ザ・グレート・展開予測ショー

小笠原エミを攻略せよ! ブラドー島編1「宿敵邂逅」


投稿者名:輝剣
投稿日時:(05/ 9/ 3)

前置き
これはGTY過去ログ87No93「小笠原エミを攻略せよ!」の後日談です。
原作との変更点やそれに至る経緯は、極力文中で説明しますが、そちらを先に読まれた方がわかりやすいです。 お手数ですが、その点ご了承ください。



これは、諸般の事情で対象こそ変えたものの、それでもなお、無理めの女をモノにせんと戦う少年の、哀と煩悩の物語である。




AM6:00  都内某マンション 


びしゅっ、ざくっ。
GSアシスタント・横島忠夫のさわやかな朝は、鎌がベッドに突き刺さる音で始まる。

「たまには他の起こし方しろやっ、エンゲージ!」

「時間の節約だだあっ!」

契約の神エンゲージとのこの会話は、既に定番である。

エンゲージは、横島が小笠原エミGSオフィスと改めて交わした雇用契約ならびに就業規則の守護者としてくくられている契約の神だ。
今ではすっかり馴染んで、藤子先生のまんがのような共同生活を送っている。

「さーてと、朝飯にすっか。 今日の献立は、と・・・・・・またヤモリの姿煮と野菜炒め!? 
・・・・・・なぁ、エンゲージ、エミさんってカロリー計算とかしてから献立決めてくれてるのかなぁ? 
あの人、霊力の回復しか考えてないよーな気がするんだが・・・・・・何故目を逸らす!? つーか、その哀れむような視線はナニー!」

就業規則で、エミの決めた献立通りに食事を取る事が義務づけられており、エンゲージ監視下の横島に食物選択の自由はない。 
無論、横島による「自由な食生活を求めて 〜せめて人間らしく〜」闘争は、幾たびも試みられていたが、エンゲージの制裁とエミの呪いの前にことごとく潰えていた。 

金銭的・栄養学的には以前よりはマシな食事のはずなのに、たまにありつけてうたおキヌちゃんのおいしいご飯を思い出すと、切なくなってくる。
まして、食べるのを見守っているのが、幽霊とは言えかわいくて気だてのいい女の子ではなく、神様とは言え鎌持った陰気な奴だし・・・・・・。

(なんでこんなことになったんかなー)
横島は溢れて出る心の汗をぬぐいながら、思い起こしていた。

もしかしたらあの時、エミさんが逆流する呪いから逃げるのに付いていかずに、あの場に残っていればよかったのかもしれない。
そうしておけば、おキヌちゃんが美神さんにとりなしてくれただろうし、元の鞘に収まったかもとは、後で思い至った可能性だ。
実際、おキヌちゃんは何度か学校まで「帰ってきてください」と言いに来てくれたし。

でも、もう遅かった。 
赤字を出した美神さんの怒りが恐くてエミさんと一緒に逃げ出した俺は、美神さんにとって完全にエミさん側の人間な訳で・・・・・・。
面子を潰された上、赤字まで出す羽目になった美神さんが許すはずもない。

幸いというか、何というか、あの後どこまでも追ってくる呪いを祓う為、エミさんの盾にさせられた俺は、相手が自分の煩悩だったから呪いごと取り込んでしまい、その結果、霊能力に目覚めた。
そして、すさまじい邪欲を霊力に変える様を目の当たりにしたエミさんに、改めて自分の所に来るように誘われたのだ。 
今度は従業員兼弟子として。 

他のアシスタント3人の内、ヘンリーとボビーがリタイアし、ジョーも辞めたがっているという人材難な状況でもあるし、「自分の呪いを取り込んだ」=「自分の呪いに高い免疫を持つ」人間を放置できないし、という事らしい。
一度は辞めようとしたし、イケニエは御免だったのだが・・・・・・あのおっぱいが背中に当たる感触に、耳に掛かる吐息に・・・・・・未練があった為、ついうなずいてしまったのだ。

結局、再度の契約での雇用条件は、イケニエ無しの時給制でコンビニのバイトレベル(社宅完備・危険手当別途支給)になった。 
弟子として師匠のエミから研修を受ける時間も、時給が支払われる契約なので、学生としてはかなり裕福な方だろう。

