姉
投稿者名:美尾
投稿日時:(05/ 8/ 3)
屋根裏部屋に上がるとパピリオはもう寝息を立てていた。
ベッドの上の妹の顔をそっとのぞき込む。さっきまであんなに怒ってたのが嘘のように穏やかな寝顔をしている。
「まったく、みんなに迷惑かけて………ごめんね」
かまってあげられなくて…
一人ぼっちにしちゃって…
「最近はヨコシマ、ヨコシマばっかりだったもんね…焦ってたのかなぁ」
仕方ないとは言わないけど、でもこの間まで一年しか生きていられないと思ってたわけだし。
それに…たぶんあの人やあの子も好きなんだろうなぁ。
そんな物思いに浸っていると、ムニャムニャと寝言が聞こえた。
「ポチ、ご飯の時間でちゅよ」
思わず笑いがもれた。
妹の頬をツンとつつく。
「こら、ポチじゃなくてヨコシマでしょ」
…もっとゆっくりでもいいんだよね。
いま私には時間があるんだもの。
よし、明日はこの子と一緒にいよう。
今までの
コメント:
- ええと、いつにもまして短いですが(汗)
すこしでも面白いと思っていただければ幸いですm(_ _)m (美尾)
- 原作で、甘い生活からジャッジメントデイまでの、ちょっとした隙間ですね。
短いながらもルシオラのパピリオに対する謝意、この後を知っている人にはちょっぴり切ない内省、そしてこっそりとパピリオの呼称修正などの要素が込められていて。どれも原作の隙間を見事に繋げて補完する内容でした。
原作で無意識に少し物足りなく思っていた部分が、また一つ静かに埋まった気がします。 (斑駒)
- この後の彼女の運命を知っているわれわれとしては、彼女の言動一つ一つに切なさを感じてしまいます。 (純米酒)
- 長さ短さは関係ありません。
短い中に末妹に対する姉の想いを詰め込んだ辺りは……流石の一言です。 (すがたけ)
- 姉としてのルシオラの姿というのは、あまり見かけないような気がします。
そういった部分を拾い上げ、優しい感覚で作り上げる美尾さんのストーリーが私は大好きです。 (ちくわぶ)
- 短くても、というより短いからこその余韻、というべきでしょうか。
切なくて優しくて、素敵なストーリーだと思いました。 (APE_X)
- 出来るなら、姉妹が三人揃った場面の交流なんかも見たかった……
原作では早いうちにルシオラがアシュ陣営を離脱してしまったので仕方ないですが。
悲劇のヒロインといえばルシオラが挙げられますけど、
姉妹で敵味方に分かれてしまったのだから、べスパとパピリオも同じなんですよね。 (丸々)
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