空はどこまでも青く
投稿者名:丸々
投稿日時:(05/ 9/11)
「今日も良い天気だ」
雪之丞が窓から外を眺め、誰に言うでもなく呟く。
洗濯籠を抱え、ベランダに出る。
籠の中にはいつも着ているワイシャツが無造作に放り込まれていた。
「お前、自分で洗濯してるのか?
意外とマメなんだなぁ。」
悪友がからかうように声をかける。
いつもは雪之丞が押しかけるのだが、珍しく今日は逆だった。
普段の仕返しとばかりにテーブルの上には幾つものカップ麺が広げられていた。
物干し竿にシャツの袖を通し、少し身体を伸ばし竿を引っ掛ける。
少し背の低い彼は洗濯物を干すのに空を見上げなければならなかった。
「空、見るのが好きなんだよ」
見上げた空は突き抜けるように青かった。
空を見上げる彼に、今日も陽射は暖かく降り注いでいた。
―後書き―
ふと空を見上げると、救われた気持ちになる時があります。
そんなお話。
今までの
コメント:
- 空を見上げて、今は天の住人となった大切なママを思い浮かべる雪之丞――情景が目に浮かぶようです。
なので賛成。 (すがたけ)
- 横島より貧乏な雪之丞がベランダのある処に住めるかは置いといて、横島と雪之丞の会話が良かったです。実質14行と短い作品ですが二人の心をいろいろ想像できて賛成です (亜之煮鱒)
- >すがたけさん
ワンシーンのみを切り取ってみたのですが、やはり短すぎた感は否めません。
でもこの短い間で色々と感じてもらえたなら嬉しいです。 (丸々)
- >亜之煮鱒
短編は初めての試みだったのですが、やはり少々短すぎました。
でも、短いからこそ色々と想像する余地があるとも思います。
書いてみて、たまにはこういうのも良いなあ、と感じたのでいつかまた挑戦したいです。 (丸々)
- ↑亜之煮鱒さんです。
敬称が抜けておりました。
失礼しました。 (丸々)
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