もっとも『規則正しい生活をする』『学業をおろそかにせず、出席する際には真面目に授業を受ける』といった就業規則に、就業時間外まで縛られ、自由で乱れた生活を奪われている為、裕福さを実感できていない。
逆に何か大切なものを無くしてしまったような寂しさがあった。

(今更後悔しても遅いよな・・・・・・それより今できる事をやんべぇ)

「うおっしゃー! 美神さんは駄目でもエミさんのチチシリフトモモは俺のもんじゃー! 今日も1日がんばんぞー」

横島は気合いと煩悩を入れ直し、まずい食事を勢いよく口の中に流し込み始めた




PM6:00  小笠原エミGSオフィス


横島は今日も師匠のエミに霊能力の指導を受けていた。

「サイキックソーサーを投げた後、気を抜かない! 敵の反撃に備えて、すぐに次を作り出しなさい!!」

「ハ、ハィィー」

超スパルタなエミの指導なので、気を抜いたら容赦なく、やけに喧嘩慣れしたヤクザ蹴りが飛んでくる。
その甲斐あって霊波の放出とコントロールは格段の進歩を遂げており、そろそろ栄光の手が発現するかなーという程にはレベルアップしていた。

もっとも横島も、現場の除霊経験で自分の霊能力の性質を段々と理解しはじめている。
さらにJL東海での霊列車事件で自分がモノノケに好かれやすい体質だと言う事も自覚し、おまけに横島に嫉妬したエミの男達が送り込んだ刺客に狙われたりもしたので、それなりに真面目に修行してもいる事も大きい。

エミのアシスタントという仕事は、強くならないと本気で命に関わりかねないと思い知ったのだ。
そんな難儀なバイトやめようと普通の人間なら思うだろうが、美神の色香に迷って時給250円の丁稚奉公をしていた横島にはエミのナイスバディを諦めるという選択肢はない。

それに最近では職場内での人間関係も互いに親密度を増し、エミ、ジョー、横島、エンゲージの間にも本来の流れにおける美神事務所のメンバー達のような絆が育まれつつあった。 

ジョーは場数を踏んだアシスタントとしてエミの片腕的な立場になりつつあるし、横島も所長の弟子兼次期主力GS候補としてそれなりに扱われ、エンゲージは安定性と信頼性に欠ける横島の監視&支援担当として重宝されている。
客観的にはともかく、主観的にはそれなりに皆幸せであり、環境も安定しようとしていた。


今日という日に、雷雨と共に「奴」が来るまでは。

「小笠原エミさん・・・・・・ですね? 唐巣先生の使いで来ました」

そう、ついにあの男が、この展開のラスボスが現れたのだ!

「僕はピエトロ。ピートと呼んでください」




PM8:00  小笠原エミGSオフィス近くの森


「ふっふっふっ、見とれよー腐れ美形がー! 貴様のよーなカッコつけはこの横島忠夫が、這いつくばらせてごめんなさいと言わしちゃるわー!」

「よ、横島君、相手は仮にも依頼人なんだ、ほどほどにな」

「ダーイジョウブですよ、ジョーさん。 ちょっと身の程を教えてやるだけっす」

あまりに殺る気満々な様子にジョーが諫めるが、気にせず三下悪役ゼリフを吐く横島。
ちょっと強くなったんで、天狗になっている。
知らないって事は、幸せだーね。

「・・・・・・僕は、彼を怒らせるような事をしたんでしょうか・・・・・・?」

「いいえ、ピートさん、気にしないでー。 ウチのブァァカが身の程をわきまえず、つっかかって吠えてるだけなんですからぁー。 こちらこそ、ホントにごめんなさいねぇ」

「まぁ、僕としても彼の実力を知る事は有意義ですから、構わないんですが・・・・・・あの、あまりくっつかないでくれます?」

「あら、いけずぅ」

なんだか意味不明なまでに燃え上がっている横島と、やたらと自分に身体を押しつけてくるエミに、ドン引きながらも、ジェントルマンなシリアス美形を貫くピート。
彼には、その余裕溢れる態度にむかつかれているという自覚はない。
まぁ、横島の嫉妬の原因の99%は、美形な彼にやたらとモーションをかけるエミだけどね。


