ザ・グレート・展開予測ショー

THE MOVIE「踊るゴーストスイーパー」(8−3)


投稿者名:3馬鹿鳥男
投稿日時:(00/ 6/18)

第8章(その3) 「織田家」(3)

「みなさん今日は泊まっていかれるのですよね?」
部屋が暗い雰囲気に包まれたのを気にしてか、
フミは立ち上がりながら大きな声を出した。
「はい。よろしくお願いします。」おキヌぴょっこんとお辞儀をした。
「それでは客間がちょうど3部屋あいていますので、用意しますね。」
フミはそれではとリビングを出て行った。
おキヌはその後ろ姿を見ながらほたるに尋ねた。
「フミさんはこの屋敷にご住まいでなんですか?」
ほたるはうなずき
「そうです。1階の角部屋で・・・住み込みで働いてもらっています。」
「ほたるちゃんの部屋は?」
なにげない様子で横島はアイスコーヒーを飲みながら聞いた。
「2階の東側・・・・なんでそんのこと聞くのです?」
ほたるははたっと気付き横島を睨んだ。
「いや別に・・・」横島は気まずそうに目を逸らしたが、おキヌもほたると同じ疑いの眼差しで睨んでいたので「ごほん」と咳払いし、今日はなんだか暑いねと銀一に話を振った。
銀一はしょうがないやつやなと苦笑した。
「ばあさん部屋はどこなんや?」
「2階の東側で私の部屋の隣りです。」
「俺達の部屋は?」
「階段を挟んで2階の西側です。・・・でもどうして部屋割りなんかを聞くのです?」
ほたるは首をかしげた。
銀一は軽く笑った。
「ばあさんを護衛するには地理がわからんことにはできんからな。」
「そうだったんですか・・・じゃあ横島さんも?」
「ああ、そうだと思うよ。」
銀一は横島に片目をつむり合図を送った。
「そっそうなんだ」横島はあわててうなずいた。
「やっぱり今日から護衛するとなると・・・
そのためにはどの部屋に誰がいるか把握しておかないとね。
あと、侵入方法や結界の貼る場所なんかも・・・」
「そうですか。ではちょっと待って下さい。今地図を書きますから。」
ほたるは立ち上がり部屋の隅にある棚から紙とボールペンを出してきた。
そして、紙いっぱいに「1階がこうで・・・・2階がこうです。」と屋敷の見取り図を書いた。
「お風呂場は?」
「1階の西側・・・玄関を入って左の奥です。」その場所を指して横島を見上げた。
「俺達の部屋の真下か・・・」横島は邪な笑顔をした。
ほたるは首をかしげ、眉をひそめた。
「何を考えているのです?」
「いや・・・何時なんどき襲われるかわからないだろ・・・だからさ・・・
あのおキヌちゃん。その汚物を見るような視線をやめて。」
横島は引きつった笑顔でおキヌに哀願した。
おキヌはほほほほと笑った。
「この人は前科がありますから・・・・横島さん。文殊はいくつ持っているのです?」
「よ・・4つだけど?」
「全部私に預けて下さい。」おキヌはにっこり笑った。
横島は渋い顔をしたが、観念したのかうつむいて4つ文殊を黙って差し出した。
「文殊?」
ほたるは首をかしげ、おキヌを見た。
「なんでもないですよ。ほたるさん。でもこれで安心できます。」おキヌは微笑んだ。
ほたるはよくわからないとますます首をかしげた。
おキヌはほたるに再び大丈夫ですよと微笑み、見取り図のわからないところを質問した。
そんな女の子どうしきゃきゃと楽しそうに話ているのを横島は横目で見てにやっと笑った。
(甘いなおキヌちゃん。実はもう1個あるんだ・・・・)

しばらくして、部屋の用意ができましたとフミがリビングに入ってきた。
「お風呂も用意してありますので順番に入って下さい。
着替えも用意しましたのでそちらも使ってね。」
おキヌは楽しそうに手を叩いた。
「そうだ。ほたるさんいっしょにお風呂に入りませんか?」
ほたるはいいですよとうなずいた。
おキヌは銀一たちに振り返り、
「では私たち先に入りますね。・・・・近畿さん。横島さんを見張ってて下さいね。」と銀一に頼んだ。
銀一はまかせときと横島を見て笑った。
おキヌとほたるは立ち上がりそれではとリビングを出て行き、フミもかたずけがありますのでとキッチンに向かった。
リビングには横島と銀一だけとなった。
「あれ、R君は?」横島は見渡したがR君はどこにも居なかった。
「ほたるちゃんといっしょに行ったんやないか?」
「いいな・・・俺もかわいい魔族になりたい・・・でもチャンスだな」
横島はにやっと笑った。
銀一は呆れた顔をした。
「横っち・・・もしかして覗きに行こうと考えているのやないやろうな?」
「もちろん・・・覗きに行くさ。あたりまえだろ?」
「あたり前やって・・・・おい。どこいくんや?おとなしく待っとき。
あの魔族より先におキヌちゃんに消されるぞ!」
横島は席を立ち、ドアに向かった。
「大丈夫だって。おキヌちゃんああ言っていたけど、ほんとうは覗いてほしんだ。俺には解る。」
何を根拠にそう言いきるのか銀一には理解できなかったが、取り合えず人として止めよう横島の後を追った。
「駄目やって横っち。」
横島はリビングのドアのぶに手をかけて、銀一を振り向いた。
「何?銀ちゃんもいっしょに行きたい?やっぱり男のロマンだよな覗きは!」
「何よくわからんことを正当化しとるんや」銀一は呆れた声で溜め息を吐いた。
「それに必見だぜ!美少女二人がお風呂で洗いっこ。
いや〜これにフミのお姉さまが加わった日には・・・
想像しただけで楽しくならない?やっぱりこれを見逃すと一生後悔するかも。」
横島は興奮したように勢いよくドアを開けたとたん刃物がどすんと降ってきた。
「のわっ」
横島は寸前でそれをよけた。よくみると飾り用の戦斧だった。
そして、振り下ろした人物をこわごわと見上げた。
そこにはふふふと笑っているおキヌ、ほたる、フミの顔があった。
「誰が覗いてほしいですって。」
「やっぱりR君の言った通りですね。」
「勝手に人の身体を想像してほしくないな。」
よく見るとR君が3人の頭の上で楽しそうに飛んでいた。
「あっ・・・うらぎり者!」
「人聞き・・・じゃなく魔物聞き悪いな〜。けけけけ」

銀一はリビングの窓際に立ち、コーヒーを飲みながら窓の外を眺めた。
そこには簀巻きにされた横島が横たわっていた。
「誰かほどいて〜。今見ないと一生後悔するんだ〜しくしく」
そのなさけない叫びを聞いて何度目かの深い溜め息を吐く銀一であった。

第8章 終わり
次章は「枕でGO!」・・・いや
   「パジャマでアタック!」・・・う〜む
   「下品でない程度にセクシー!」・・・・
   やっぱりストレートに「夜這い」ですかね・・・。
   に続きます。

すみませんもう忘れた方もいるかもしれませんが・・・続きです。

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