ザ・グレート・展開予測ショー

THE MOVIE「踊るゴーストスイーパー」(8−2)


投稿者名:3馬鹿鳥男
投稿日時:(00/ 6/18)

第8章(その2) 「織田家」(2)

「はい。おまちどうさま。」
しばらくしてお手伝いのフミがリビングにワゴンを押して入って来た。
ほたるとおキヌがきゃきゃと話しているのを目を細めて見て、よたったですね新しい友達ができてと微笑んだ。
ほたるはフミに気付き、手伝うために立ち上がったが、
フミは「いいですよ。ほたるさん」と再び座らせ、飲み物を順番に出した。
「すみません。こんな夜分遅くに大勢でおじゃましまして・・・」
おキヌは飲み物を受取り、恐縮そうにお辞儀をした。
「いいえ。この家には3人しか居ないのでお客さんが来ると嬉しいですよ。
それに近畿君が来てくれるなんて・・・。
 ほたるさんから話は聞いていましたけど、直接出会えて嬉しいかったですし・・・
あのこれ色紙にサインして下さい。」
フミはどこからか色紙を出して、愛するフミへと入れて下さいと図々しく銀一に頼んだ。
銀一は苦笑してわかりましたと色紙を受取りサインをした。
「・・・・愛するフミさんへと・・・はい」
「きゃー。ありがとうございます。一生の宝にします。」
フミは大事そうに色紙を胸に抱えた。
「ところで・・・ほたるさんのお友達を紹介して頂けます?」
フミは改めて横島たちを見渡してからほたるに微笑んだ。
「ええ、そうでしたね。・・・・こちらがゴーストスイーパーの横島さん。
その助手のおキヌさん。
 今日来ていただいたのは、私とおばあちゃんの護衛をしてもらうためで・・・
 近畿さんは私の相談にのってもらって、
今日は私の事を心配して下さって来てくれたの。」
ほたるは簡単にフミに説明した。そしてみんなにフミを紹介した。
フミはにっこり「フミです。よろしくね。」と笑った。
こちらこそお世話になりますと、銀一とおキヌは握手した。
最後に横島と握手をしようと手を出したが・・・
横島は目をつむり「ジュデ〜ム」と口を尖らせたので、取り合えず殴った。
ほたるはあらあら随分仲良くなってっと少しずれたことを言ってからフミに尋ねた。
「フミさん。おばあちゃんはまだ起きています?」
フミは少し呆れた顔をした。
「今何時だと思っているのです?夜の11時過ぎですよ。
小梅さんはもうとっくに寝ていますよ。」
「そうですよね・・・では、おばあちゃんには明日みんなを紹介することにしますか。」
「小梅さん?」おキヌは首を傾げた。
ほたるはおばあちゃんの名前ですと微笑んだ。
「そうか残念だな。その小梅さんに聞きたいことがあったんだけど・・・」
横島は殴られた頬を擦りながら残念そうにほたるに言った。
ほたるは聞きたいこと?と尋ねた。
「ああ。たいしたことではないけど・・・そうかR君なら知っているかな?」
先ほどから我かんせずといった感じで猫のようにソファーの上で寝そべっていたR君の方を見た。
R君は横島を見てからふぁ〜と欠伸をした。
ほたるがR君と注意すると、面倒だなと呟いてからぱたぱた飛び、横島の目の前まで来た。
「何だ?」R君はけだるそう聞いた。
みんなが緊張して見ている中、横島は真剣な表情をしてR君を見て
「フミさんの3サイズは?」
と尋ねた。

