対面の後で…
投稿者名:偽バルタン
投稿日時:(05/ 9/17)
・このSSは、今週のサンデー(42号)の本編『誘惑者(1)』をネタにしてますので…そちらを読んでないと解らないと思います。
対面の後で…
<<Side:皆本>>
「興味があるのさ。可愛い子たちだからね。
将来僕の花嫁にしたい―――…って言ったらどうする?」
…エスパー犯罪史上最悪の人物(らしい)兵部 京介。
彼のその突拍子も無い発言に…
「こんの…ナニ考えてやがるんだぁーーッ!!」
「…お、落ち着いてください局長!」
予想通り、コメカミの血管ブチ切らんばかりに激怒し、特殊監房の中にまで殴りこんできそーな勢いの局長。
その身体からびりびりと、肌に突き刺さるかの様な凄まじい殺気を放っていた。
…普段この人を抑えておける柏木さんってホントスゴイと思う…
だが…目の前の彼は、そんな局長の殺気を涼しい顔で受け流している。
本当に何を考えているのか。
詳しい能力もレベルも不明だが…局長の話から推測するに、目の前の彼が超度7に匹敵…或はそれ以上の“チカラ”を秘めていると言うのはまず間違い無さそうだ。
そんなヤツが、超度7の薫たちを…何を企んで…
「やらんぞ!?貴様なんぞにウチの可愛いチルドレンは!!
だいたい彼女達と貴様とでは一体どれだけ歳がはなれてると…このロリコン野郎がぁッ!?」
「いや、そーゆー問題じゃあ…」
でもまぁ確かに…局長の言葉を信じるのならば、目の前の男は見た目はともかく実年齢80歳。薫たちとは70歳も…それであの子たち相手にってのはちょっと…人としてどうかなぁ…?
まさかホントにそーゆーシュミが…
「おいおい…ロリコンだなんて…君にだけはそんな事言われたく無いなぁ?」
「貴様…なんて事を!
ワシはチルドレンの保護者として!彼女等に対して父親のような!おじーちゃんのような!深い愛情を持ってだな…」
「あー、桐壺クンのことじゃないヨ。
僕が言ってるのはほら、そこの皆本クン…」
「…へ?」
…え…僕?
「そ、よりにもよって君に…今現在彼女達を囲っている皆本君に、幼女愛好主義者よばわりされるのはちょっとねぇ…?」
「な、ナニを…ってゆーか僕は何も言って無いし!」
…アタマの中で思いはしたけど…
あ、そーいや精神感応能力も持っているのか…ってゆーか何故僕に話を振るんだ!?
「…皆本クン?…まさか君…」
「ちょ…局長!?」
「考えても見たまえ桐壺クン…
皆本君はあれだけの見目麗しい少女3人と常にべったり…任務中のみならず自宅までも…一つ屋根の下で暮らしているんだよ?
…如何に彼が理性的な人物であるとは言え所詮はオトコ…あんな可愛らしい彼女達を前に、いつ内なる獣性を解き放ち、劣情のキバを向けた所で何ら不思議は無いだろう?いや…もしかしたら実は既にもう…」
「し、してない!ナニもしてないぞ!!デタラメゆーなぁ!?」
当然、僕が彼女達にそんな不埒な考え等持っていよう筈も無い。第一僕はノーマルだ!
何より、彼女等の普段の姿…或はそのワガママでクソガキな本性をよぉく知っている者ならば、今の話がどれだけ信憑性に欠けた与太話であるかなど直に解るだろう。
…しかし、先程の『花嫁』発言で冷静さを失っていた局長は、どーやらその限りではなかったらしく…
「みぃ〜なぁ〜もぉ〜とぉ〜クゥ〜ン?」
「ヒィッ…!?」
ざわッ…
地の底から響き渡ってくるようなその声…瞬間、全身が総毛だった。
…局長が先刻まで男の方に向けていた、物理的圧力すら感じられるその殺気の矛先を僕の方へと変えたからだ(汗
「ちょ…待って…
い、いーですか!?よーく考えてください!
もし!仮に!万が一!!…僕が彼女達に対してナニかよからぬコトを…」
「貴ッ様ぁぁッ!よからぬ事ってなんだぁ!!?」
「仮定の話だっつってんでしょーが!?
