ザ・グレート・展開予測ショー

Cat People 4


投稿者名:偽バルタン
投稿日時:(05/10/19)






<SIDE:葵>





「にゃーにゃーにゃー♪」



はぁ〜…エライ目にあったわ…ほんま、参ったで…

キれた薫がブン投げた、件の『サルでも出来る催眠術』…皆本はんを狙った筈のそれは、思っきし的を外してウチのアタマを直撃した。痛かったぁ…コブになっとるわ。
でもそのショックでウチは正気を取り戻せたんやけど…なんつーベタで安直な…



「ねぇ…いいの?
葵ちゃん『い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!?』なーんてカワイイ悲鳴あげて逃げるもんだから…皆本さん傷付いてたよ?
葵ちゃんに『誤解された…』って。
…まぁあの体勢じゃ無理も無いけど…」

「うにゃ?にゃぁ〜…」



しゃ、しゃーないやん?
だっていきなり…目が醒めたら皆本はんの顔、これでもかって位近くにあるんやもん。
ウチビックリして思わず…



「だったらさ…何時までもお部屋に篭って無いで…
さっきも皆本さん、ドアの前まで来てたのよ?顔くらい見せてあげたって…」



あ、あかんて!どんな顔して皆本はんに逢うたらええか…
だってウチ催眠術にかかってネコになってる間の事、全部覚えとるんやで…?
自分が皆本はんにナニしたか、どんなコト考えてたのかもぜ〜んぶ…
今皆本はんに逢うたらウチ…恥しすぎて死んでまうわ…



「そんなに真赤になっちゃって…可愛い♪
でも…ほんと今回は災難だったわねぇ…」

「にゃぁぁぁ…にゃぁぁぁぁ…」



ふ、ふん…よぉ言うわ…紫穂かて散々楽しんで眺めとったくせに。



「まぁね♪
でも葵ちゃんも…楽しかったんじゃない?皆本さんに甘えられて…」



う…それは…
だ、だってウチその時は正気や無かったし…



「…うん猫になってたんだよね?
でもさ…案外…あれって葵ちゃんの本心なんじゃない?」



ほ、本心?
…ま、まさか…ウチがそんな…



「そう…葵ちゃんってさ、周りに結構遠慮するタイプだから…
もっともっと『皆本さんにかまって欲しい』って…
普段抑え込んでた気持ちが、オモテに出てきたって事なんじゃない?」



で、でもだからってあんな恥しいコトを…



「でなきゃ…あんなインチキ催眠術で、あそこまでなるわけ無いと思うの。
あんな大胆な甘え方…普段の葵ちゃんだったら絶対出来ないもんね?
嬉しかったでしょ?気持ちよかったでしょ?皆本さんに甘えて、かまってもらえて…私には、葵ちゃんスゴク幸せそうにみえたよ?」



う、うん…そりゃあ…
確かに嬉しかった…ええキモチやったよ?
皆本はん優しかったし…すんごいシアワセな気分やった…
でも…



「あれは…葵ちゃん自身が無意識に
『催眠術にかかって猫になった』事を口実に、皆本さんに思う存分甘え様とした…
そうゆう事なんじゃないかって思うの…」



うー…
…そ…そーなんかなぁ?…



「きっとそうよ♪
だからさ…
少しは…ホントに少しだけよ?…薫ちゃんを見習ってもっともっと、自分に素直になってみたら?」



う…うん…解った…



「…でも…流石に今回みたいのはもうやめてね…
『薫ちゃん』は1人だけで充分だからね?」



あ、あほ!そんなん当たり前やろ!!



「にゃーにゃーにゃーにゃーにゃ…」



…あーもーさっきからにゃーにゃーにゃーにゃーうっさいわ薫!
猫はもーたくさんや!!
大体やなぁ…今回の事はぜーんぶアンタが…



「そ、そんなマジに怒るなってば…な?葵…
悪かったよぉ…謝るからさ。それにさ、結局こーやって元に戻れたんだからいーじゃん♪」



ったく…ちっとも悪ぅ思うてないやろ?
…はぁ…なんや怒るのもアホらしゅうなってきたわ…
で?さっきからナニを…てゆーかなんやねんそのカッコは…



「へへぇ…いやな?ちょっとイイ事思いついてな♪
皆本のヤツ“こーゆーの”に弱いみたいだからよ…」

「まぁ…皆本さんにあんなに叱られたのに…薫ちゃんてば全ッ然反省してないわね♪」



ニヤリて…うーわ、コイツ等また碌でもないコトを…
な、なぁ…頼むからウチは巻き込まんといてや?



「なーに言ってんだよ葵?お前1人だけ仲間ハズレにするようなマネ、このあたしがする訳ないだろ♪」

「葵ちゃん…勿論付き合ってくれるのよね♪」



…言うだけムダか…はぁ…





…続く

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