「何を考えているんですか!」
フミとおキヌに殴られ向こうの方で倒れている横島に、肩で息をしながらおキヌは怒鳴った。
「本当にこいつで大丈夫なんですか?」
フミは手をぱたぱた叩いてほたるに振り向いた。
ほたるは困った表情で人選誤ったかしらと呟いた。
そんな二人におキヌはすみませんあんな馬鹿でと謝った。
「ちょっとおちゃめをしただけじゃないか・・・ひどい。」
横島は倒れながら非難の声を上げた。
「それではまじめにして下さい。」おキヌは諭すように横島に向かって言った。
「わかった」横島はムクっと上半身だけ起き、床に座りながらR君を再び見た。
「それじゃあ・・・・ほたるちゃんの3サ・・・」
おキヌとフミ、ほたるまでがすくっと立ち上がったのを見て、横島は慌てて冗談、冗談と両手を前に出しみんなを制した。
「本当はカミーラの基本型が何かを聞きたかったんだ・・・。
本当だよ。今思いついたわけじゃないよ。」
冷や汗を浮かべて愛想笑いをいる横島を無言で睨んでいた女性達は、大人しく再びソファーに座った。
それを見た横島はほっとした表情を浮かべ立ち上がりながら、
「R君知っている?」と再度尋ねた。
R君はまだ怒った表情のほたるを見てから、横島に振り返り答えた。
「カミーラの基本型?・・・魔族にしては珍しく人間だよ・・・それも少女・・・」
「えっ?・・・」
横島とおキヌ、そしてほたるもが驚いた表情でR君を見た。
「カミーラ?」
フミは首をかしげ、ほたるに振り向いた。
ほたるはフミの視線に気付き、これまでの事をフミに軽く話した。
フミはそう小梅さんを狙っている魔族がカミーラなのとうなずいた。
おキヌはフミが何か知っているような言い方に首をかしげて見た。
フミは照れくさそうに笑った。
「一応これでも私、霊能力者なんだ。霊力は小さいけど・・・」
「そうなんですか?」おキヌは嬉しそうに笑った。
ほたるはびっくりしたようにフミを見て私知りませんでしたと呟いた。
「それは言っていなかったから・・・言う事も無いと思ったし・・・。」
フミは言いにくそうに答えた。
ほたるは疑いの眼差しを向けたが、おキヌに心強い味方ができたじゃないですかと言われ、少しうつむいてからそうですねとおキヌに笑った。
「フさんも同業者か・・・まっそれはさておき・・・」
横島はフミを何気なく見てからR君の方に向き直した。
「R君もう一つ質問なんだけど・・・
カミーラはどうして小梅さんを狙うのかわかるか?」
「ばあさんをか?」
R君は意外そうな顔をし、けけけけと意地悪そうに目を細め笑った。
「それは知らないな・・・けけけ。人間を襲う理由は喰うためだろうけど。
 ばあさん喰ってもおいしくないだろうし・・・な。
まっ、しいて言えば支配されていた屈辱をはらしたいからなのかもな。けけけ。」
「そうか・・・そういうものか・・・。」横島はうなずいた。
「そういえば・・・ほたるちゃん。小梅さんが襲われたのはいつ?」
ほたるは首をかたむけた。
「えっと・・・1週間ほど前くらいですか・・・」
「その時は誰か近くに居たの?」
「いいえ・・・あばあちゃん一人でした。」
「他の人が襲われたことは?」
「・・・・無いです。」ほたるは首を振る。
「じゃあ。ばあさん一人で追い返したんか?」
銀一は目を見開いてほたるを見た。
ほたるは軽く顔をしかめた。
「その時は大きな物音がおばあちゃんの部屋でしたので、
フミさんと二人で慌てて様子を見に行ったんです。
そしたら・・・おばあちゃんが首から血を流して倒れていて・・・
一応軽い怪我ですんだのですか・・・」
「霊力がほとんど無くなっていたのか・・・」
ほたるはうなずいて横島を見上げた。
「はい・・・1年前より大分霊力が回復していたのですが・・・
今は歩くこともできなくなって・・・」
「でも、もう襲ってこないのではありませんか?」おキヌは首をかたむけてた。
するとほたるの頭上からけけけけと笑い声がした。
「それはないな。やつは執念深いから絶対くるな・・・・けけけ。
それに殺しそこなったのも始めてかもな・・・けけけけ。」
おキヌは楽しそうにR君が飛んでいるのを見上げてそうですかと呟いた。


その3に続きます。

あれれ、今度は3つになった。文章長すぎ。

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