…よからぬコトをしよーとしてもですね?あの子ら相手に成功するわきゃ無いでしょーが!
連中が大人しくやられるよーなタマだと思いますか!?
紫穂だったら事前に察知して手を打つだろうし、葵だったら“跳んで”逃げるだろうし、薫にいたっては徹底的に反撃してくるにきまってるでしょ?」
「む、ムゥゥ…」
…よし弁解(…ホントにナニもしてないぞ!?)成功!局長の殺気が幾分おさまる。
僕も必死だ…何せここで下手に話を拗らせでもしたら間違いなく命が無いのだから。
…なのに…
「しかし…あのワガママでクソガキな彼女達がなんだかんだと言いながら、でも結局最後には皆本君の言う事には逆らわず、ちゃんと言う事を聞いてるよね?
つまり、あの娘達はもー既に皆本君に手懐けられているとゆう事…いや本当に大したものだね、あの3人をそこまで躾けるとは。
全く、どんなエゲツない手段を使って彼女等をオとしたんだい?
やれやれ…皆本クン、見えないところでは彼女達に一体ナニをシているのやら…ねぇ?…クスクス」
「だぁぁっ!どーしてそーなるッ!?」
…どーして話をかき回すかな、この男はぁッ!?
しかしこの時確信した…間違いなく…この野郎は僕の“敵“だと!
「皆本クン!君ってヤツはぁぁぁぁ!!」
「正気に戻ってください局長!僕は無実だあぁぁぁぁッ!?」
「あっはっはっ♪」
ギリギリ…
ちょ…局ちょ…ネック・ハンキングツリー(首絞めてそのまま持ち上げる技)はヤメテ…
く、苦し…意識が…
「ははは…
…ま、全部冗談なんだけどね♪」
逝きかけ、薄れ逝く意識の中…ヤツがぽそっとそう呟いたのが、僕には確りと聞えていた。
…完全に頭に血の上った、局長の耳には届かなかったみたいだが…
…結局…これ以上は話にならず、この日の兵部京介との面会は何の成果も無く終了したのだった。
…終わり…
今週号42号“誘惑者(1)”を、読んでて何となく浮んだ小ネタです。
“あの”3人を従えている皆本さん…傍から見ればこんな風に見られてるんじゃないかなぁと。
…微妙ですね…それによく考えてみれば、皆本さんこーゆーの日常的に紫穂嬢あたりにやられてそーな…
こんなのでも、ツッコミ・感想等頂けると幸いです。
今までの
コメント:
- てめえ!ここまでの流れをわかっててからかいやがったな〜!!
これで皆本は「おとなりさん」ってか。 (九尾)
- 「くっくっ」とゆがんだ笑い方をする奴か?
奴の後継者なのか?
くっくっくっ。 (トンプソン)
- 「このロリコン野郎がぁッ!?」までは誰でも瞬時に思いつくでしょうが、そこから発展させているのが面白いですね。
主にページ数などの関係からこういう展開にはならないとは思いますが、外伝的な小ネタであれば十分にありえるかと。(笑) (キリュウ)
- 皆本君が朧さんに憧れてたのって、最初の読み切りだけの設定だっけかな(疑問)?
という訳で、はじめまして……すがたけです(笑)。
紫色の顔色で「どちらかというと柏木さんの方が!」と口走り、さらなる修羅場に足を踏み入れる皆本君を想像してしまいましたが、それはそれ(笑)。
すぐ暴走するし、桐壺局長ならあり得るなぁ……などと思いながら、賛成で(笑) (すがたけ)
- レス有難う御座います。
九尾さま、トンプソンさま…
確かにラプラスに通じるイメージがありますねぇ、兵部京介は。
…どっちの方が性質悪いでしょうかw
キリュウさま…
任せるに足る人物だからこそ、皆本さんチルドレンを任されたんだと思いますが…
それでもやっぱり事情を知らない側から見れば、3人の美少女はべらしてる様にしかw
すがたけさま…
連載が始まっての局長はから壊れっぱなしで、カッコいい見せ場皆無な気がw (偽バルタン)
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