何故、横島とピートの二人が、いつも修行場代わりに使われている森で相対しているかというと・・・・・・
このピートという男は、唐巣という腕利きのGSの紹介で、ある強敵と戦う為の助っ人を依頼しに来たらしい。 

「僕からはこれ以上お話しできないのです」と情報提示も不十分な依頼だったが、唐巣という男の紹介だと言う事で、エミがこの依頼を受けた(唐巣というのは信頼できる男らしい)。

そこまではまだ良かったのだが、ピートが敵の性質上霊能力が一定以下のアシスタントの同行に難色を示した事から話がこじれだした。

ピートが言うには、敵は人間を虜にする力があり、身を守れない人間を連れて行くのは敵を強化する事になるという。

幸い、エミは霊体撃滅波を撃つ際にガードを必要とするものの、美神のように多彩な道具を使うわけではない。 他にも助っ人を頼むのでそちらに前衛を任せれば、支援要員としてのアシスタントは必要ないというのが彼の主張だった。

これに横島がカチンと来た。 
もともと美形という事で五寸釘を人形に打ち付けようとするほど気にくわなかった奴が、エミさんと俺抜きで旅行なんぞ、認められっか、コンチクショー!と喧嘩を売ったのだ。

複数のGSを助っ人に頼まなければならないような、強敵と戦う為の旅に付いていこうなどとは、普段の横島ならば考えられないが、「エミさんは俺のもんじゃー」という煩悩の前には、恐怖などあっさり克服してしまうのがこの男らしい。
色欲と嫉妬で頭がオーバーフローして、そこまで考えがいってない可能性も大だけど。

そんなこんなで第一回小笠原杯タイトルマッチ、横島VSピートが実現したのだった。


横島のセコンドに付いていたジョーがいつの間に着替えて、レフェリーとして両選手に注意を与えた後、開始を宣言する。

「ファィッ!」

「ピートォ、頑張ってー、横島―っ、ピートに傷つけたら、承知しないよっ!」

宣言と共に投げかけられるエミの嬌声に、殺る気ゲージMAXになりつつも、横島はピートに対し手を差し出す。

「色々あったが、正々堂々男の勝負をしような」

ピートは意表をつかれつつも、嬉しそうに手を伸ばし・・・・・・その鼻先で霊波を放つ横島の両手が叩かれ、一時的に視力を失う。

そう、サイキック猫だましである。
霊波の放出とコントロールだけは上達した横島は、栄光の手より先にこれを修得していたのだ。

「くっ、騙したなっ」

「ひ、卑怯すぎる。 男の勝負をなんだと思ってるんだ横島君・・・・・・」

「・・・・・・馬鹿が、あとで説教なワケ」

たちまち巻き起こるブーイングの嵐。

しかし、横島はくじけない。 勝ちゃいいんだろー、勝ちゃー、実戦じゃ綺麗の汚いのと言い訳できねーぜ。 と、更なる追い込みをかける。

「行けっ、エンゲージ!」

まだ、目を押さえているピートにエンゲージの鎌が襲いかかる。
ピートは素晴らしい反射神経で避けようとするが、エンゲージを横島とのどたばたで刺したり斬ったりの技量はあがっている。

もうザクザクです、ピート。

さらに攻撃をエンゲージに任せ、自分はゴキブリのよーに逃げていた横島がニヤリと笑って振り返り、

「おーじょーせいやあっ!!」

サイキックサーサーを投げつける。

「うわっ!」直撃を受けたピートはたまらず地面に爆風と共に叩きつけられ、 さらにそこに追い討ちのサイキックソーサーが叩きつけられ、土砂が舞い上がる。

「うっしゃああっ! 見たか!友情のコンビネーション、エンゲージアタックの威力を! 」
喜びの余りシャウトしつつ、横島は腐れ美形を屠った感動にふける。


さて、横島が感動に浸っている間、読者のみんなに説明しよう。


友情のコンビネーション エンゲージアタックとは!?

