命の価値は?
投稿者名:U16
投稿日時:(05/ 9/28)
「おお、やっと帰って来たか」
一応のハッピーエンドを得た美神一行がアクアラインから戻った時、事務所で待ちかまえていたのはカオスとマリアの二人だった。
「何? またマリアの充電?」
胡乱げな表情で問いかける美神に対し、カオスはマリアを促すと、その指示に従いマリアが見るからに頑強そうなトランクを持って前に出た。
「ほれ、ルシオラとかいう娘の霊的因子じゃ」
「って、何ぃ〜〜〜〜〜!!!」
異口同音に放たれる叫びが事務所を満たす。
「な、何でアンタがそんなモン持ってんのよ!?」
いち早く立ち直った美神がカオスに問い質すと、カオスは平然とした顔で、
「何で? と言われてものう。妖蜂の毒の血清を作るのに、あの娘の霊気構造を元にしたんじゃし。
自滅機能の除去をした時にサンプリングした分も残っとたからのう」
「そ、それじゃあ!」
「ふむ、これだけ有れば復活には充分じゃろうて」
……その言葉を聞いた横島の頬を涙が伝う。
一度は諦めた女性の復活。だがそれは呆気ない程簡単に覆された。
無言のまま、喜びを噛み締める横島。
「ほれ、喜ぶのは完全に復活してからにしておけ」
そう告げて横島に蛍の霊破片を渡すように促す。
「……頼む」
「任せんかい! このヨーロッパの魔王と呼ばれたDrカオスに掛かれば、この程度の事朝飯前じゃ。
……まぁ、その代わりと言ってはなんじゃがな」
訝しげな表情で美神が問いかける。
「何よ?」
「今月の家賃、立て替えて貰えんか? マリアのレストアに予想以上に金が掛かってしまっての、今月はマジでヤバいんじゃ!」
ちなみに、お値段は3万2千円だそうだ。
……アシュタロス戦における、悲劇のヒロインの価値にしては余りな値段だった。
《END》
「……って、何で俺の給料から天引きされてんッスか!? 今月、生活出来ませんよ!!」
「アンタの彼女の事なんだから当然でしょうが!」
……ちょっぴりヤキモチを妬いてる美神さんなのでした。
今までの
コメント:
- どもう、GS美神系初の投稿になります、U16と申します。
ってか、SS投稿すること自体、随分と久方振りな気が……。憶えてくれてる人いるんかなぁ。
とりあえず、リハビリがてらと言うことで。
ではでは、U16でした。 (U16)
- うわ。シンプルイズベスト。
あり、というか、ちょっとびっくり。
いいなぁこれ。凄いセンスだと思いました。 (ししぃ)
- お帰りなさいませ。
確かにGS系では初めてですね。
「ヒロインの価値」の算定基準と金額に大笑いしました。
ヤキモチの焼き方が美神らしくて良いのですが、ますます横島に敬遠されるのではないでしょうか。 (ナマケモノ)
- 方法云々よりも何よりも復活費用が三万二千円!これって「とことん値切ろうとしてる」時と同じ値段じゃないですか(笑)。
金も命を惜しい!両方惜しい!間の値段とって50円の男!しょせんGSでの命の値段なんてそんなもん。 (九尾)
- はじめまして
この展開は想像できませんでした。GSは奥が深い。まだこんなにもネタがあるんですね。
今後もみんなが見逃しているようなネタを書いてくれるとうれしいですね。
(たしかエヴ○ンゲ○オンの2次創作を書いていた方ですよね。違っていたらごめんなさい。) (橋本心臓)
- 普通に情景が浮かんできそうな作品でした。
三万二千円、横島君にとってはかなり敷居の高い値段ではありますが、
人一人の価値としては確かに安いですね・・・・・・・。
勉強させていただきました。 (かいる)
- いや……
三万二千円はカオスなりの照れだと思いたい。
ほら、愛した人を失った苦しみ知ってるんだし……ねぇ? (Isana)
- ・・・三万二千円?
先月のバイトの月給と全く同じなんですけど(汗)
復活とHP開設を心待ちにしておりますw (皇 翠輝)
- ルシオラ復活の為の意外な発想も良いですが、オチが何ともカオスらしくて…w
面白かったです。 (偽バルタン)
- なんというか、発想が凄すぎますね。
こういう展開は思いつきませんでした。
それだけ意外な展開なのに、GSとして違和感がないのも凄い。
面白かったです。 (乱打)
- 初めまして。
何の違和感もなく、いかにも大家さんに叩き伏せられているカオスらしい。
金額には、とほほ……とは思いますが、それで還ってくるならと自分を誤魔化しましょう。
以前の作品はどれも好きでした。復活されることを心待ちにしてます。 (迷える駄犬)
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