青年の名を呼ぶ少女の声が聞こえる。

声のする方向に顔を向ける青年。そして一つの倉庫の入り口を見据えた。

「清流(しずる)さん!」

そこには10体ほどの巨大な悪霊に捕らわれた赤いワンピースを着た少女の姿があった。

悪霊が不気味な声で口々に叫ぶ。

「ぐああ、ぐああ、横山あぁ、よくも我々の邪魔をしてくれたなーっ」

「なぜ、奴らの味方をするー!!なぜ、おれたちの復讐を邪魔するーっっ」

「奴らこそ悪魔なんだぞー!!あんな奴らを殺してなぜ悪いー!」

彼らは横山たちが壊滅させた麻薬シンジケートに惨たらしく殺されたり、麻薬中毒にされ死んでいった人々の怨念の集合体だったのだ。

横山が叫ぶ!

「お前たちの気持ちはわかる!だが、その子には関係ないだろう。離してやってくれ!それに奴らは生者だ。法の裁きを受けさせるんだ!」

「ぐおおああ!うるさい!!せめてこの小娘を、シンジケートのボスの娘を八つ裂きにしなければ気が治まらん!!!」

悪霊は腕を巨大な鎌状にして捕らえられていた少女の頭上に振りかぶった。

「キャー!」悲鳴を上げ屈み込む清流。

「や、やめろーーーー!!」叫ぶ横山。

ヒュン!

だが次の瞬間、光の爪が伸びてきて吹き飛んだのは悪霊の鎌の方だった。 

「な、なんだと」ひるむ悪霊達。

「ワオオオーン!」

その隙を突いて疾風のように清流を捕らえている悪霊に飛び掛かる白い狼。

その狼の姿を見て横山は叫ぶ!

「あれはシロか!すると今のは!」

横山は光の爪が伸びてきた方向を見やる

「ひかりか!?」

横山の視線の先には白い聖衣(星矢に出てくるクロスじゃないです。念のため)を纏った美少女の姿があった。

「横山さん、助太刀します。」

少女はそう叫ぶと10メートル以上もの距離を一気にジャンプして空中三回転!その時彼女のきわどいスカートの奥の桃尻が瞬間見えたのは目の錯覚か?

彼女は悪霊の群れの中に飛び込むと両腕から発生した霊波刀を振りかざす。

横山に「ひかり」と呼ばれた美少女、その霊波二刀流で華麗に悪霊と戦う姿は正にソードダンサー、まるで舞を踊っているかのような美しさだ。

勿論、見えそうでなかなか見えない胸の谷間やフトモモの付け根、お尻などチラリズム全快、サービスも満点だ。

男性時の横島がこのシーンを見たら致死量の鼻血の海の中で痙攣しているだろう。

そして神通棍を持った横山と狼形態のシロもアクションシーンに加わりいよいよクライマックスだ!!

「おおおおーっ!」気合一閃、神通棍を突き刺し最後の悪霊を消滅させる横山。

肩で息をする横山の元に駆け寄る清流。

清流を抱きかかえ周りを見渡す横山、自分たちを助けてくれた謎の霊能退魔士ひかりと聖狼シロの姿はもう見えなかった。

横山は呟く
「また、会えるさ……かならずっ」

画面にテロップとともに踊るゴーストスイーパーのテーマソングが流れ出す。
カメラはロングとなり、海を映す。テーマソングはクライマックスを迎えた。

ちなみにテロップには 

霊能魔退士ひかり   横島忠夫

聖狼シロ  犬塚シロ

心霊特殊技術監督  美神令子

の名があった。

試写会に来ていた観客は全員スタンドオペレーション。大歓声が沸きあがった。

この新作映画、近畿剛一主演、踊るゴーストスイーパー THE MOVIE]は邦画として異例の大ヒットとなり国内興行成績うん十億円を稼ぎ出し、さらに海外での公開も決まったという。

美神は心霊特殊技術監督として映画製作に参加。

そして横島とシロが映画の主役、GS横山のピンチを再三再四に渡って救う謎の美少女退魔士とその少女に付き従う謎の聖なる人狼役として映画に出演、共にスタントをも担当しさらにCGを一切使わない心霊特殊効果は絶大な評価を受けたのだった。

そして、うん億円という大金が美神の懐に舞い込んだという。
さらに関連キャラクター商品の著作権の印税などで美神事務所は大儲けしているようだ。

「ふっふっふっふっ、やったわ!以前デジャブーランドではちょびっとしくじったけど、今回は私の思った通り。大儲けだわ。ふふふっ。依頼の来た海外の超大作映画ゴ○スト・○ォーズを撮り終わるまで横島クンには悪いけどあのままの姿でいてもらうわよ。」
さらに
「なにしろ高価なエクトプラズムスーツを何着も使わないですむし、文珠で女性化させるにも時間的な限界と数の問題があるからね。」
「元手いらずで大儲け!!笑いが止まらないわ!!うふふふふふふふっあははははっ、ごほごほっ」
笑いながらむせ返る美神だった。

「「あわわわっ」」

自分のデスクに座って資料を見ながら陰謀を張り巡らせている美神の顔に、側で見ていたおキヌちゃんとタマモが抱き合って震え上がっていた。

所変わって、ここは美神が用意した横島忠夫の部屋である。

「こんにちわー横島さん。久しぶりですね。」

「おおーピートじゃないか、タイガー、雪乃丞もいっしょか」

「マ、ママに似ている。」

初めて女性化した横島を見て思わず口走った雪乃丞。

「「「このマザコンがー!」」」
全員に突っ込まれていた。

部屋に入りリビングルームのソファにドカっと腰掛けるピート、タイガー、雪乃丞の面々。

「横島さん、映画見ましたよ。すばらしかった。」

「そうですけん!あの謎の美少女、霊能魔退士ひかり。横島さんの凄い美貌とあのコスチューム。わっしも惚れましたけんのー。」

ピートとタイガーに映画の事を褒められるが浮かない表情の横島だった。

「ありがとな。だけど映画の事なんかどうでもいいから、この体を早く何とかしたいんだよな。」

横島は白いTシャツとジーンズをはいている自分の体を見ながらため息をつく。

美神の教育(調教)の賜物か最近では女性らしいしぐさを無意識でするようになっているようだ。

「「「う、か、かわいい!」」」
自分の体を見ながら困った表情をする横島を見て、思わず鼻血が出そうになるピート、タイガー、雪乃丞の面々

「で、お前の女性化の原因の目星はついたのか?」
こほんと咳払いをして雪乃丞が横島に聞く。

「目星というか、実は男を女に変化出来そうなアイテムの心当たりはあるんだよな。」

「ほう?」

「そのアイテムで俺は本物の蛙や豚にされたことがある。その時はヌルっていう魔族の攻撃の時に美神さんの盾にされたんだがな。」

「「「美神さん「の旦那」の盾にか?」」」やはりあの人は鬼だな!
美神の恐ろしさを再認識して震え上がる男達だった。

「そのアイテムなら男を女にすることも充分可能だと思う。」

「で、そのアイテムは今どこにあるのかわかってるのか?

「いや、それがわからないんだ。あの時は美神さんの時間移動能力が偶然発動してな。マリアと三人で中世ヨーロッパに行ったんだ。」

その時のことをかいつまんで説明する横島。

「ほう、カオスのじいさんの全盛期か?そんなに凄かったのか?今のカオスからはまったく想像できんな。」

「地獄炉ですか?そのヌルという魔族侮れないですね。一つ間違えば広範囲に渡って地獄に汚染される所だったんですね。」

「で、その時ヌルの使ったアイテムが問題の変化の杖というわけですかいのー?美神さんもその杖を使うことが出来たんですかいのー。」

「たしかに変化の杖を美神さんが使えなかったら俺は豚のままだった。」

しばらく考え込んでいるピートに気づく横島が声をかける。
「どうしたんだ?ピート。」

「横島さん達が現代に帰ってくる時、美神さんがカオスの研究所から色んな物をがめてきたとか言っていましたね。もしかしたらその時、変化の杖も・・・」

「「「「!!!」」」」

「でも、まさか美神さんが・・・」

「「「あの美神さん「の旦那」ですよ。「だぞ!」」」

この時、顔を見合わせる四人の額に大粒の汗が滲み出てきたのは言うまでもない・・・・・・


ところで
「はて、ここは何処でござろう?」

慣れない映画撮影のストレス解消に散歩していたシロは闇雲に走り回ったあげく、迷子になっていた・・・




続かない・・・

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