サイキック猫だましで視力を奪った相手に、共同生活で友情を育んでいつのまにか使い魔のような存在になったマブダチのエンゲージ君を襲いかからせ、その隙に距離をとって回避不能の相手をサイキックソーサーの遠距離砲撃で倒すというコンビネーション技である。

「痛いのやーの、きついのやーの」な横島が極力自分が痛い目に遭わないよーに、危ない目に遭わないよーにというコンセプトで卑怯回路全開で編み出した、いわば横島流邪道術の超必殺技なのだ。

ちなみに、エミの男ズからの刺客もこれで倒しました。


「やったなぁ、エンゲージ、俺達は勝ったんだ! We are winnerだ! 俺を舐めるかこーなるんだ、驚いたか、クソ美形!」

「ええ。まさかこれだけの力をお持ちとは驚きましたよ、横島さん」

「なっ!?」
喜びにひたる横島に背後からの声が水を差す。

慌てて振り返るとそこには目を回して倒れてるマブダチのエンゲージ君と身体を半ば霧と化したピートがいた。

「て、テメー化け物だったのかよ!」

「これには事情がありまして。 今回の依頼も・・・・・・」

その横島の声にフッと寂しげな影を落としつつも、ピートは事情の説明をしようとするが、横島が男の言い訳なんぞに耳を貸すはずもない。
「美形は敵じゃああっ、ブッ殺ーす!」と吶喊していく。

「横島忠夫バーニングファイヤーパーンチッ!」

全霊力をこめた横島必殺の右! だが、最早ピートは油断しても、目眩ましを受けてもいない。
格闘技の経験もない横島のへたれパンチがヒットするわけがなかった。

逆に懐に入り込まれてしまい、

「ヴァンパイアー昇竜拳!」

横島の意識は一撃で沈んだ。

横島忠夫 1R KO負け




PM10:00  小笠原エミGSオフィス


横島はオフィスのソファで目を覚ました。

「目が覚めたワケ?」

気が付くとエミが心配そうに横島の顔を覗き込んでいた。

エミはいくつかの問診をして異常なさそうだと確認すると、ホッとして一瞬表情を緩めたが、すぐに厳しい表情になり、横島の頬を張り飛ばした。

「不測の事態に遭遇したら、まず情報を集める事、行動はそれからだって何回言えばわかるワケ!?」

エミさん、本気でお怒りです。
 
「今回は相手が温厚な男だったから良かったものの、事情も聞かずに本気で殴りかかって返り討ちになったら普通、命はないワケ!  
死にたいのならそういいなさい! 師匠の誼でアタシがきっちり呪殺してあげる!!」

横島も、エミの剣幕から彼女が本気で怒ってるのを察したが、なんかもやもやとして抗ってしまう。

「で、でもあいつ化け物・・・・・・」

「確かにピートはヴァンパイアハーフよ。 でもね、人間に害を加えない、むしろ共存を図ろうとしているの。 今回の依頼もその為の依頼だったワケ」

エミさんの言うところによると、横島が気絶した後、ピートが全ての事情を話してくれたのだという。

奴のフルネームはピエトロ・ド・ブラドー。 今回の除霊対象ブラドー伯爵の息子なのだそうだ。

最も古く、最も強力な吸血鬼であるブラドー伯爵が数百年の眠りから目覚め、島の住民達を引き連れて世界征服を企んでおり、その阻止の為、現在唐巣というGSが結界で封じているのだという。

とはいえ、いつまでも結界で抑えておく事もできそうにないので、今回選りすぐりのGSの協力を仰いで退治すると言う事らしい。

たしかに、ピートの奴のやろうとしている事は正しい事だし、足手まといを連れて行ったら拙いというのもわかる。 弱い奴が行ったって吸血鬼にされて敵を増やすだけだろうし。

