ザ・グレート・展開予測ショー

モンジュは反則海賊版 (end:A)


投稿者名:Nar9912
投稿日時:(05/ 8/10)

…………「最」「強」の文珠が今効果を現す!!




ちゃりらりら〜〜〜ん。

何処かで聞いた様な音と共にその場にいる者達の脳内にテロップが流れた。



”横島の棋力は最強になった。”


”ヨコシマ(暗黒聖棋士) Lv:999999999”


「な、な、ななななんじゃそりゃーーーッ?!?!!」


べすぱ は あきれている。

みかみ は じゅもんをとなえられない。

るしおら は どうしていいかわからない。

はにわへい が あらわれた。

どぐらまぐら は はにわへい に なぐられている。

あしゅたろす は ねむっている。




……

………はッ!

横島は我に返った。あまりの事に一瞬意識が飛んでいた様である。
幸い、周りは皆まだ正気付いていない様だ。

今なら。今なら大丈夫。今なら大丈夫だ。今なら無かった事に出来る。

横島は、今度こそ、勝てるアイディアを求めて考え込んだ。
暗黒聖棋士ヨコシマの知力は高い。



”恋”……駄目だ。野郎にそんなもん使うくらいなら俺は死を選ぶ。
美神さんに使わせれば……あんひとが素直に使ってくれる訳無いか。
効果が切れたら終わりだしな……効いてもすぐ切れそーだし。
”変”とかでも駄目だろーなあ。

……

…………

…………………………!!


名案が閃いた。
本当だぞ、本当に名案なんだ……実現出来ればな。


横島の脳裏には昔読んだ事のある青いロボットが出て来る国民的な漫画の
一連のシーンが鮮やかに甦っていた。


いや、駄目だ。あれは、駄目だ。あれは、時間を超えないとならない。
時間移動は今、アシュタロスの奴が妨害している筈だ。


……駄目なのか? せっかくの名案なのに…駄目なのか?
俺は…俺はここまでなのか?


焦りと言う名の滅びの使者が暗黒聖棋士ヨコシマに襲い掛かる。
長考に入りたいところだが、状況はそれを許してはくれない。


まさか脱衣将棋で勝負だ!なんつー訳にはいかんだろうしなあ……


と、現実逃避に入りかけたところで再び閃いた!!


そうだ、違う時間は駄目でも、並行世界なら大丈夫な筈だ!!


何処から仕入れたのか分からない知識だが、今時並行世界の概念くらいは
漫画にでも出て来る。そう、別の時間の…は無理でも並行世界と言う手が
ある。

横島は先程の文珠に全て籠めてしまった煩悩パワーを何とかもう一度引き
出そうとする。
ルシオラだ、ルシオラを見れば良い。あーんな事やこーんな事をする為に、
燃えろ……いや萌えろ妄想。湧き上がれ、俺の煩悩ッ!


妄想開始、いきなり煩悩全開ッ!!


やれば何とかなるものである。横島の手には再び二つの文珠が現れた。
どうやら事ここに至って終に妄想力をコントロールする事を覚えたらしい。
俺って時々すげーなあと思いつつ、後が無い横島は文珠に文字を籠めた。


「喚」


”喚”ぶ。つまりは、召喚、である。
叫喚……叫び乃至八大地獄第四……の方が彼には似合っている気がするが、
彼に第四地獄の知識など無い。

大丈夫、文珠の使い方は上手くなっている筈だ。
さっきのは何が最強なのか考えていなかったから失敗しただけだ。

果たして、喚びたかった者達は現れた。並び立つ幾つもの人影。


並行世界の横島達である。


ドオォーーーンとかバアァーーーンとか聞こえた気がしなくもない。

そう彼は昔読んだ漫画のネコ型ロボットが秘密道具で未来の自身を応援に
喚んだ事を思い出したのである。文珠は、○次元ポケットに負けない程の
万能アイテムだ。これだけの横島の誰か一人で良い、解決策を持っている
者がいて欲しい。いないなら……終わりだ。彼も、並行世界の彼等も。
手段を選ばない彼は並行世界の己を巻き込む事にも抵抗が無い。
巻き込まれる事には思いっきり抵抗があったりするのではあるが。
そう言えば、この世に自分ほど信じれんものが他にあるかあああっなんて
言っていた頃もあったなあ、と、再び現実逃避気味になったりした。


………だが、いた。


”模”の文珠を使えば良いのだ。彼が呼び出した横島達の中には魔神戦を
経験した者がいた。己の状況に惑って叫びを上げる何人もの横島達の中に
ほんの一握り存在する彼らはルシオラが生きている事と魔神がいる事から
即座に己の為すべき事を決めた。
中には、一巻冒頭の横島もいたりするのであるが……美神に飛びつこうと
してお互いにぶつかり不毛な争いを展開していたりもする。
ともあれ戦う事を決意した一握りの彼らは、すかさず”模”を使う。
この世界の横島もそれを見て”模”を使った。

アシュタロスは101匹横島大行進に驚いて反応が遅れた。先手を取った
者が有利な同等の能力を持つ者同士の戦いで出遅れたのだ。


……………魔神タコ殴り事件、再び。


こうして横島はこの世界でもどうにか魔神を倒した。
実は本作本編の横島が混じっていたので事後処理も問題無しである。
彼自身を喚んだのは不幸中の幸いであった。幾ら文珠が万能とは言えども
単独では妨害霊波が健在なあの時に他の存在を喚べはするまい。


完勝、であった。


だが、この世界の横島はこの時まだ考えが及んではいなかった。
あの漫画で、あの後、しっかり応援に向かう展開があった事に。



……

斯くして、ここの横島は、並行世界に喚び出される毎日を送る様になった
のである。
艱難辛苦を乗り越え、ルシオラを手に入れた彼であるが、甘い生活は遙か
に遠く……


「ちくしょー。泣いてないぞ。泣いてなんかいないからなーーー。」


彼の叫喚は今日も空しく辺りに木霊していた。


……………横島の物語が終わるのは何時の事か。













彼は戦う。
彼は今日も明日も明後日も、ナニか不純物混じった愛の為に戦い続ける。

その戦いが終わっても、或いは彼を取り合う事と決めた女性達が勝手に
争って、彼の望むナニか不純物混じった愛が叶う日は中々来ないのかも
知れないのだが、それでも彼は戦うのだ。

嗚呼、哀戦士横島よ、永遠なれ……………お空に顔が浮かんで、終わる。

(モンジュは反則海賊版 end : A)

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