Cat People 1
投稿者名:偽バルタン
投稿日時:(05/10/16)
<SIDE:皆本>
「にゃあ〜にゃあ〜♪」
仔猫が鳴いてる。
ぐりぐりと身体を摺り寄せて、かまって欲しいとおねだりしてくる。
僕の膝上に陣取ってる彼女…特徴的な三角の耳も、ゆらりとした長い尻尾も持ってはいない、眼鏡をかけた大きな仔猫。
仕方なく、その喉元を擽るようにそおっと撫ぜてあげる。
こんな事に慣れていない僕の手つきはとてもぎこちないものだったけど、彼女はそれでも気持ちが良さそう…ぐるぐると喉を鳴らして目を細める。
そんな様子に僕も思わず和んでしまって…本当、猫って甘え上手だよな。
「あー!あー!!こ、このスケベ!」
「皆本さん…何か手つきがやらしい…」
…薫、紫穂…頼むからそーゆー言い方はやめてくれ!
こんなの僕だって恥しいんだよ?でも事情が事情だけに仕方なく…
「フンッ…どーだか…」
「役得…とか思ってるんじゃない?」
あ、あのなぁ!
全く…大体こんな事になったのは一体誰の所為…!!
「ふぎゃ!?」
びくぅッ…
あぁ、ご、ゴメン…驚かすつもりなんて無かったんだ。別に君の事を叱った訳じゃないんだよ?
思わず荒げた僕の声に、飛び上がらんばかりに愕いた…そんな仔猫の頭を、宥める様に優しく撫ぜる。
「なぁ〜♪」
「う〜〜〜〜〜」
「…いいな…」
そんな僕に、薫と紫穂の冷たい視線がぶすりぶすりと突き刺さる。
なんだよ…ふたりとも何をそんなに怒ってるんだ?
それにしても…
はぁ…本当に如何してこんな事になったのか…
「にゃあ〜〜♪」
膝上の大きな仔猫を…いや…
『自分のコトを猫だと思い込んでいる葵』
をあやしながら…僕は、胃のあたりがきりきりと痛くなるのを感じていた。
続く
今までの
コメント:
- かる〜いお馬鹿なお話で、4回程で終る予定です。
因みに、葵嬢は猫に“なりきっている”だけで、ホントに猫になっちゃったわけでは無いですよ。
そこら辺の経緯は後々…
こんなんですが、ツッコミ・ご指摘等頂ければ幸いです。 (偽バルタン)
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