頭では納得した。 だが、ピートに身体を押しつけるエミの姿が頭に浮かぶ。 どうにも、心が納得しようとしない。
それを見たエミさんがなおも続ける。

「確かに吸血鬼や魔物は除霊対象。 でもね、いつも戦うばかりがGSの仕事じゃないワケ」

エミさんが意外なことを言い出した。
 
「時には話し合って共存の道を探ったり、協力したりする人間と対等な相手なのよ。 GSはその辺の見極めもできなきゃ、失格なワケ」

その割には、問答無用で吹っ飛ばしてませんか、あなたも美神さんも。
 
「それでも納得がいかないってんならオタクはGSに向いてないって事。 あたしとの師弟の縁もそれまでって事よ」

淡々とした口調が、逆にエミさんが本気だと言う事を無言で告げていた。
となれば、謝るしかなかった。 突っ込みなんて入れたら本気でクビだ。

「・・・・・・すいませんでした」

「分かればいいワケ。 さ、今日はもうあがりなさい」

エミさんが優しげな表情になって言った。 でも、今日もこれから除霊が入っていたはず。

「へ、でも、今日の依頼は?」

「キャンセルしたわよ。 ジョーは今回のお詫びにピートの運転手になってもらったし、それにオタクはこの有様だしね」

「いや、俺は何ともな・・・・・・」

慌てて言い募ろうとする俺をエミさんがまた厳しい表情になって一喝した。

「何ともないって言ってるのがオタクの未熟の証明!  全霊力をありったけ右手にこめてる時に、あれだけの一撃を受けたんだから、タダですむわけがないワケ」

そう言えば、そうでした。 でも、キャンセル料をとられるのでは?
 
「それはこっちでなんとかするワケ。今日は帰ってしっかり体を休めなさい。 オタクにはブラドー島でもしっかり働いてもらうわなきゃならないんだから」 

は? 今、なんて仰いました!?

「エ、エミさん!?」

「あ、そうそうピートから伝言よ。 『足手まとい扱いをしてすみませんでした。 共にブラドーと戦える事を心強く思います』だ、そうなワケ。 今度会ったら、しっかり謝ったり、礼を言ったり色々して仲直りするのよ」

エミと旅行に行ける! その為に戦い、そして認められた。 その筈だ。
なのに、こう、のしかかってくる敗北感はなんだろう?
横島は、エミに改めて詫びと礼を言い、オフィスを出た。
何故か、足取りは重かった。




横島はとぼとぼとエンゲージと共に帰路につく。
さすがに落ち込んで黙り込んでいたが、ぽつりとエンゲージに問う。

「なぁ、俺、負けたんだよな」

「ああ、実力でも、人間的にも」

中途半端な情けをかけず、はっきりと言ってやるエンゲージ。

「だよなぁ。 なぁ、エンゲージ。 俺はヘタレで情けない奴だから、人に負けるなんて事は珍しくもない。 だから、負ける事は恐くない。 いつもならへらへら笑ってすぐ忘れる。 なのに・・・・・・なんで、今日だけはこんなに悔しいんだよっ!」

「横島、お、お主(おかしい、まだシリアスしてる)」

横島の目からボタボタと心の汗が流れ落ちる。

「俺は、俺は勝ちてーよ、あのピートッて奴に! その為にはなんだってやってやるさ! だから、これからも力を貸してくれ! エンゲージ」

「お、おお(熱血だな、こいつ、本当に横島か? あの時どこか、頭を打ったのでは!?)」

「エミさんのケツは俺のもんじゃー! あんなヴァンパイアハーフなんかにゃーわたさねーぞぉ!」

「おおっ!(よかった、この馬鹿さ加減、正気だ)」


横島は、生涯の宿敵ピートとの初めての戦いに敗れた。
だが、敗北から立ちあがり、勝利をつかむ事こそが少年マンガの王道!
戦え、横島! その内にたぎらせた煩悩だけが君の明日を切り開くのだ!
そう、いつの日か、エミのナイスバディを我が物にできるその時まで!!



後書き
かなりご無沙汰しております。 かれこれ五ヶ月ぶりでしょうか。
「小笠原エミを攻略せよ!」に至っては半年振り! 前の話を覚えていてくださいと言う方が無茶です。
それで、原作から改変した部分の説明を前半でいたしました。 
これさえなければ、ピート登場→初対決→惨敗、そしてリベンジの決意という流れでスッといけたのに! と、自分の遅筆を呪う次第です。

それでは、また来週にお会いしましょう。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa