TWILIGHT〜プロローグ〜
投稿者名:超毒舌者
投稿日時:(05/10/15)
ここは東京にある巨大なプール
その一角で、膨大な負のエネルギーが渦巻いていた
例えるならば、中級魔族でも裸足で逃げ出すぐらいといえば適切だろう
さて、その中心はどうなっているのか…
「「「よ〜こ〜し〜ま〜」」さ〜ん」「せ〜ん〜せ〜い」
美女、美少女に口から零れるその声は、周囲の人間が聞けば一種の甘い囁きに聞こえる
しかし呼ばれた本人にしてみれば、それは死刑を宣告されたのと等しかった
「な、なんすか…?! 美神さん、おキヌちゃん、シロにタマモ…、揃いも揃ってそんな笑顔で…」
本来ならば、笑顔は良いものである
だが横島にはどうしても、その裏の顔が見え隠れしてしまう
「いや〜ね〜? 美女、美少女が揃ってるにも関わらず〜」
「横島さんの目がちらちらと〜」
「他の女に目移りするのは何でなのかな〜」
「と思ったのでござるよ〜♪」
死ぬ!?これは死ぬ!!と横島は思った
しかしここで死んでは、まだ見ぬ美女達に申し訳が立たぬ(?)と、横島は必死に弁解し始める
「ち、違うんすよ! まわりの女性を見てたのはそのッ…! 優越感に浸ってたんすッ! お前等より百倍キレーなねーちゃん連れてんだぞー…っと!」
うまい!こいつは『言い訳の天才』とかいう本に載せられるんじゃないか?!と思うぐらいうまい言い訳だと、横島は自画自賛した
しかし現実はそう甘くはない
「なるほど〜。でもね、横島く〜ん」
「普段の行いを見て〜」
「そんな言い訳を〜」
「まともに信じるとでも思っているんでござるか〜?」
四人はやっぱりにこやかに笑いながら、どこから出したんだか分からない武器で、いつのまにか完全武装していた
「ノオォォォーーー!!! 暴力反対ー!! やっぱり俺みたいな不誠実な男ではあの言い訳は通用しないというのかー!?……へぶしっ!!」
―――…横島はハッと目を覚まし、辺りを見回す
そしてそれが夢だと判ると、大きく溜め息を吐いた
「…はは。こんなになっても、まだ夢を見るのか。未練か、ただ懐かしんでるのか…、どちらにしても情けねえ…」
横島の口調からは自嘲の念しか伝わってこない
とても、あの明るい横島のイメージにはそぐわない口調だった
「ルシオラが命を張ってまで守ってくれたこの世界を、守り、生きていこうと誓っといて…これか」
横島は周囲を見渡す…
なにも…なにも無い
あるのは遥か向こうに見える地平線だけ
あれだけそびえ建っていたビルも、うざったいぐらいいた人間もいない
本当に無に帰してしまったのだ
「生きてるのは俺と…こいつだけか」
横島は壊れ物を扱うように、そっとそれを抱き上げる
「今の世界で、今の俺で、お前を幸せにしてやれる自信がない。だからお前は、過去で幸せになってくれ…ルシオラ」
横島はそう言い託すと、文殊を十個近く発動させる
文殊に込められた文字は、世界が終わる発端となる事件が起こる、少し前の日付
ルシオラと呼ばれた赤ん坊は、青白い光に包まれ…消えていった
「同じ未来を歩まないように…頼んだぜ」
『作者の愚痴』
いや〜、もうプロローグ書くのだけでかなり時間を要しました
それなのも通勤電車の中で携帯に打ち込んでいるもんですから…(汗
一話目を書き終えるの、いつになるだろ…
さて、本文についてですが…
とにかく読者の方に展開を読まれないように、読んでいて「この先どうなるんだろ?」と、思わせるよう頑張りますんで、応援願いします!
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